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自律した組織であるために | フルフレックス制度への変更と反応
今年も終わりに近づいてきました。普段は経理をメインロールとして社内メンバーに経費の精算やらなんやら迫る立場ではあるのですが、自身の仕事の精算をできずに年を終えるのも決まりが悪いので、忙しいなどの逃げ口上をつくらず、きっちり発信をしなくては…。
ということで、今年HERPの働き方を大きく変えた施策であるフルフレックス制度について、社内メンバーから頂戴した反応等も含めて紹介いたします。
フルフレックス制度と目的
制度についていくつかの類型がありますが、HERPで選択した制度は下記となります。周辺改革と合わせて記載しますと、、、
コアタイム: なし
勤務中の中抜け休憩: 自由
法定休日: 日曜日のみとする(※)
休み: 有給とは別に[ゼロ時間勤務]の選択可。つまり、勤務非稼働日の設定OK
(※) について、誤解を生む論点であるため説明しますと、週6勤務のブラック企業としたわけではなく、土曜日・祝日を全社員一斉の休みとはしない選択を可能とするものです。この選択を取ることで、土曜日・祝日を原則休みとしながらも、働きたい人は出勤することができるようになりました。
導入の目的はシンプルです。個人やチームの成果を最大限に高めるための働き方を、個人で裁量持って意志決定できるようにしたい、というものです。たとえば「やるべきことはあるけど、ルールだから土曜日働けない」というのは、ともすれば成果とは逆行するケースもありえます。法定休日をなくす等などできないことはありますが、勤怠制度からできる限りのレギュレーションを取っ払うことを目指しました。
導入結果: 個人への成果について
働き方について自由にすることで個々の裁量を加速させ、それを成果につなげてもらう、それが制度変更の目的となります。とはいえ、たとえばコアタイムが定まっていた方が働きやすさにつながる等の論点もあり得ます。なので、2022年9月の1ヶ月間を試験導入期間とし、1ヶ月後アンケートの結果を踏まえて、続ける・続けないを考えてみることにしました。
まずは、[個人の働き方]・[個人の成果]について紹介します。
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![](https://assets.st-note.com/img/1670134042313-mvQxb80sCZ.png)
回答は社員8割強から頂戴したものとなります。アンケートの選択肢には「全く思わない」等のネガティブ回答も用意しておりましたが、ネガティブ回答はゼロという結果になりました。[個人の働きやすさ]そして[個人の成果]への寄与は十分に果たしていると考えられます。実際に下記のようなコメントをもらいました。
・人少ない時にジムに行ったりできるから仕事のパフォーマンスも上がる
・日中にお昼ご飯を作りやすくなったり日用品を買い出しに出たりと生活しやくなった。仕事以外のタスクを片付けやすくなったため、仕事に効率よく脳のリソースを割けるようになった
・集中してやりたい作業時間を土・祝日に実施できた(連絡こないので気が散らない)
・成果起点で働くことができる。特に子供という、何ともしようがない存在がいる場合、労働時間帯をフレキシブルに選択できて本当に助かる。
導入結果: チームへの成果について
実際に所定労働時間やコアタイムに無駄に縛られることがなくなったことで、早朝や夜をコアタイムにするメンバー、また、週6勤務(日当たりの労働時間を短くする)や、週4勤務(日当たりの労働時間を長くする)を選択するメンバーも出てきており、成果を最大化させるために、各人が各人の働き方を創出しようとしております。
それでは、[チームの成果]にはどのように寄与したでしょうか。
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こちらもネガティブ回答がゼロである点は喜ばしく、チーム成果への一定の寄与を果たしていると言えそうです。ただし、「個人の成果」への問いと比べて[どちらとも言えない]の回答が目立つことから、満足度を上げる余地を残していることが窺えます。下記のような課題感を頂戴しました。
・非同期的な働き方がよりしやすくなれば(業務プロセスの定義、ロールの定義、場合によっては権限委譲・分散の抑止を通じて、同期的なコミュニケーションが必要な機会を減らす)、フルフレックスをより活用しやすくなると思います。
非同期コミュニケーションを活性化させ、ノイズや情報のサプライズのない状態を作り出しておくことこそ個やチームが持つべき強さとなる、というのは、まさにフルリモートをコロナ以前の10年前から推進させているBasecamp(37 signals)に学ぶべきことなのですが、いざやろうとしてみるとなかなかできない…。
フラットな組織であるため、縦割り的な役割に縛られることなく、必要性を察知して柔軟に自身の役割を変更し活躍できることがHERPの魅力でありますが、一方で、誰がどのような課題意識を持ってなにをリードしようとしているのか不明瞭で、同期的手段で解決している現状はたしかにあるかもしれません。
その一方で、現在、各人の稼働割合やプロジェクト・ロールについての定義や可視化が活発化しつつあります。また、非同期的に働くことを前提として、各部で自主的にフレックス制度利用のガイドラインを作成したり、会議のあり方を再検討したりと、チーム・組織での活動を最大化させるための取り組みは絶賛進行中となります(詳細は、別の機会に他のメンバーが紹介してくれると思うので割愛します)
まとめ: 自律した組織であるために
勤怠の自由度を増すことで制御不能になり働きにくくなる事例もママありますが、そうではなく結果として、個人・チームの成果につながっているとのインサイトを得られたことは、組織にとって喜ばしいことだと考えております。
これは、HERPのメンバー各人が日頃から「自律」を高いレベルで体現できているからに他ならず、そして自律的であることをモチベートする組織・文化が基盤にあってこその結果だと思います。
「フルフレックス制度に変更してなんだか働きやすくなりました、ハッピー」という感想には留まらず、「自身のリソースをこれまで以上に精度高くコントロールできるようになった分だけ、よりユーザー価値の向上を目指すことができる」と、ある種制度を成果に向かう「手段」だと捉えられているから、これだけ実行度が高かったのでしょう。
そんなメンバーたちの自律マインドを、もっと加速・もっと先鋭化できる状態を下支えするのが、制度設計者としてのコーポレートのあり方だと改めて自認しました。まだまだ制度運用に拡充の余地はあるので頑張らねば。
お知らせ
最後に、こちらのアンケートコメントも紹介します。
xxさんが、子供も保育参観のために中抜けしているなどの連絡を見ると、家庭を優先した働き方もできるようになっていることが感じられて、他人事ながら嬉しい気持ちになりました。同僚が気持ちよく働けているのは、大事なことだなと感じます。
他メンバーの働き方の変化を、"愛を持って"(弊社のバリューの一つです)受け入れられることは、何より幸福なことです。メンバー同士の信頼が基調にあるからこそ、自律した選択が尊重される環境にあります。
「ライフステージの変化から、一般的な勤務体系だと折り合いつかなかった」「フルリモート・グローバルを前提として働きたい」といった方々、まずはカジュアル面談にてお話ししましょう!そして、この組織の制度や文化をともに加速させていきたいと考えてくれる方もぜひ!