Marvin Gaye & Tammi Terrell / Ain't No Mountain High Enough
ダイアナ・ロスがカバーして全米No.1になったこの曲。
ソングライター・コンビのアシュフォード&シンプソンによって作曲作詞されました。
この曲を書いた当初は「I Only Want to Be With You」等でヒットを飛ばしたイギリスのシンガー、ダスティ・スプリングフィールドがこの曲の録音の希望を申し出たが、アシュフォード&シンプソンは「この曲はモータウンで出すべき」と信じ申し出を断りました。
その後、希望通り、モータウンのプロデューサーチームからの依頼により録音されることになりました。
マーヴィン・ゲイがモータウンでソロシンガーとして活動していた時にデュエットの相手として抜擢されたのが、ソロとして活動していたタミー・テレル。マーヴィン・ゲイはそれまでに2人の女性シンガーとデュエットしてきていたが、2人ともモータウンを退社したためソロに専念していた時でした。
この「Ain't No Mountain High Enough」はそのデュオ最初の曲。
マーヴィン・ゲイ自身も後に「これはとてつもない名曲になると思った」と語っていたそうです。
録音はリズム・セクション、ホーン・セクション、マーヴィン・ゲイの歌、タミー・テレルの歌を別々にされ、プロデューサーが編集でつなぎ合わせるという方法をとられました。その当時では珍しい方法だったのではないでしょうか?
この曲は”恋人同士がお互いにどれだけ相手を愛しているか呼びかけあっている”という内容。
マーヴィン・ゲイとタミー・テレルが愛しむように本当に恋人同士であるかのように聴こえます。
1967年4月にリリースされた、その年の10月にタミー・テレルは突然倒れます。脳腫瘍でした。そして1970年にこの世を去ります。
マーヴィン・ゲイはそのショックで一時期音楽活動を休止してしまいます。
お互いに運命の出会いだったのでしょう。
さて、この曲はいろんな人たちにカバーされてきました。
代表的なのがダイアナ・ロス
★ https://youtu.be/EjCz_sUVZ5U 1970年ソロにてリリース
マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルのバージョンとは明らかに違う、一人女性が愛する人に語り掛けるように歌い、そしてエンディングにかけて情熱的にゴスペルのように盛り上がる、ダイアナ・ロスのシルクのようなソフトボイスが活きるアレンジです。
その他、映画などでも使われてきましたが、
一番新しいところで、日本の大人気ボーカルグループ「Little Gree Monster」が今のコロナ禍の中、リモートで1発録りでカバーていたのがYouTubeでアップされていました。
★ https://youtu.be/Q-EbQOqvskg 2020年6月アップ
名曲は永遠ですね。