【エダワカレ】人間らしさを生々しく歌い寄り添うオルタナティブロックバンド
人間の根底には、漠然とした不安や焦燥感といった感情がある。そういった感情はあまりにも人間臭く、蓋をしてなるべく見ないようにしているが、エダワカレの楽曲はそういった人間らしさを突き付けられる。
結成秘話
エダワカレは、ういろう(Dr)がブッカーとして主催するイベントにて2017年に結成した。
以前、ういろうがサポートドラムを任されたバンドに所属していたパニエ(Ba)、そして、パニエと同じ大学の軽音サークルで出会ったレレレ(Gt.Vo)からなる3ピースロックバンドだ。
エダワカレは、ライブではなくレコーディングからバンド活動が始まった異質な結成秘話がある。
当時、ういろうが主催していたイベントでは、ライブだけでなくCDを作り展示や販売をしていた。そのイベントでCDを出すためにエダワカレは結成された。
その時レコーディングした曲が、2022年春に発売された3rd.EP「Flowers」に収録されている「深夜二時半」。ういろうは、「結成からさまざまな経験を経て、当時ではできなかったアレンジを加えられた」と語っている。
根底を見つめ、哲学する「底」
彼女らは、初期のきのこ帝国やふくろうずを彷彿させるノイジーなサウンドが特徴的だ。そこに、抽象的でありながら妙に現実的でもある歌詞が合わさり、焦りや不安といった感情を生々しく表現している。
1番衝撃を受けた曲は『Flowers』に収録されている『底』だ。この曲はエダワカレの特徴が最大限に発揮された曲だと感じた。
ドラムのカウントインからの〈お前はいつか必ず頭を打つ/その言葉が頭をよぎる〉という歌いだしは、どこか文学的で暗示めいており頭から離れない。
しかし、そのフレーズを反芻する間もなく曲はサビに入る。
〈おじいちゃんおばあちゃん お元気ですか/私は踏ん張って生きています〉という泥臭い歌詞に、共感や漠然とした不安を覚えるのは私だけではないはずだ。
混沌とした感情を加速させるような3連符にノイジーなサウンドで展開する『底』。
この曲のクライマックスは、愛や幸せといった哲学的な問いにシフトする。
〈愛せるならばそれで幸せ/愛せるのならばそれが幸せ〉最初のフレーズは愛について歌っている。
しかし、後半〈それが幸せ〉と結ぶことによって、主題が愛から幸せへと変わっている。
「自分の中にある感情をそのまま歌詞にしている」と語っていたレレレだが、この曲はレレレ自身が救われるための歌であるように思えた。
PROFILE
そんなエダワカレだが、2023年1月24日に両A面シングルをリリースし、同日に北堀江club vijonでリリースイベントを開催する。
漠然とした不安や恐怖の中で共存する優しさを、ぜひライブで感じてほしい。
エダワカレ
~憂鬱な君の愛しい記憶になりたい~ 大阪・奈良を拠点にするオルタナティブロックバンド
メンバー
L→R
ういろう(Drum)
レレレ(Guitar/Vocal)
パニエ(Bass)
SNS
Twitter @edawakare234
Instagram @edwkr_621