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【開催報告①】ひとり親けんこう白書完成報告会を開催しました

2023年8月20日(日)大安吉日。シングルマザーズシスターフッドとしては初めての対面のイベント「ひとり親けんこう白書完成報告会」を開催いたしました。

研究代表者の絵理さん@エントランス

熱中症アラートが出るほどの暑い日でしたが、そんな中、私たちの調査研究結果をまとめた『ひとり親けんこう白書』の完成を祝うために、たくさんの方が駆けつけてくれました。

受付はウェルカムな雰囲気になるよう、
本イベントのパネリストでもある呉哲煥さんの
「リアルな場づくりのポイント」の動画で予習して臨みました。
12:30に開場すると続々と来場者が…
対面のイベントならではの風景です
皆様のお手元には出来立てほやほやの『ひとり親けんこう白書』が!
13:00イベント開始
司会はスタッフの佳奈子さん
代表の吉岡マコより
開会のご挨拶

本日は、開会のご挨拶の内容をご紹介します。

みなさま本日は暑い中、この報告会に足を運んでいただき本当にありがとうございます。このたび、2021年よりトヨタ財団の研究助成を受けて取り組んできました、シングルマザーの心身の健康と、ピアサポートの効果についての調査結果をまとめました、ひとり親けんこう白書が完成いたしました。こうして、みなさまに直接お会いしてご報告できることを本当に嬉しく思っております。
 
今回の調査の特徴と、その意義を少しだけ、最初に皆さんとご共有したいと思います。今回の調査結果は、全国123万人のシングルマザーの声を代弁するものではありません。そういう大規模調査はもっと大きな団体や行政によってすでにされています。
 
今回の調査は、あくまでもセルフケア講座にアクセスしてきてくれたシングルマザーを対象とした小規模の調査であることに意味があります。
 
私たちが提供するオンラインのセルフケア講座に参加した人数は、実人数でいうと500人程度です。そのうち、今回の調査に参加したシングルマザーは70名弱です。日本の母子世帯は123万世帯と言われており、それに比べると数は本当に少ないです。それは、シングルマザーの心身の健康の問題にまだ光が当たっていないということの表れでもあると思います。
 
多くのシングルマザーは、セルフケアとは縁のない生活をしていて、でも、心身の健康には問題を抱えている、ということは大規模調査でもわかっています。(聖カタリナ大学の鬼頭裕美先生のプレゼンでも発表されます)
 
そこまで調査でわかっているのに、心身の健康の問題を予防したりケアすることを社会でサポートするという機運にはまだまだなっていないんですよね。私たちがシングルマザーズシスターフッドとして活動を始めてまだ数年ですが、セルフケア講座に取り組んで、心身の健康を改善し、人生を前向きに歩んでいるシングルマザーは確実に存在していてその人たちの変化を、今回の調査で確実に観察できました。その人たちの声を訊き、光を当てることでは、支援の方法やあり方を検証し議論する上でとても意味があると思っています。
 
最後に、本日の発表をお聞きいただく上で、気をつけていただきたいことをお伝えします。私たちは活動開始以来、こんなコメントをよくもらっていました。「セルフケア講座に参加できる人は「困難度が低い、恵まれた人」で、本当に支援すべきは、そういうところに参加できない人なんじゃないですか?」というような、ちょっと批判めいたことを言われることがあるんです。
 
実際に私たちが接しているシングルマザーは、配偶者からの暴力から逃げ身を隠している、子どもの不登校や自身の病気などの困難に直面していた時に講座に出会った、というふうに、「困難度が低い」とはとても言えない人たちです。
 
そして、今回の調査は「シングルマザーのセルフケア講座に参加した人」を対象に実施されましたが、アンケート結果からは多くの不調や困難を観察できました。そのデータを見たら、その人たちのことを「困難度が低い(=支援の対象ではない)」とは、とても言えないと思います。
 
私たちの信念は、例え困難を抱えていても、どんな人にも力がある、その力を発揮する後押しをする、というものです。 シングルマザーの心身の健康の課題と、その解決策の実践の事例を示したこの『ひとり親けんこう白書』が、ひとり親支援の更なる充実のための基礎資料となることを願って、本報告イベントを始めたいと思います。
 
ぜひ、皆さんも、イベントを通して気づいたことや感じたこと、お聞かせいただければ嬉しいです。本日はどうぞよろしくお願いします。

次回から数回に渡り、この後のプログラム、③研究についての報告、シングルマザーの心身の健康に関する量的研究(鬼頭裕美先生、吉武理大先生、黒川すみれ先生)、④シングルマザー支援におけるピアサポートの効果に関する質的研究(佐藤絵理さん)、⑤パネルディスカッション「ひとり親支援における「つながり」のあり方を考える」、⑥会場全体でのディスカッションについて、順番にご報告していきます。お楽しみに。

『ひとり親けんこう白書』の内容は、こちらのマガジンでも順番にご紹介していますので、ぜひご覧ください。





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