「レナードの朝」〜自分だけは縛るな
1990年
30年ほど前
「ラバーン&シャーリー」という
深夜枠の海外ドラマが好きで
毎週欠かさず見ていました。
ビール工場に勤め、同居している2人の女性。
アメリカの市井の人々。
軽いコメディ。
その主人公が
この映画の監督であるペニー・マーシャル。
その後、次々に素晴らしい監督作品を
残しました。
(最近地上波で見られる海外ドラマが
少なくなってさみしいですね。)
・・・・・
ありきたりな物語なら
レナードが30年の眠りから覚めて
ちゃんちゃん、おーしまい
となるでしょう。
そうならないところが素晴らしいと
思います。
観客の期待を見事に裏切る。
レナードが目覚めたのは
一時的なものに過ぎなかった。
人の問題は、
実はそんなに簡単に解決しない。
今の時代、なんでも
なんて謳うけど
そんなわけねーよ。
・・・・・
レナードはなぜ病気になったのか?
1920代以降、あのような病気が各地で
発症していた。
大恐慌時代から、今に至る
産業工業の発展期
人は、あまりにも早すぎる
社会のスピードに
ついていけなくなる。
みんな立ち止まってくれ!
僕を見て!
足元を見て!
愛する人を置き去りにしないで!
そんな心の叫びが聴こえます。
・・・・・
そして、
レナードとお母さんの関係性。
満たされない心を
子供を呪縛することで
満たそうとする。
一見無償の愛に思えるものが
実はそうじゃないんじゃない?
レナードのお母さんが医師に
「あなた子供いるの?いないなら
わからないわよ」
と言う場面が印象的です。
これ、きつい言葉です。
母と子の間に入ってこないでよ。
世間話でもよく聞く言葉です。
子供のいない人に私の苦労はわからないわよ、
とかね。
心と現実は連動する。
愛という名の呪縛。
毒親問題と重なります。
・・・・
レナードは、医師に大事なことを
伝える役目を持っていた。
誰かに縛られても
自分の心だけは縛るな。
・・・・
ロビン・ウィリアムズと
ロバート・デ・ニーロの
共演なんて
20世紀の奇跡ですね。
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