『太鼓の達人』の世界に舞い降りたデウス・エクス・マキナ【太鼓の達人×UGSF妄想】
ゲームセンター版『太鼓の達人』のAIバトルモードに登場するまきな。彼女の名前の由来はAIバトルの称号にもある「デウス・エクス・マキナ」であろう。
デウス・エクス・マキナとは、物語の展開で収拾がつかなくなった時に登場し、ご都合主義的にハッピーエンドに導く機械仕掛けの神様のことだ。
つまり、太鼓の世界が何らかの理由で著しい危機におかされた際、まきなが世界を救うカギになる、と解釈することもできる。
ナムコにはUGSFという世界観が存在し、『太鼓の達人』も一部関連性を匂わせる描写がある。今回のnoteでは、『太鼓の達人』の本流となる世界線がUGSF設定と深い関連性があるという前提で話を進めていく。
なお、UGSFについてよく知らないという方は、先にこちらの記事を読んでほしい。
1.新宇宙秩序戦争
まきながいる時代は2765年。公式のUGSF年表を見てみると、2845年に『New Space Order』が発生している。
この作品では、銀河連邦(地球を母体とした宇宙国家。だいたい主役みたいなもん)がハイパー超能力者国家「軍事帝國」と衝突する。そして「新宇宙秩序戦争(The New Space Order War)」と呼ばれる大規模な争いに発展していく。
まきながいる時代における、デウス・エクス・マキナにも頼りたいレベルの危機はこれであろう。
この出来事がどれくらいヤバいのか、前置きから話すと超絶長くなるので結論だけ書く。軍事帝國に負けると、おそらく全人類は「ガンプ」というイカレたコンピュータの奴隷になる。
『てんぢく2000』並の超展開で困惑されるかもしれないが、とりあえずこういうものだと思いこんでほしい。
まきなはこれを防ぐために行動していると自分は考えている。
2.AIどん開発の真意
上の項目を読んで、何か違和感を覚えなかっただろうか。
まきなは2765年時点で女子高生だ。NSO開始時点の2845年には100歳近い。さらにNSOが終わるのは3210年。これじゃあ戦時中にまきなは生きていないだろうし、デウス・エクス・マキナにはなれないのでは?と。
しかし、私の考察では、そもそも戦時中にまきなが生きている必要はない。まきなの意志を継ぐ戦闘マシーン・AIどんが動いてさえいれば、話は成立する。
『太鼓の達人』にはメカドンというキャラクターが存在する。彼(?)は『幽玄ノ乱』だろうが『ドンカマ2000』だろうが軽々とドンダフルコンボを出せる驚異の実力の持ち主である。
それに対し、AIどんの実力はプレイヤーに依存する。プレイヤーと同じく可も不可もある演奏をするため、一見するとメカドンよりもポンコツに見えてしまう。
しかし、AIどんの開発には、完璧な演奏とは異なるとある「目的」があると自分は考える。
前の項目で、敵対勢力の軍事帝國は超能力者の国家だと説明した。
UGSF世界において超能力(UGSF的にいうとESP)というものは科学的に立証されている。ものすごくざっくりいうと、これは「○○したい」という意志の力によって発現する。
まきなはどんちゃんとのバトルを通じて、AIどんにこの「意志」を学習させようとしているのではないだろうか。つまり、たとえ正確でなくとも「勝ちたい」とか「上手くなりたい」とか、そういう意志のこもった一打を再現させるのが目的だということだ。
『太鼓の達人 ドコどん!RPGパック』の二作では、どんちゃんが演奏で仲間を応援し、バトルをさせている。これは(どんちゃんが意識しているかどうかは不明だが)太鼓の演奏によってどんちゃんのESPが発現し、それによって仲間にエネルギーを送りこんでいるのではないかと考えている。
まきながAIどんに期待するのはコレである。どんちゃんをAIどんに、パーティーの仲間を銀河連邦軍の兵士に、敵を軍事帝國軍の兵士に置きかえて考えてみてほしい。
AIどんが魂のこもった演奏で銀河連邦軍の兵士を応援し、軍事帝國を打倒する。『太鼓の達人 ニュースペースオーダー』の完成である。やりたい。
要するに、AIどんに意志のある演奏を再現させることでESPを発現させ、軍事帝國のESPに対抗しようというのがまきなの目的ではなかろうか。
現にどんちゃんは実際に太鼓の演奏で世界を救ったことがあるわけで、学習データをとる相手としてこれ以上ない逸材だ。
3.まきなの正体
まきなは女子高生である。なぜ彼女は銀河連邦の未来についてそれほどまでにしっかりと考えているのだろうか。
さらにいえば、2765年時点の銀河連邦においてESPはそれほど重要視されているものではない。なぜ軍事帝國との衝突を先読みしていたかのようにESPを用いた戦闘マシーンを開発したのだろうか。
それは、まきなの正体がRoot Unit “Type Green”だからではないかと考える。
「Root Unit “Type Green”」って何?というところを説明する前に、まず「Federation FEDCOM」について説明しなければならない。
FEDCOMというのは銀河連邦が持つめちゃくちゃ重要なコンピュータである。どれくらい重要かというと、FEDCOMがある日突然止まったら確実に銀河連邦は崩壊する。そう断言できるほど重要なものだ。
FEDCOMにはインフラの管理や政治の手助け、軍事に関する計画の立案などいろいろな仕事がある。それらの処理を実際に行っているのが「Root Unit」という七人のアンドロイドである。
つまり、まきなの正体は銀河連邦を動かすための超重要なアンドロイドなのではないか、ということである。それならばいち女子高生が本気で銀河連邦を守ろうと奮闘しているのにも、未来予測的な行動にも納得がいく。
あとこれは個人的な願望の話になるんですが(断りを入れずとも最初からすべて個人の願望である)、まきなにはガンプと戦ってほしいんですよね。
なぜなら『しんぐんデストロ~イ!』というUGSF作品では、おそらくRoot Unit “Type Yellow”がガンプ(のレプリカのうちの一体)と対峙する予定だったからです。
だから同じくRoot Unitである(確定してないが)まきなもガンプと戦う運命にあってほしいんだよな……。
ちなみに、七人のRoot Unitには虹の七色に由来すると思しき色がそれぞれつけられている(Red、Orange、Yellow、Green、Blue、Indigo、Violet)。
まきなはデザインの色合いや初出のバージョン名から“Type Green”だと思われる。
が、Root Unit “Type Yellow”は髪色がピンクで、首飾りの色が黄色だった。彼女にならって実は“Type Violet”であるというひっかけもあるかもしれない。
……ふーん、Root Unitの色は「虹」の色と同じなのか。そういえば、2022年現在のゲームセンター版『太鼓の達人』の最新バージョンの愛称ってなんだったっけ?
4.まとめ
最後にまとめ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。文章全然まとまらないな。