2024.2.7.DDTプロレスリング「Into The Fight 2024 TOUR in SHINJUKU」at東京・新宿FACE
DDTというプロレス団体のファンになって以来、私が好きになったプロレスラーはたくさんいる。誰かのファンというよりもDDTという団体全体の雰囲気が好きだ。
けれど、そんな中でも特に大好きだったのが、坂口征夫選手だった。
その坂口征夫選手が今年2月7日の新宿FACE大会を持ってプロレスを引退すると表明したのが1月15日。
引退表明から引退試合までは、一ヶ月も無かった。
ショックだった。
けれど、坂口選手らしいな、とも思った。勿論、そう思えるようになるまでは、少し時間がかかったけれど。
以前にもnoteに書いた通り、この日、私は仕事を休んで東京に観戦に行くことはしなかった。
代わりに、レッスルユニバースのリアルタイム配信で観戦することにした。
2月7日 18時前に仕事から帰宅。
帰宅してすぐ食卓に愛用のMacBookをセットし動画視聴の準備。そして大急ぎで晩酌の準備。
運よくこの日は残業にならず定時退社出来た夫が帰宅したのは18時半過ぎ。
画面の向こうでは、次回タイトルマッチの調印式が行われていた。
各試合の結果、そして会場の空気が伝わってくるたくさんの写真は、すでに下記のDDTオフィシャルサイトに掲載されている。
プロレスファンの方々はもちろん、プロレスにあまり馴染みがないという方々にも、上記リンクを是非ご覧いただきたい。
DDTというプロレス団体のプロレスのカッコ良さと楽しさ。そして、この団体の選手達から坂口征夫選手がどんなに愛されていたか。写真からも、伝わってくるものがあると思う。
以下は、いつものとおり40年以上プロレス観戦しているのにプロレス技の名前もろくに覚えてないけどでもやっぱりプロレスが大好きといういちファンによる、単なる備忘録的ひと言感想メモとしてさらっとお読みいただければ幸いである。
○オープニングマッチ 30分一本勝負 ×平田一喜&男色ディーノ vs 〇クリス・ブルックス&高梨将弘(6分47秒 プレイングマンティスボム~片エビ固め)
おふざけ無しの平田選手と男色ディーノ選手の闘いっぷりに、今日が特別な日だとあらためて感じて、もうオープニングマッチの時点で泣けてくる。でもウルウルしながらも
「平田さんって、ちゃんとプロレス上手いんだね。」
などと画面に向かって失礼極まりないことを言う妻。そんな妻に、よくぞ分かってくれたとばかりに何度もうなずく夫。会場観戦だと選手の名前を叫ぶ以外の会話は無いけれど、こうした配信観戦だとつい好き勝手なことを話しながらの応援になってしまう。
試合はそのまま終わる筈も無く
「緩急の「急」終わりでーす!ここからは緩!緩!」
との平田選手の言葉とともにいつもの音楽が流れる展開。音楽に合わせてディーノ選手のタイツを下ろす平田選手と下ろされるディーノ選手の凛々しい表情に夫婦で大爆笑。
ダメだ、笑い過ぎて晩酌にならない。
めちゃくちゃ楽しかった。
でも試合後は、やっぱりちょっとウルっときた。
○第二試合 30分一本勝負 秋山準&ヨシ・タツ&〇高尾蒼馬 vs 大鷲透&彰人&×須見和馬(9分9秒 パーフェクトドライバー~片エビ固め)
大鷲さん復帰して良かったねぇと夫婦で語らいつつ観戦。
秋山選手を避けようとする須見選手が案の定やられまくってて笑った。秋山選手、若手選手の嫌われ役というか怖がられ役がすっかり板についてて楽しい。
私にとっては全日本時代から見続け応援し続けている数少ない選手の一人。ずっと現役でいて欲しいなとあらためて思った。
○第三試合 DDT EXTREME王座次期挑戦者決定戦〜ハードコアマッチ 30分一本勝負 〇岡谷英樹 vs ×MJポー(9分53秒 ケツァル・コアトル・オン・ザ・チェア)
「え?今日の試合ってハードコアなの?」と私。
「そう。次の(現王者の勝俣瞬馬選手とのEXTREME選手権)試合の時も、そうなんじゃないかな?」と夫。
「そっかぁ。でも確かに岡谷ならハードコア行けるよね。体格も、変にマッチョすぎなくてちゃんとある程度脂肪あるし。」
「・・・しーちゃん、視点がデスマッチマニアになってる。」
試合前は夫婦でそんな会話をしていたのだが、試合が始まればもう晩酌そっちのけで引き込まれた。壮絶な試合。
「岡谷!」
「岡谷!今日は勝て!絶対勝て!!」
気が付けば夫婦そろって画面に向かって岡谷に声援を送っていた。
最後はかつての盟友・赤井沙希さんから引き継いだケツァル・コアトル。
泣いた。
○第四試合 スペシャルタッグマッチ~DDTvsAJPW 30分一本勝負 正田壮史 & ×瑠希也 vs 本田竜輝 & 〇安齊勇馬(12分40秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド)
全日本プロレスとの対抗戦。これも良い試合だった!
