『ひとり親けんこう白書』第3章 グループリフレクションの効果
グループリフレクションの効果
前回は、グループリフレクションというプログラムがどんなものか、そして、参加者の声をご紹介しました。ここでは、グループリフレクションの効果をご紹介します。
ローゼンバーグ自尊感情尺度平均スコアが4ポイント上昇
つながりとピアサポートの効果を調べるため、自尊感情を測定する、10項目からなる自己記入式尺度「ローゼンバーグ自尊感情尺度」を使って、ビフォー・アフターの結果を調べました。20点以下の人は自尊感情が低く、30点以上の人は自尊感情が高いという目安があります。1〜2期の卒業生29名の結果を分析すると、合計得点は27から31に上昇しました。
10項目中最もスコアが改善した上位4項目
誇りを取り戻す
10項目のうち最もスコアが上昇したのが、
「自分には誇れるものがある!という感覚」で、
2.7→3.3、
0.6ポイントの上昇でした。
自分の目標や希望を仲間に向けて発表し、それに対して仲間からフィードバックを受けることで、「自分はやっぱりこれが好きなんだ、こうしたいんだ」と、自分への気づきを深められるからでしょうか。仲間の力を借りながら、自分と深く向き合う時間を積み重ねることは、誇りを取り戻させてくれることが示唆されています。
自己有用感が向上
0.5ポイント上昇した3つの項目は
「自分にもできる!という感覚2.6→3.1」
「自分は役に立っているという感覚2.6→3.1」
「自分についての前向きさ2.9→3.4」
でした。
グループリフレクションの会の運営を皆で担い、「できる」「役立っている」という感覚が育つのでしょう。
効果的なピアサポートの実現には意図を持った仕掛けが必要
参加者の声から、効果的なピアサポートが実現するためには、ただのおしゃべりではなく、「自己を振り返る」という「目的を共有した場」を、「対等な立場で」「みんなで協力して運営する」といった、意図を持った仕掛けが必要であることが見えてきます。
仲間の語りにリスペクトをもって耳を傾け、ポジティブなフィードバックをしたり、相手の思考を深めるような問いかけをしたりすることで、お互いの成長を応援し合うのです。
以上、グループリフレクションの効果をご紹介しました。次回はピアサポートの本質についてご紹介します。
https://www.singlemomssisterhood.org/singlemoms-health
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