『太鼓の達人』でわかる!ナムコ宇宙世界観・UGSF
UGSFシリーズとは、『ギャラガ』や『ミスタードリラー』、『みずいろブラッド』などのゲームを、同じ世界観としてくくったシリーズです。
いうなれば、数々のナムコのゲームで構成された、ナムコ宇宙史といったところでしょうか。
我々(?)にとってナムコのゲームといえば、やはり(?)『太鼓の達人』。
実は、このゲームも、UGSFシリーズに関連しているのではないカッ?という噂があるのです。
特にAIバトル演奏に登場するまきなが好きな方々は、その噂に聞き覚えがあるかもしれません。
さて、この記事では、UGSFシリーズについての基本をまとめました。
いつ太鼓の達人のストーリーに、なんの説明もなくゴツい宇宙戦艦が出てくるかわかったものではありません(ないと言いきれないのが怖いな)。
そんなときでもあたふたしないように、UGSFのことを少しでも知っておきましょう。
それでは、レッツドーン!
1.UGSFシリーズってなにカッ?
冒頭でも述べたとおり、UGSFシリーズとは、いくつものナムコのゲームからつくられた壮大な世界観です。
そのあたりについて、もう少し掘り下げてみましょう。
「ここがナムコカッ! かつ、スゴいドン! 知ってるゲームが書いてある紙がいっぱいだドン!」
「どん、おちつくドン。ボクたちはこれを捨てなきゃ──って、なんか端っこにメモ書きがあるドン! えっ、このゲームってあのゲームの続編だったのカッ?」
「フギャギャ! でもそんなこと、さいしゅーナントカには書いてなかったドン?」
「おもしろかったドーン! でも、これは捨てなきゃいけない紙だドン。だからシュレッダーにかけちゃうドン! あーあ、シュレッダーシュレッダー! ……ごそごそ」
「そうだドン、もったいないけどしょうがないドン! あーあ、しょーがないしょーがない! ……もぞもぞ」
とまあ、かなりおおざっぱではありますが、だいたいこんな感じでできたのがUGSFシリーズの設定です。
公式サイトには「後付けもあるけど、まあおおらかに楽しもうぜ!」的な文言がありますが、すべてが後付けというわけではありません。
また、UGSFシリーズに正式に組み込む際には、各ゲームの開発チームに許可をとっているそうです。
というわけなので、おおらかな心でお楽しみください。
2.「UGSF」ってなにカッ?
公式サイトにある年表は、UGSFシリーズの歴史の流れを簡潔にまとめたものです。
しかし、はじめて見る方は「??? うん、なんかいろんなゲームがあるんだね、いろんなことが書いてあるね……」となることでしょう。
ということで、よりかんたんにまとめると、こんな感じになります。
多くの作品で主役になるのは、「銀河連邦/United Galaxy」と呼ばれる大きな国です。
もともとは地球からはじまり、やがて、宇宙の数々の国家が構成国になっていきます。
たくさんの国がありますから、国民(「ギャラクシアン」と呼ばれます)は我々のようなヒトばかりではありません。
筋肉質お姉さんだけの種族がいたり、アンドロイドにも人権があって結婚や出産ができたり、バンドウイルカが軍隊にいたり……。そんな、多様性に満ちあふれた国になっています。
どんちゃんもかっちゃんもドンディーもよもぎまるも立つドンも、もちろんギャラクシアンとして認めてもらえることでしょう。
銀河連邦に所属する国々は、星系ごとに国家をつくっています。
たとえば、我々は、太陽を中心にぐるぐると回る太陽系の住人ですよね。そんな感じで、恒星を中心とした星系が国家の単位になるわけです。
で、銀河連邦は、そんな星系国家たちを1,000以上も従えています。規模がデカい。
最大直径はなんと5万光年! 規模がデカい。
しかし、そんなにデカいと、もちろんいろいろと問題が生まれてくるわけです。
面積が大きくなれば、もちろん攻撃を受ける機会は増えます。国内にいるのも、お行儀のいい人たちばかりとは限りません。
もしも外から襲われたらどうするのカッ? もしも構成国が反乱を起こして、他国に迷惑をかけたらどうするのカッ?
そんなときに活躍するのが、銀河連邦の自慢の軍隊「銀河連邦宇宙軍/United Galaxy Space Force」。通称「UGSF」なのです。
UGSFは、陸軍、海軍、空軍、宇宙軍、地中軍、そしてガチで困ったときのための特殊部隊・SATの6つの軍で構成されています。
UGSFシリーズに属するゲームには、このUGSFが外敵とドンドコやりあうスペースオペラ系の作品が数多くあります。
銀河連邦の構成国になにかあったら、UGSFがすっと飛んできて解決してくれます。
銀河連邦に入れば、国を大きくするための資源をわけてもらえるし、困ったらUGSFが助けてくれる。そういった信頼もあり、銀河連邦は大きな国家に成長したのです。
3.まきなの正体はアンドロイドなのカッ?
