喫茶店の儀、成る
あの、こないだの休み、近所をぶらぶらしたりした。おさんぽを執り行った。
ただあれですよ。真夏日なもんで、日差しがやばい。一定時間以上浴び続けているとHPがガリガリ削られる。でも、青空、入道雲! ついふらふら出歩いてしまう。
といっても、今日は、用事があった。クーラーで気管をやられてしまったので、となり町までお薬をもらいにいかねばならぬのだ。無目的さんぽもいいけど、目的さんぽも良いですね。
大阪市を横切る一級河川・淀川をのぞむ町、本庄。
そのあたりの内科医院にかかったのですけども。
天満・天神橋エリアと違い、アーケードは無いし、高層ビルも少ないため、日陰が少ないので、ゆく道すがら、けっこうHPやられた。でも澄ました顔でお薬をもらって、帰途につく。
ふと、路地を振り返ると、建物の隙間に淀川の土手の緑と、入道雲が見えた。
あの、土手すきなんですよね。河川敷とかね。土手を上がると、電線とかなくって、さえぎるもののない空がひろがってるわけですよ。んで、河川敷がひろい川なら、スポーツや楽器の練習に興じる人たちがいたり、そういう憩ってる感じも良い。そのフリーな感じがとてもオサンピー(散歩し甲斐が有る/お散歩の概念を多く含む)なんである。
しかし、ただでさえ遮蔽物の少ない町でしかも、巨大河川に近づくと、ますます日差しを遮るものがなくなり、HPの消耗が激しい。アクションゲーム「メトロイド」シリーズで、まだ毒ガス地帯に入れるスーツ持ってないのに、その一帯を強行突破しようとしてる気分だ。そんなに連続で当たっていいもんじゃないですよ、この時期の直射日光。
あの、土手に上がる金属製の階段があって、通るときちょっと触ると軽く火傷した。
でも土手を上がると、空が広ぇ~、ってなる。爽快な大空を前に、まとわりつく暑気も吹っ飛ぶ。
だたし効果は一秒ほど。HPゲージの磨耗が再開される。スポーツや楽器の練習に興じるひとなんていてたまるか。この暑さで! 狂人か! と思ったらランニングしてるおっちゃんがひとりだけ居た。豪・傑!
で、まあ、土手好きですけど、命の危険も感じてきたので、すぐに町にもどって、手近な喫茶店に避難した。で、これがすげー良い喫茶店で。
女性店主さんひとりでやってらっしゃる10席ほどの小さな店。落ち着いた照明の小箱のような店内から、ガラス扉の外に目を向ければ、最大輝度の真夏の公園。その感じがなんだか水槽の中にいるようだった。
ぼくはアイスコーヒーを頼んだ。美味いなぁ。風味や濃さがとてもやさしく、でも、じんわり苦みがひろがってゆく。心安らがざるを得ないなぁ。で、内科医院の順番待ち用にもってきた小説を読んで、汗がひくまでくつろがせてもらった。
……なんか、「型」がビシィっとキまった感じがする。喫茶店の「型」が。
ものすごく自然な、とてもささやかで無理のない、喫茶店の使い方してませんかね、これ。小説読みながら、はっとした。
あれ? これいまキまって無い? 喫茶店の型、完成して無い?
なんらかのスタジオで芸人さんやタレントが、お手元のボタンを押してるのを感じる。
ああ、これが喫茶店か。喫茶店ってこうやって利用するものだったのか。
酷暑の前では、大人のリクツは通じない。行動を決めるのは生存本能だ。だから、迷いのない選択ができる。
やー、なんか、とても充実した夏の午前を過ごしたのですよ。
で、帰宅してエアコン付けて、あとはひたすら家でゴロゴロして、くちゃくちゃな感じで休日は終わった。
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