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気軽にはじめてみませんか。「一輪の花」から始める、お花のある暮らし

今年から「いちりんや」というお店をオープンしました。とはいっても店舗のない、スペースの一角をお借りしての不定期販売です。販売しているものは「お花」です。県産の新鮮なお花をお手頃価格で、1輪から気軽にお部屋に飾っていただくことで、1人でも多くの方に「お花のある暮らし が広まること」を目的としています。なぜ、沢山ではなく「一輪」からにこだわるのか、今回はこのことについてお話したいと思います。

オランダの花に溢れた日常

私は日本生まれの日本育ち、海外生活経験は0ですが、独身の頃に行ったオランダの短期花留学の光景は、今でもとても印象深く残っています。

街は花で溢れていました。お庭に沢山のお花が咲き乱れているのはもちろん、レストラン、カフェ、様々なジャンルのお店やトイレまで、あちこちに点在する花屋さん、そこで肩に担いでお花を買って帰る人、さりげなく手に花束を持って帰る人。

「生活とともに花がある」そんな文字通りの空間が、華やかでありながらごく自然に、そこにはありました。

おうちにお花を飾っていますか?

残念ながら、日本ではオランダと同じような光景はありません。やはり、お花を飾るか飾らないかで考えた場合、後者の方が多いのが現状です。

お客様にお伺いすると「もらったり、自分で作ったりしたときは飾るけど、わざわざお花屋さんまで行くのはなかなかね~」というお声をよく聞くのです。

お花があったらいいなと思いつつ、重い腰があがらないのはなぜなのか。わざわざ買いに行くのが面倒なら、普段の通りすがりに気軽に買える環境があれば、少しは解決につながるのかも?というひらめきが生まれました。

住宅街にある軒先スペースを借りての「いちりんや」のスタート

普段お世話になっているWS開催スペースは、住宅街の中にあります。目の前は小学校で、子供達もたくさん通ります。私はここで、WSと同時に
通りすがりの方が気軽に足を運んで、家に帰るついでに、1輪から買えるミニミニ花屋さんをやってみようと思ったのです。

福岡は、新鮮なお花が身近に手に入る環境があり、コスト面も比較的安くおさえられる地産地消のメリットを生かして、お手頃価格も魅力のひとつとして考えました。

休日の住宅街、さすがに静かです。それでも、通り過ぎる方はいらっしゃるもので、いつもないのに今日は何のお店?と足を止めてくださる方がちらほらと。

街中にはない、住宅街ならではの交流が始まりました。

日常生活の一コマが垣間見えたひととき

実際に通り過ぎた方々は、というと・・・

●子供の誕生日会の最中、作っていたお菓子の小麦粉が足りなくなったのでスーパーへ
●お買い物の帰り道
●わんちゃんのお散歩
●赤ちゃんを抱っこしながら、小さいお子さんの手を引きながら、おばあちゃんのお家へ向かっていたママさん

みなさん、「お花をささっと1輪から買える環境っていいわね~」と喜んでくださいました。ラッピングもいらないわ、とお花をそのまま手にされてお持ち帰りいただく方まで、環境的にもとてもありがたいことです。

「家まですぐなら、長く持ち歩く手間もないし買っていこう」「小さい子を連れて花屋さんに入るのはなかなかハードルが高いし、1輪だけくださいというのもちょっと言いづらい」等々、お花を買うことにもちょっとした気持ちのもやもやがあるんだな、ということに気がつきました。

また、それと同時に、この「いちりんや」がそれを少しでも解決できるなら、これは続けていくべきなんじゃないか、とう使命感がわいてきました。

100人の方に1輪ずつのお花を

花の生産量が全国3位の福岡県、しかし切り花購入量は、なんと44位。お客様のちょっとした想いに気づいたとき、お花を気軽に取り入れる環境作りが大事だと気がつきました。

1人の方が100本のお花を買うのであれば、それはお花屋さんにお任せします♪そんなゴージャスなことができるのも、お花の魅力がなせるわざですよね!もらってみたいな~と憧れます。

ならば、花屋さんではない私ができること。それは、「お花を買うこと」のハードルをさげられるような、気軽に立ち寄れる場所で、

100人の方に1輪のお花を買っていただくこと

100人の方のおうちにお花があれば、お花のある暮らしという幸福度が、100倍にも広がることになります。そして、お子様にも手に取りやすい高さで、日常の中にお花が寄り添うシーンを、売り手の私も想像できるような身近な存在の「いちりんや」であること、こういう循環でお花が消費されることで、生産されるお花のロスを減らすことにもつながります。

たくさんのお花の種類があったり、素敵なラッピングをしたり、プロの花屋さんのような華やかさはありませんが、私なりのミニマムな活動で、お花を暮らしに取り入れる方が少しずつでも増える活動を継続していきたいと思います。

最近では、お花を生けたいけど花瓶がないという方のために、お手頃サイズの1輪用のフラワーベースなども一緒に販売しています。

「いちりんや」の開催日や場所など、ご興味のある方は、Chiyocottonのインスタグラムをのぞいてみてくださいね。

https://www.instagram.com/chiyocotton

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。

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