2023年10月24日 子ども家庭庁における、子ども・若者の意見聴取会
こども家庭庁における、子ども・若者の意見聴取会に参加してきました。
下記、父子家庭で育った若者の意見を代弁しました。
尚、当人よりブログへの投稿許可は頂いておりますので、是非一読頂けたら幸いです。
①宮城県在住:20歳:男性
・私を妊娠し出産して産後鬱になり、母は子育てをしなくなり家事も出来なくなり母は寝たきり状態になり最後には自殺したと父から聞いています。
父は長距離ドライバーの運転手をしているのですが、当時、母のサポートをする時間を作ることが出来なかったと、悔やんだようです。
私が物心つく前の出来事なので、母親のことは写真でしか見たことがありません。でも、父の悔いて仏壇に手を合わせる姿を見ると、母の孤独を救う子育て支援があったら違ったのかなとか、父が定時で帰ってこられるような仕事を選択していたら母は救われたのかもしれないと思ってしまいます。私の夢は家庭を持つことです。でもそのためには男性にとっても女性にとっても誰とってもだと思いますが、社会で子育てをすることが最優先事項となってもらわないと安心して結婚する選択ができないです。私は父のような同じ轍を踏みたくありません。
その為、中卒の父親のような生き方では愛する人を守れないと考えて今、私は大学に通い愛する人を守れるような力を身に着けようと考え行動しています。
それは亡き母が残してくれた私へのメッセージだと今受け止めているからです。
私が考える子どもの貧困問題の問題点は、労働者を雇用する企業責任に「労働者の健康や家庭を守ることを責務とする」という文言が労働基準法または子ども大綱に明記することだと思います。
そうすれば、中卒だろうと高卒だろうと、どの仕事を選択したとしても子どもを守り、愛する人を守ることができる環境に繋がっていくのではと考えるからです。
②青森県在住:20歳:男性
・私は今、地元で父親と離れて暮らしています。父親との関係は悪く、小学校の頃や中学校の頃、そして高校時代と父親と同じ空間にいることが苦痛でした。
父は、私の考えや思ったことを口にすると、大声で怒鳴りつけてまったく話しを聞いてくれるような人間ではありませんでした。そのため、幼い頃から早く家を出たいと考えるようになり現在にいたります。本当は大学に進学したかったのですが私が中学生の時に父がうつ病と統合失調症を患い精神障碍者になってしまい生活保護を貰っていた為、進学を諦めざる得ませんでした。
今は大工の見習いとして住み込みで働いてます。
今回、子どもの貧困の大綱を読んで実は驚いたことがあります。父子家庭に支援制度があったことを初めて知りました。また学習支援や奨学金制度等の取り組みがあること自体を今回のお知らせをきっかけに初めて知ることになったんです。
父子家庭で児童扶養手当を受給していることは知っていましたが、子どもの権利とか子どもの意思決定とか、そういうのがあることも初めて知りました。
私と父の2人暮らしをしていた時には母子父子自立支援員さんなんて会ったこともないですし、スクールソーシャルワーカーなんてものも会ったことがありません。
私と父を支援してくれたのは、障害福祉の相談支援専門員さんとか、訪問看護の看護師さんとか、そうした人達しか関りを持っていただいたことはありませんし、そうした支援員さんたちから子育て支援の情報とか、子ども・若者支援の情報なんてものは聞かされたことはないです。そうした経験から相談窓口を横断的にするのであれば医療や障害福祉の相談員さんを子ども大綱の中に、しっかりと文言として入れないと私のように子育て支援の恩恵を受けることが出来ない人たちがたくさん生まれてしまうのではないかと思いました。
※その他:16才から18才の子ども達から託された声です。
・親の子供との関わり方の研修会を子ども会や町内会、PTA(小中高)で行い、子育てや声がけのしかたなどなどのマインドを更新させる必要がある。
・高校生のアルバイト代を10割取り上げるパラサイト気質な養育者へ対する、自立支援及び指導を行う取り組みが必要。
・寡婦世帯の子どもへ対する依存関係に対するアウトリーチの支援が必要と考える。
・子ども、若者の心理的安心・安全を確保する為には養育者へ対する教育が必要。また学校教育の現場においても、子どもの人権や意思決定や意見表明などを行えるような授業が必要と考える。
・情報発信をインターネットを使って広報するのは簡単ですが、本当に支援情報を届けたい相手には、そうした方法では届きません。回覧板やチラシの郵送等アナログでも広報しないと難しいのでは無いかと思います。
いかがでしたか?子ども大綱を読んで、自分の人生を振り返って、子ども・若者達の意見を引き出しました。
子ども達の意見、的を得ていると思いませんか?
私達、大人は襟を正して、改めて人格を持つひとりの人間を育て、また親自身も一緒になって成長していかなければならないなと、子ども達・若者達と会話をして突き付けられました。
子ども大綱を策定するに辺り、こうした生の声が反映されることを願うばかりです。
なお上記情報はWEBミーティングで発言された方々については個人情報の観点から省いた内容になります。
あくまでも私が直接、子ども・若者達と語り合い、本人の承諾を得られた内容のみを記載している事を付け加えさせて頂きます。
また、今回は内の息子と娘も会議に参加し、自分の体験を通して発言してくれました。頼もしく成長したなと思います。
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