上述のとおり、銀河連邦は大きな国なので、その運営はかなりたいへんであることが想像されます。
1,000以上の星系国家に対してうまくやっていくのは、ヒトを含め、そこらの生物の処理能力では不可能でしょう。
そういうわけで、銀河連邦にはとっておきの超高性能コンピュータがあります。
それが「Federation FEDCOM」です。
FEDCOMには目的が異なる7つのユニット(「Root Unit」と呼ばれます)があり、それぞれが別の星系に置かれています。規模がデカい。
で、銀河連邦にある恒星は、「スターライン」という、いろいろなものを一瞬で送れる謎のチューブでつながっています。
これを使ってRoot Unitどうしで情報を送りあうことで、いわば銀河連邦5万光年をまるごと使った巨大なコンピュータのようになっているのです。規模がデカい。
FEDCOMは、国家予算はどう使おうか。あの惑星はどう開拓しようか。新しい兵器はどうつくろうか。強い敵が襲ってきたらどうしようか。電気・水道・ガスが止まっているところはないか。この情報はあの国にとって都合が悪いから遮断しようか。などということを、日夜考えています。
FEDCOMは銀河連邦にとって、脳や心臓のようなものです。壊されたり盗まれたりすれば、銀河連邦は崩壊したも同然です。
それを防ぐため、いざとなったら逃げられるよう、Root Unitはヒト型のロボットになっています。
各Root Unitには、Red、Orange、Yellow、Green、Blue、Indigo、Violetと、虹の七色をモチーフにした名前がつけられています。(ん?「ニジイロVer.」……?)
たとえば、YellowのRoot Unitであれば、「Root Unit “Type Yellow”(R.U.T.Y.)」と呼ばれます。
ではここで、AIバトルナビゲーター&ドンだー研究者のまきなが初登場したバージョンの名前を思い出してみましょう。「グリーンVer.」!
まきながいるとされる2765年は、大きな争いがなく、科学技術が大きく進化した安定期「パクス・ギャラクシア」にあたります。
AIバトル演奏の謎の暗号や、公式生配信でのエトウ氏の含みのある発言からして、まきなには未公開の設定があると思われます。
彼女の正体が実は「Root Unit “Type Green”」である、という可能性はあるでしょう。
ちなみに、R.U.T.G.の担当は、農業管理と惑星開拓です。
『太鼓の達人 ドンダフルフェスティバル』に登場するオミコシティは、雷力で増幅された太鼓の力によってつくられたとされています。
太鼓の力とドンだーに関する研究が進めば、惑星開拓に活かすことができるでしょう。
まきなの今後の活躍に期待です。
4.ディアスタシオンを動かして自由自在だドン!
仮に太鼓の達人がUGSFシリーズだとして、このような疑問をいだかれる方もいるのではないでしょうか。
太鼓の達人は、和太鼓にたましいが宿ったり、その太鼓が魔法を使いだしたりするトンチキ世界観です。そんな作品が、SFであるUGSFシリーズと相容れるのだろうか、と。
しかし、いっさい問題はありません。
UGSFシリーズには、どんなトンチキも受け入れるような万能設定があるのです。そもそもUGSF自体、わりとトンチキ設定の宝庫感が
それが、次元粒子と訳される謎の存在「ディアスタシオン」です。
4.1.ディアスタシオンってなにカッ?
ディアスタシオンとは、次元をつくりだすすべての根源。この世のどんな物質も、いかなる法則も、ディアスタシオンの動きによって編みだされたものです。
UGSF世界に存在するすべてのものは、ディアスタシオンの動きに沿ってできています。
虚空の中で、ディアスタシオンが集まって大きな球を描くように動いていれば、そこには星があることになるでしょう。
和太鼓のそばでうようよしているディアスタシオンがあれば、その和太鼓にはもちっとしたおててが生えていることになるでしょう。
すべての次元存在は、ディアスタシオンの残像に過ぎないともいえるかもしれません。
万物の正体はディアスタシオンの動き。つまり、ディアスタシオンを無理やり動かすことができれば、世界自体を根本から動かすことができます。
そしてディアスタシオンは次元そのもの、世界そのものなので、あらゆる物理法則を超越します。
物理法則が「宇宙には空気がないので音は鳴りませんよ?」といおうが、ディアスタシオンが「俺の宇宙では鳴るんだよ」といえば鳴るのです。
ドンだーが流れてくる音符を全放置しようが、ディアスタシオンが「ドンダフルコンボです」といえばドンダフルコンボになるのです。
つまり、ディアスタシオンの動きを完全に制御することができれば、神のごとく、あらゆる法則を無視して世界を動かすことができるのです。
ディアスタシオンを操るには、エネルギーをたくさん投下したり、重力を使ったりと、複数の手段があるようです。
今回は、その中でも登場頻度が高いであろう、「ESP(Extended Special Psychic-power/拡張特殊思念能力)」について解説します。
4.2.まずはディアスタシオン理論について説明するドン!
