推しレスラーの故郷で城下町散策と美味いもの巡りを楽しんだ
「明日、白石行かない?」
土曜の夜、唐突に夫がそう言った。
白石市は宮城県の南部、蔵王連峰の麓にあり、江戸時代には白石城の城下町だったところである。
そして、DDTプロレスリング所属のプロレスラー・遠藤哲哉選手の出身地でもある。
「行く!」
妻、即答。
遠藤選手はもともと好きなプロレスラーの一人ではあったのだけれど、去る9月8日に開催されたKO-D無差別級選手権試合での青木真也選手との闘いを見て以降は、私の中で激推しの存在になっている。
朝早くに家を出て、東北道を南下。
白石蔵王ICで降りるとすぐに白石城に到着。
白石城は、伊達政宗政宗公が家臣の片倉景綱(通称は片倉小十郎)に与えたお城とのこと。
今は立派な天守閣が街のシンボルともなっている白石城だが、江戸から明治に時代が移ると民間所有となった末に一度は取り壊されている。
1874年に取り壊された白石城が多くの市民の声もあり、また建設当時の資料が残っていたこともあって今の形で復元されたのは、1995年。なんと、120年ぶりの復元だった。
現在は、庭園だけでなく天守閣の中も見学可能となっている。
(有料・土足厳禁)
こうしたマンホールが飾られているとつい写真を撮ってしまうのは、職業柄だろうか。
デザインの美しさよりも表面に滑り止め加工してあることを素敵と思ってしまう排水設備工事責任技術者。
天守閣は三階建て。城内はさすが当時の建築をそのまま再現しているとあってかなり急な階段ではあるが、手すりもあって安心。
最上階まで上がると、街並みを一望できるのはもちろん、遠く蔵王連峰の山々も見ることが出来る。
ちなみに甲冑姿で写真を撮ってもらえるサービスもあり、この日も観光客らしき男性達が様々なポーズで写真を撮ってもらっていた。もちろん有料ではあるが、全身きっちり着せてもらった上に写真まで撮ってもらうにしては安価な価格設定だった。着るのに時間がかかるようで今回は断念したが、いつか是非利用してみたい。
というわけで、今回も顔出しパネルでの記念撮影。
満足。
お城を満喫した後は、そこから歩いて10分ほどの武家屋敷へと向かう。
さすが城下町。城を取り囲むお濠が武家屋敷をはじめとする周辺の家々へと続いていて、その水音が心地よい。
武家屋敷の中も見学。今回は寒い日だったこともあってか、囲炉裏に炭火が焚かれていて、当時のままの雰囲気をより一層楽しむことが出来たのも嬉しかった。
武家屋敷からさらに足を延ばし、お昼はJR白石駅前にある「元祖白石うーめん処 なかじま」さんにて白石名物のうーめん(温麺)をいただいた。
地元の人気店。この日も満席状態。けれど、テキパキと働く店員さんたちが皆さん感じが良くて、待ち時間を感じない。
席に案内され、待つこと10分少々。
するりとのど越しの良いうーめんも、サックサクで香りも良い揚げたての天ぷらも美味しかったが、何よりかつお風味のお出汁の香りと美味しさが格別。
かき揚げうーめんを持ってきてくれた店員さんに
「天ぷらは揚げたてですので、お気を付けください。
それと、天ぷらをお出汁に入れるとお出汁の味が変わるので、良かったら先にそのまま召し上がってから、後で天ぷらも入れてお召し上がりください。」
と言われたのだが、なるほどその説明に大いに納得。
もちろん、天ぷらを入れた後のお出汁もまた美味しい。さくさくの天ぷらが温かいおつゆの中でほろりと崩れ甘味を増すのもまた美味しい。
1杯で2度満足の美味しさ。
ちなみに夫は悩みに悩んだ末にピリ辛キノコうーめんを注文。
こちらもまた美味しかったとのこと。私もお出汁を一口いただいたのだが、しっかり辛いのにキノコの風味が感じられて身体が温まる美味しさだった。
お腹も心も温かく満たされた後は、帰宅後の晩酌に向けて買い物である。
向かった先はもちろんこちら。
白石市といえば、蔵王酒造。
我々夫婦にとっても大好きなお酒がたくさんあってお気に入りの酒蔵さんのひとつなのだが、展示館を訪れるのは今回が初めてである。
ここでしか買えない日本酒を夫婦でそれぞれ1本ずつと(日本酒購入費用は家計とは別に互いのお小遣いから支出するのが我が家のルールである)、歴代の酒のラベル(なんと3枚100円という破格の値段)を購入。
蔵元の方からは全部試飲出来ますので是非と勧められたのだが、今回は車での訪問だったので断念。次は是非とも列車で再訪したい。
この後、「おもしろいし市場」にも立ち寄って地元特産の野菜と名物のシュークリームなど購入し、帰路についた。
歴史と、景色と、美味しいものに大満足。
今回は日帰りだったが、温泉もある街なので今度はゆっくり一泊したい。
そして、今年は残念ながらタイミングが合わず足を運べなかったDDTの白石大会にも、来年こそは是非足を運びたいと思う。その時には、ホワイトキューブに設置されているという遠藤哲哉選手の等身大パネルと記念撮影してきたいと思う。