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メキシコでちょっぴり勇気がついた
メキシコに入国する際は、とても緊張していたし、正直怖かった。
アメリカは、ハワイやアラスカなどを訪れたことがあったため、なんとなく大丈夫だろうという安心感があった。
しかし、メキシコは未知の場所である。そして日本の中で、メキシコ=治安が悪いというイメージがあるように思う。
友達にメキシコに行くことを話した際も、「治安大丈夫なの!?」と心配をされた。しかし、実際に行ったことのある旅人たちの話によると、「メキシコは文化も面白いし、居心地がよかったよ〜。」とのことだった。
結局、自分が行ってみて確かめないと分からないということだ。
頭の中では、空港を出てすぐにマフィアのおじさんに拳銃で撃たれたらどうしようなんて、最悪の妄想が膨らんでいた。
けれど、妄想したことが起こることはなかった。
少なくとも私が関わったメキシコの人々は親切だった。
メキシコの街並みは、アメリカとは異なり、少し時代をタイムスリップしたような感じだった。
メキシコシティはアステカ文明が栄えた場所だ。
バスで北東に進むと、世界遺産に登録されているアステカ文明の遺跡、テオティワカンもある。
広々とした敷地内には、太陽のピラミッドと月のピラミッドが佇んでいる。
石段を踏み外さないように一段一段を意識しながら、ゆっくり登っていく。頂上では、多くの人々が両手を蒼い空に伸ばしていた。
どうやら太陽の力を受け取っているとのこと。
栄えて、そして滅んでいった文明。
遺跡には独特な時間の流れと空気感がある。
私はその場に腰掛けて、ゆっくりゆっくりその空気を感じていった。
何か新しいことをする時は、恐怖が出てくる。
けれど、そこを越えて一歩進んでみると新しい景色に出会うことができる。
だからこそ自分で実際に見たり、感じたりして、
自分なりの考えや答えを持つことが大切なのだと感じた。
メキシコのおかげで、ちょっぴり勇気がついた気がした。