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【解説】統計検定 2019年準1級 問10

問題本文

問題本文は公式サイト又は公式問題集を参照してください。


問題解説(1)

【問題要約】
yiはOリングの破損の有無を表す値であり、互いに独立な確率変数Yiの実現値である。この時、Yiが従う確率分布を答えよ。

【回答】
ベルヌーイ分布

【解説】
二値の値を取り、互いに独立な確率変数が従う分布はベルヌーイ分布になります。二項分布と迷った方は、Yiのiが打ち上げ番号を意味する点に注意して問題文を再度読むことで迷いを断ち切れると思います。

また、本問はロジスティック回帰を扱っているため、ロジスティック回帰がベルヌーイ分布に従う確率変数の回帰モデルであることを知っていれば、迷うことなく正解できることでしょう。



問題解説(2)

【問題要約】
確率変数Yはベルヌーイ分布Be(πi)に従う。この時、πi(0 < πi < 1)の構造式として適当なものを答えよ。

【回答】
 log (πi / 1-πi) = α + βxi

【解説】
ベルヌーイ分布のπiはロジスティック関数を表しています。また、ロジスティック関数の逆関数がロジット関数になります。

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本問の選択肢には、②ロジスティック関数もどきが存在するため注意が必要です。非常に紛らわしいですが、私は『ロジット関数 = 対数オッズ』と覚えていたため、正解の選択肢を選ぶことができました。



問題解説(3)

【問題要約】
ロジスティック回帰の出力結果からOリングの破損確率πが0.5になる気温は何度か答えよ。なお、元データと出力結果は以下の通りであった。

元データの値
Ft: 実験番号
Temp: 温度
TD: Oリングの破損状況(1が破損を表す)

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【回答】
 64.8°F

【解説】
出力結果から α = 15.0429, β = -0.2322 であることが分かります。
また、問題文で π = 0.5 と指定されているため、以下の通り計算式に当てはめて気温を求めることができます。

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よって、答えは④の64.8°Fになります。



問題解説(4)

【問題要約】
外気温が31°Fの時のOリングの破損確率πを答えよ。

【回答】
 99.96%

【解説】
公式解説ではロジット回帰から求めていますが、ロジスティック回帰から求めた方が素直であるため、今回はそちらを用いて解いていきます。

α = 15.0429, β = -0.2322, x = 31 とした時、以下の通り計算できます。

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よって、答えは⑤の0.9996となります。



余談

公式解説でも言及されていますが、本問は外挿であるため、危険性を孕んだ推定であると言えます。
参考までに『過去23回の実験(黒丸)から作成したロジスティック回帰』に事故が起きた実験(赤バツ)を追加したグラフを掲載します。

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ここから『65°F以下の実験では4回中4回Oリングが破損していた』ことが分かるため、おそらくOリングが破損していただろうと推測できます。
この場合、Oリングには寒さに弱いゴム製の材質が使われていた等、統計以外の角度からも原因を推定するアプローチが有効となります。

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