『小さな会社のはじめてのブランドの教科書』 高橋克典著 ダイヤモンド社/2017年1月26日発行 日本のサラリーマンの7割に向けて 書かれたブランディング入門書日本にある企業の99.7%が中小企業。 しかも、そこで働く社員の数も全体の約7割。 日本のサラリーマンの多くが、小さな組織に所属している。 本書『小さな会社のはじめてのブランドの教科書』は、 そのタイトルのとおり、 中小企業を対象としたブランディング入門書である。 著者は高橋克典氏。シャルル・ジョル
技術やテクノロジーの著しい進歩は、ときに市場構造を根本から変えるほどの影響を及ぼすことがある。 ワープロやパソコンの登場は、タイプライターの市場に終止符を打った。 かつて日本全国に存在していた天然氷屋も、家庭用冷蔵庫が普及するなかで次々と暖簾を下ろしていき、今ではわずか数カ所しか残っていない。 消えゆく市場に両足を突っ込んでいるブランドは、早急に新たな市場に参入する必要がある。 と、口で言うのは簡単だが、 実際に新しい事業を安定化させるのは簡単ではない。 コダ
サイクロン式の掃除機を生み出したダイソン。 家庭用の自動掃除機を生み出したiRobot社のルンバ。 どちらも家電業界に革命を起こし、掃除機の分野を牽引する代表的ブランドだ。 双方に共通するのは新しい技術でイノベーションをもたらしたこと。 だが、同じ技術を武器にしたイノベーションであっても両者の位置付けは異なるのだ。 ダイソン:掃除機の圧倒的な機能改善で成功かつて日本の家電メーカーは世界に誇る技術力で次々と魅力的な製品を生み出し、その地位を不動のものにしていた。 し
ポジショニング戦略とは、商品やサービスについて独自の優位性を持つポジションを築き、ターゲットとなる顧客の頭の中に差別化されたイメージを植え付ける戦略のこと。 簡単に言えば、市場における自社製品(サービス)の立ち位置を戦略的に決めることを指す。 ジャマイカ:競合よりも優れている部分にポジションを置いて成功 カリブ海のジャマイカには、観光地としてバハマ諸島、プエルトリコ、ヴァージン諸島、バミューダの4大ライバルがいた。 どこもジャマイカより観光客数が多く、特にバミューダは
ゲーミフィケーションとは、いわゆるゲームのメカニズムをゲームではない分野の商品やサービスに応用していく手法。 遊びや競争など、人を楽しませるゲーム独特の仕組みや特性を活かすことで、ユーザーを惹きつけて、ブランド側が狙った行動を起こさせる戦略だ。 フォルクスワーゲン:正論よりも「楽しい」で人の行動を変えることに成功直接的な利益を生み出した成功事例ではないが、ゲーミフィケーションを理解する上で非常にわかりやすい事例がある。 それがフォルクスワーゲン社の「The Fun Th
今も語り継がれる東京オリンピックのシンボルの凄さ戦後日本のグラフィックデザインにおけるパイオニアであり、 82歳でこの世を去るまで 世界の第一線で活躍し続けた亀倉雄策。 1964年東京オリンピックのシンボルマークとポスターは、 彼のあまりにも有名すぎる代表作である。 真っ赤な丸印に金の輪とタイポグラフィを組み合わせた、 シンプルながら、見る者を惹きつける力強いデザイン。 日の丸や太陽を連想させる赤い円は、 戦後の荒廃から立ち直り、 高度経済成長で活気付く日本を これ以上
ロックイン効果とは、ある商品やサービスを購入した顧客が、 何らかの理由でその商品やサービスから離れづらくなり、 顧客との継続的関係が維持される効果のことを指す。 ロックイン効果の具体的な事例は、私たちの生活の身近なところで発見できるものが多い。 キーボードの配列:業界の「最初の基準」になることで成功最も身近で有名なものは、キーボードの配列だろう。 現在、私たちが使っているキーボードの配列は英文字のキーが一番上左からqwertyに並ぶ「QWERTY配列」がほとんど。
フリーミアムとは、「フリー」と「プレミアム」を組み合わせた造語。 基本的な商品やサービスは無料で提供し、高度な機能や特別な機能を有料で提供するビジネスモデルのことを指す。 無料サービスのユーザー数が増えれば増えるほど、有料サービスに移る絶対数も増えるという戦略で、 特にWebサービスやソフトウェア、ゲームや音楽、動画といったデジタルコンテンツで採用されるケースが多い。 ユーザーに課金してもらうためには、大前提としてサービス自体に相応の魅力があることが必要である。 う
『新入社員のためのブランド学』越智賢三著 ブランディング初心者、新卒や若手ビジネスマンにも最適な教科書2018年5月にSINCE.へ入社し、ブランディングという仕事に携わり始めて半年が経つ。 前職ではライターとして企業やブランドホルダーの方々に取材をする機会が多かったので、「ブランディング」という言葉自体はよく耳にしていた。 広告会社に出向していたときも、いろんなクリエイターやプランナーが「ブランディング」というキーワードを使って、いろんなことを語っていた。 しか