MINAMATA 今一番公開を待つ映画。
数日前、新しいトレーラーの動画がタイムラインに流れてきた。
たしか、今年公開の予定だったと記憶していたけど、来年になったみたい。
MINATAMA。ご存知、写真家のユージン・スミスの映画化だ。
希代の写真家を、ジョニーデップが演じる。
第二次世界大戦での負傷と、水俣病の抗議活動取材時にうけた暴行…。
撮影に賭けた強い想いのみならず、
文字通りこの国「日本」で生命を削った写真家だ。
僕は、写真を始める前の十代の頃は、多くの文学作家や歴史上の人物の言葉に多大な影響を受けてきた。僕自身の人間性は、活字の連なりによって多くを構成されていると言っていい。
しかし、カメラを片手に持つようになった今、僕の精神に多くの影響を与えてくれた写真家たちがいる。その最たる存在と言えるのがこのユージン・スミスだ。まぁ要するに、大好きなんです。笑)
写真作品は見ていただくとして。…というかご覧になったことがある方がほとんどだと思うけど、ユージンの魅力は写真作品だけでなく、そこに対する強い想いが宿った数々の言葉にもある。その言葉達の力が、言葉によって育ってきた僕の感性の芯の部分を直撃した、というのが彼に魅入られた最大の理由なのかもしれない。
色々な本を読んでいて思うのは、華々しく見える彼の掲載の経歴も、実は戦いの連続だったのではないかということ。そしてそれは時代が変わった今も、いや今こそ心に留めておくべきなのではないかということ。
正確な引用では無いけれど、僕の心に強く刺さっている彼の言葉を、ここに記しておく。
「ジャーナリズムに対する私の責任は2つある。
第一は写す人たち(被写体)に対するもの。第二は読者に対するものだ。
この二つの責任を果たせば、自ずと編集者(掲載誌)への責任も
同時に果たすことになる」
真実とは何か。伝達とはどういうことか。
彼の言う "Let Truth Be The Prejudice."というフレーズに込められた強い意志が、この言葉を心中で噛み砕くことによって、迫ってくるように思える。
出来ることはささやかながら、僕もこの2つの責任を胸に、野生動物や自然に係わる人々を撮っていきたいと思う。
ユージンが好きだから、映画の出来如何に依らず感情移入は出来そうだけど、「MINAMATA」は当時のパートナーであり、妻でもあったアイリーンさんが協力をしている(だったと思う)し、リアルな仕上がりになるんじゃないかなぁ、と期待している。
早く観たい。