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人生を変えた映画〜「ストレンジャー・ザン・パラダイス」

昔、大学の映画制作サークルに入ってた。

その名も゛ブッチ・アンド・サンダンス゛

映画制作サークルとはいえ、卒業するまでに一度も映画は完成しなかったけど、、。

先輩たちは、黒澤明や小津安二郎について熱く語ってた。

私がその頃観ていた映画と言えば、
家で親と一緒に観る
日曜洋画劇場くらいのもので、
語れる知識も思い入れもなかった。

それでも、先輩たちの話しについていきたくて

当時、売れてる雑誌だったぴあの映画ページを

熱心に読んでいた。

そこで紹介されていたのが

ジム・ジャームッシュ監督の
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
1986年公開

ひとりで観に行った。

映画ってすげー!
と、心から思った。

エンドロールが終わっても心が震えてた。

今までこんなの観たことない。

なんにも起こらない、結論がない。

ちょっと変わった親戚の女の子が家にやってきて、

その子とのかかかわりを描く

ほぼ物語のないモノクロ映画。

俳優さんたちが、演技してるようなしてないような

まるで目の前で生活しているかのような。

ものすごくおもしろいセリフがあるわけじゃないのに

コミカルで、くすくす笑える。

ジョン・ルーリーの音楽がめちゃくちゃかっこよかった。

映画館を出たあと、

これからは、映画をいっぱい観に行くぞと思った。

なるべくひとりで。

誰かと一緒に観に行くと

感想を語り合ううちに、感動が冷める気がしたから。

ちなみに「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は、
一度レンタルビデオで見たけど、つまらなかった。

人生を変えた映画のはずなのに。笑

映画館で見なくちゃ良さが伝わらない作品というものがあるんだと感じた。

゛人生を変える゛というフレーズは、
大げさかもしれないけれど、

何十年経っても忘れられない作品は
人を変えるくらいの威力はあると思う。

映画監督になったわけでも、
女優になったわけでもないけれど、

死ぬまで映画を語りたいと思う大人にはなったかもしれない。


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