【推薦図書】「乙女文藝ハッカソン」で創作意欲が起爆する
一番最初にいっておきますが、これは、このまんがは、この「乙女文藝ハッカソン」というまんがは、小説でたたかうハチワンダイバーです。
つまり、めちゃめちゃ熱く、魂が沸騰し、小説をめちゃめちゃ書きたくなる。「おれも……!」となる。
もうそれだけなんですけど、もうちょいいろいろ書いたので、ハチワンダイバーぼくは大好きですけど全然伝わってない可能性あるので、まあ、下記につづく!
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あの、たまに小説を書いてみると、すごいゲーム性を感じる。あっおもしろいなー、と思う。
あの、こう、情景とか心象とか物語とかについて、作者の中で完成してる物語があって、「言葉のみを使う」とか「○○文字以内で書く」という媒体の制限があって、その制限の中で作者はいかに読者の脳内に「おれのさいこうにおもしろい物語」をぶち込めるか。そういうゲーム性。
あの、将棋みたいなね。「言葉」は「駒」で、「文字数」は「手数」。決まった制約の中でどこまで切り込めるか。
そこにはバトルが生まれる。ゲームだから。ゲームには対戦相手がいる。
そういう、小説をテーマにしたバトルまんがが「乙女文藝ハッカソン」です。
舞台は文芸サークルの魔窟「栃木大学」。クセの強い学生小説書きが次々登場する。
そして、小説を書くことがメインテーマに物語は展開する。いや、そらそーなんですけど、人間ドラマとか恋愛要素とか、ほら、盛り込まれがちじゃないですか。じゃなくて、主軸が「小説を書くこと」になっている。
まあ、タイトルの「文藝ハッカソン」ってのが、たった1日で5万字の小説をチームで完成させる、という文藝デスマーチ的競技のことなので、そらそう。
ってか、この作品そのものが、けっこう濃密かつわかりやすい、小説講座になっている。
主人公が文学少女かつ“執筆処女”であり、大学進学して入った学生寮のセンパイがめちゃくちゃ物語構造に詳しく、小説を構成する要素や展開のテンプレートとかアイデアだしのコツとかを、ときに優しくときに強引に教えてくれるのだ。
あと、パワーワードってか、膝をたたくってか、強い言葉がちょいちょい出てくる。いくつか抜粋すると――
アイデアが出れば30分で書ける。ただ……、アイデアが出ないと苦しみ抜いて死ぬ。
執筆処女の主人公が文藝ハッカソンの練習として、3時間1200文字のショートショートを書くことになったときのセンパイの発言です。
ああああ、ってなる。わかる。虚無に陥る。
もうひとつ。
時代性・テーマ・題材・世界観・キャラ・関係性・展開など、小説作品を因数分解して、最後まで消えない個性が「文体」
実際にチームでひとつの小説を書こうってなったときのセンパイのレクチャーですね。これ、妙にアツさを覚えた。
えー、まあ、もう単に、このまんがの面白かったところをただただ羅列していってますが、あとは、執筆ツールがね、登場人物の執筆ツールが全部違うの。
主人公はiPad Proにスマートキーボードの組み合わせ、SF研所属のセンパイはWindowsパソコンのMS Word、ミステリ研所属のセンパイはポメラ(たぶんDM20)っていう具合。
ガジェットいろいろ、まじ楽しい。
あの、あれですね、いろいろ他にも紹介したいポイントありますが、しかし、そんな諸々を丸呑みにして「いいからおもしろいから読んで」が暴走する。制御できない。
ぼくはこれまでだ……。そこのアナタ、小説書くんでしょう? これを……このまんがを。
アンタが虚無に呑まれそうになったとき、これが、突破するためのブーストになるだろう……