DDTの正田選手を全力で応援しつつ観戦していたものの、全日本から参戦の『New Period』本田・安齊チームもさすがの正統派プロレスで好印象。こういう試合を見ると、全日本をめぐるゴタゴタは早く解決して欲しいと思う。選手が勿体ない。
最後は安齊選手のジャーマンスープレックスが決まって勝利。
良いもの見せてもらいました。また見たいと思う選手が増えた。
○第五試合 スペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負 〇上野勇希&MAO&勝俣瞬馬 vs 樋口和貞&納谷幸男&×大石真翔(12分27秒 胴締めスリーパー・ホールド)
サウナ対銭湯。好きな選手ばかり。めちゃめちゃ楽しかった。
ってか樋口選手も納谷選手も生まれ変わった気がする。もともと圧倒的な体格だし勿論強くてカッコ良かったんだけど。そこにさらに魅力が加わった気が。
最後はさすがの現KO-D王者・上野選手が大石選手をスリーパーで落としてフィニッシュ。
楽しかったし面白かったし凄い試合だった。これぞDDT。
○セミファイナル KO-Dタッグ選手権試合 60分一本勝負<王者組>×佐々木大輔&KANON vs 〇遠藤哲哉&飯野雄貴<挑戦者組>(18分38秒 バーニングスター・プレス~エビ固め)
第81代王者となった「DAMNATION T.A」佐々木大輔&KANON組の初防衛戦。試合前から殺伐とした空気。
個人的には佐々木大輔選手も好きなのだが、この日だけは、どうしても遠藤哲哉選手に勝ってほしかった。
遠藤選手は、坂口征夫選手と同期である。
多分、夫も同じ思いだったのだろう。夫婦で画面の向こうの遠藤・飯野組に向かって「行けっ!」「ヨシっ!!」と何度叫んだことか。
最後、遠藤選手がバーニングスター・プレスを決めた時には夫婦で手を叩いて喜んだ。
嬉しくて泣けた。まだメインの前なのに。
○メインイベント 坂口征夫引退試合 30分一本勝負 ×坂口征夫 vs 〇HARASHIMA(15分37秒 蒼魔刀からの片エビ固め)
いつも笑顔のHARASHIMAさんが坂口さん入場の時点で泣いているのを見て、試合前から夫婦で泣く。
けれど試合が始まれば、そこにあるのは、坂口さんらしいプロレスであり、HARASHIMAさんらしいプロレスだった。
序盤のグラウンドの攻防に会場が静まり返っているのが画面越しにも伝わってきた。涙も引っ込むくらいに試合に引き込まれた。
そこからの、キック合戦。
坂口選手の怖いくらいの凄み。
でも、それがカッコ良くて、だからファンになったんだ。
そして、それを全部受け止めるHARASHIMAさん。
やっぱり最後は夫婦で号泣していた。
試合後、セレモニーは無く、選手からの胴上げと一人一人からの握手、そして集合写真撮影。
家族だな、って思った。
DDTという団体の空気、日頃からのあたたかい雰囲気が伝わってきた。
ファンになって良かった。
坂口選手、お疲れ様でした。
そして
ありがとうございました。
あなたの愛するDDTを、これからも応援していきます。