ディアスタシオンは、その動き方によって生まれる次元の種類が決まっています。
そして、上の次元のディアスタシオンは、下の次元のそれの動きを支配できるというルール「ディアスタシオン理論」があります。
要するに、上の次元の存在は、下の次元を自由に操ることができるのです。
たとえば、こんな絵があったとしましょう。
この絵の中にいるまきなにとって、彼女が着ている服は布でできているでしょう。AIどんは金属やらケイ素やらでできているでしょう。
寒空は窒素や酸素で満たされていて、その向こうには本物の星々がまたたいているのでしょう。
しかし、我々にとっては違います。まきなもAIどんも背景の夜空も、すべて端末から発せられた光でしかありません。
こんな感じで、やや小さいどんちゃんがいきなりあらわれたら、まきなにとっては、物理法則を無視したホラー現象になるでしょう。
しかし、我々にとっては、ちょっと雑に加筆しただけにしかみえません。
「ちょっとAIどんそこどいて! がんばって描いた脚が見えないでしょ!」とAIどんのレイヤーを消しただけでも、まきなにとっては、わけもわからずAIどんが消失したように見えるでしょう。
二次元の存在であるまきなからすれば超常現象でも、三次元の存在である我々からすれば、端末に表示される光を書き換えただけです。世界の道理に沿った現象にすぎません。
この例での「光の書き換え」が、ディアスタシオン理論においては「ディアスタシオンの動きの変更」になるとお考えください。
このように、上の次元の存在は、下の次元を自由に支配することができるのです。
つまり、完全に四次元に行ければ三次元宇宙では最強になれるわけですが、銀河連邦にはいまのところ、その方法がありません。行けたとしても、おそらく戻れなくなることでしょう。
しかし、意識の一部だけを上の次元に行かせることはできます。それがESPなのです。
4.3.ESPってスゴいドーン!
ESPは「世界にこうあってほしい」という願いだけを上の次元にぶん投げて、そこから三次元のディアスタシオンを操る能力です。
たとえば、あなたが『太鼓の達人』をやりながら「フルコンボしたい!」と強く願ったとします。ひょんなことから、その想いが上の次元へのぼったとしましょう。
ESPの効果がどのように発現されるかは、種類や強度によって異なります。
あなたの視力が増強されて、音符の動きが鮮明に見えるかもしれません。あなたの腕が強化されて、より細やかな動きができるかもしれません。疲れきったあなたの体力が、とつぜん回復するかもしれません。
はたまた、筐体自体がいじくられてオート演奏になるかもしれませんし、すべてをすっ飛ばして「フルコンボした」という結果だけが出力されるかもしれません。
とにもかくにも、あなたは上位次元から、フルコンボへつながるサポートを得られることでしょう。
4.4.ディアスタシオンでなんでも説明できちゃうドン!
ディアスタシオンの設定は、あらゆるトンデモを、なんとかUGSFシリーズの世界観で説明するために考えられたものです。
たとえば、超光速での移動もかんたんに説明ができます。
ディアスタシオンの動きをねじ曲げて、次元を歪ませればワープができます。
前方にあるディアスタシオンの動きを「自分」に書き換えて、元いた場所を虚空に戻してもいいでしょう。
また、自分が進むのではなく、まわりのディアスタシオンを後ろに流して、次元自体を後ろに流すという方法もあります。
実際、UGSFシリーズには、宇宙で手漕ぎボートじみたことをやってディアスタシオンを流している国家もあります。やっぱりトンチキじゃねぇか!
和太鼓にたましいが宿るのも、どんちゃんたちの意思が、和太鼓のディアスタシオンの動きを書き換えていると説明できます。
『太鼓の達人 ドコドン!ミステリーアドベンチャー』に登場するワープ石版も、ディアスタシオン技術でつくられていると思えば不思議ではありません。
タイムトラベルも、ディアスタシオンの動きを逆行させるなり、過去によく似た平行世界にジャンプするなりしているのでしょう。
このように、UGSFシリーズは、どんな作品でも受け容れてしまうような、大きな器なのです。
5.で、太鼓の達人はUGSFシリーズなのカッ?
A.わからん!
いまのところ、太鼓の達人とUGSFシリーズの直接的な関係は、公式には示されていません。
しかし、「太鼓はUGSFまったく関係ないんですよねぇ~」などとシラを切ることは、もはや不可能なくらいの関係性はあります。
5.1.UGSFとの関係だドン!
まず、UGSFシリーズ作品『みずいろブラッド』には、どんちゃんとかっちゃんによく似た太鼓のふたり組が登場します。
『太鼓の達人DS タッチでドコドン!』では、どんかつとみずブラの主人公は、表向きは友好関係にあることが明かされています。
また、UGSFシリーズ作品『しんぐんデストロ~イ!』ともコラボしています。
しんぐんのストーリーでは、かつて、どんかつが銀河連邦からはるか離れた惑星「オリウス」の町を救ったとされています。
『太鼓の達人 ドンダフルフェスティバル』には、ファインダードローンだの超音速飛行機だの、やたらとSFじみた設定が登場します。
AIバトル演奏に関しては、もはやいうまでもないでしょう。
5.2.でもUGSF年表には載ってないドン?
しかし、太鼓の達人がUGSFかどうかを議論する上で、ひとつ問題に思われるかもしれない点があります。それは、UGSFシリーズ公式サイトの年表に、太鼓の達人は載っていないということです。
年表に載っていないんだから、UGSFじゃないのでは?と考える方もいることでしょう。
ですが、実は年表に載っていない作品でも、UGSFと深い関係をもっていることがあります。
UGSFとの関連性が低すぎる作品や、平行世界が舞台の作品などは、あの年表には掲載されないというマジック(?)があるのです。
たとえば、年表にはない『スマッシュコート プロトーナメント2』は、UGSF公式ブログにおいて、明確に関連作品であると言及されています。
ほかの例も挙げましょう。
UGSFシリーズ作品『ギャラガ』は、ナムコの作品の中でも代表的なものですから、派生作が複数あります。
『ギャラガウォーズ』や『ギャラガレギオンズ』は年表にはありませんが、ほんとうに無関係といえるのでしょうか。
『エースコンバット』シリーズは、3のみがUGSF入りしており、ほかの作品は入っていません。
しかし、エスコンの各作品の歴史はつながっているのに、UGSFとまったく関係がないというのは無理があるように思えます。
音楽原作コンテンツ『電音部』も年表にはありませんが、UGSFシリーズの公式Twitterがたびたび反応をしています。
作中にも、エスコン3に登場する「ニューコム社」などが関わってきます。
レースゲーム『リッジレーサー』シリーズには、マシンのデコレーションにUGSF関連のものがあります。
また、作中に出てくるニトロは、エスコン3初出の「ゼネラルリソース社」が開発しています。
UGSFシリーズのほうにも、リッジレーサー初出の「テラジ」や「アージュ」の関連会社の設定があります。
スマホ向けレースゲーム『ドリフトスピリッツ』もUGSF関連のデコレーションがあるほか、しんぐんとのコラボもしています。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism』には、作中のテレビ画面に「UGSF」の文字が登場しています。
レトロシューティングゲーム『ゼビウス』は、UGSFシリーズの設定の根本と深い関わりがあります。
これらの作品が、UGSFシリーズに関連していないとは考えにくいです。
公式サイトの年表は、あるひとつの世界がたどった歴史。いわば、正史、本流だとお考えください。
太鼓の達人の公式サイトには「北陸の職人がつくった太鼓に双子のたましいが宿り、太鼓を広めるために上京した」というストーリーがあります。
しかし、Wii初代やドンフェス、YouTubeアニメなど、明らかにこれに該当しない作品もありますよね。
だからといって、それらの作品が太鼓の達人じゃねえ!ということにはならないでしょう。
ストーリーに関しても、どんちゃんがいる以上は、世界観の関連性はあるという見方が普通だと思います。
これと同じように、UGSFシリーズにも、数多の平行世界が存在します。世界どうしを行き来する手段もあるのです。
UGSFの年表は、縦方向だけではなく、公式には記載されていない横方向の広がりも重要となっています。
結論としては、太鼓の達人は年表とは異なる世界だが、UGSFシリーズの関連作品である可能性が高い、というのが私の考えです。
6.まとめ
最後に内容をまとめます。
内容は以上です。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
これからの太鼓の達人と、UGSFの動きに期待しましょう!