![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26289806/rectangle_large_type_2_657dfba3d6200299122d818ad4c987c9.jpg?width=1200)
ひらがなを3歳児に教えるために、頭文字がそれで始まる「逆象形文字」イラストを作ってみた
3歳のムスメに「あいうえお」を覚えさせるために、少し前に「主従逆転かるた」というものを作りました。↓
3歳の娘がひらがなを読めるようになるために、「主従逆転かるた」を作りました。文字が主役。
— 高橋晋平/おもちゃクリエーター(株式会社ウサギ代表) (@simpeiidea) April 23, 2020
初めは「きりんのき」とか言って取らせ、次に「き、さの横棒2本のやつ!」とか言って取らせ、数日後に小さい絵柄も消して「き」だけ言って取らせたら、取れるようになりました。
まずは「あ」から「そ」まで pic.twitter.com/FSkNGCp4Fi
要するに、文字の方をデカデカと書いてあり、その文字が頭につくイラストを小っちゃく描いてあるかるたです。これにより娘は、最終的にイラストを隠しても、「い」「し」「く」「こ」などを始め、次々に読める文字が増えていきました。
しかし、やはり立ちはだかったのが「あ」と「お」と「め」が似てる問題、など。だいたい、ひらがなの一番最初が、
あ
![スライド7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26277283/picture_pc_35c5126d9609f4707abe620c810d307a.jpg?width=1200)
というわけのわからない難しい形から始まる日本。ハードル高すぎです。
どうしても「あ」と「め」を間違うムスメを見ながら、ふと思いました。
「あ」って、形が「あめ」に似てないか?
僕がイメージした ”あめ” とは、いわゆるペロペロキャンディ―のことです。
![スライド6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26277351/picture_pc_f9a2923cdf2e37560b9647c3bcb54622.jpg?width=1200)
さかさまにすると、「あ」っぽいよな。。
これ、そういうルールで、
「あ」なら、
・「あ」から始まる言葉で
・かつ、そのイラストの形が「あ」に似ているもの
を五十音全部で完成させたら、直感的にひらがなを読めるようになってしまうんじゃないか…?
という仮説を思いついたので、さっそく検証してみることにしました。
まだどういうことか理解できない人も多いと思いますが、つまり、「あ」なら、、
![スライド1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26277607/picture_pc_33119da1f64731e98331d37d1b566718.jpg?width=1200)
あめ
ということです。「あ」のかたちは、逆さにした「あめ」に似てるんだよ、と教えるわけです。試しにこのイラストだけムスメに見せたら、やけに興奮していました。奥さんは最初「……そうかしら?」という感じでしたが、この遊びに言語化や説明は不要。文字の遊びでありながら、非言語的で直感的な遊びを作ろうとしています。
あの次は、「い」です。「い」で始まる言葉で、形が「い」に似ているものを見つけて、イラストにします。シンプルな棒2本とも言える「い」は、皆さんお気づきの通り、どう考えてもアレしかありません。そう、、
![スライド2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26284652/picture_pc_ce8db4f0447d7fba9134b4e2a68007df.jpg?width=1200)
イレブンです。
英会話教室に通っていたムスメは、11=いれぶん、を知っていて、いつも「ェレーベン!」とか言っています。紛れもなく、「い」で始まる、「い」の形のものです。「いれぶんの、い、だよ。」と教えるわけです。
(でもまあ、やっぱりこれを見せたら「いち、の、い!」と言ってましたが、「いち」で覚えてくれてもいい、というのは想定内です。別に「いもフライ」や「いかそうめん」でもいいし……。)
次は、「う」です。「う」がつく「う」の形をしたものと言えば、もはや、どう考えても日本人的にはあれしかないですよね。そう、、
![スライド3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26284880/picture_pc_b15fc98d4d87d388fef679e09c790056.jpg?width=1200)
うなぎです。
そもそもこの企画の先駆者のような存在です。うちの会社名がウサギなので、うさぎにならないかなと試行錯誤したのですが、うなぎに敵うことは不可能でした。
次に、「え」です。「え」も、完全にご想像の通りです。そう、、
![スライド4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26285219/picture_pc_42edc6ab6d962e27f5b1f570c21ae939.jpg?width=1200)
えびです。
えびってこんな曲がり方じゃねーだろ、という声が聞こえてきそうですが、世界の海を探せばこんなえびもいるでしょう。前にムスメに「え」は、えびのしっぽみたいになってるやつだよ、と言って教えたら、「ん」と混同しながらもなんとか覚えたので、え → えび、は実績がある確かな選択でしょう。
そして、「お」は、
![スライド5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26288135/picture_pc_62dbd94daca63e9daceefa72c0f55d01.jpg?width=1200)
おとこです。
よく「お」の文字を見てみてください。強靭な足腰で立ち、武器を手にしているサウスポーの男が見えてきませんか? 足どうなってんだよ、ケンタウロスかセイレーンかよ、という声が聞こえてきそうですが、ギリシャ神話を探せば多分こんな男もいたでしょう。
こんな感じで、ルールに従って五十音をすべてイラスト化してみたので、以下、一気にご覧ください。
![スライド1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26288289/picture_pc_34c4783e87bba699ac8713c7fb3f00c3.jpg?width=1200)
![スライド2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26288297/picture_pc_ba0ee1d826eeac1c2a035990f58dcc07.jpg?width=1200)
![スライド3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26288302/picture_pc_2857e40880bfd3e58e68fd1fa4087ac2.jpg?width=1200)
![スライド4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26288308/picture_pc_65c9ed568d901a4c852d93a96022936e.jpg?width=1200)
![スライド5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26288313/picture_pc_8f2149ab8e899d742b944877ec31e182.jpg?width=1200)
絵:高橋晋平(プロのおもちゃ開発者の全力画)
いかがでしょうか。
細かくコメントしたいこだわりは多々ありますが、多くは語らず、読んでくださった皆様の受け取り方に委ねることにします。
実はこの遊びのつくり方は単純で、その文字で始まる言葉を挙げていき、その文字に似ている形のものを探すだけ。言葉の数が膨大なので、似ているものは見つかってしまうわけです。実は言葉遊びは、遊びの中では作りやすい分野なのです。
これを厚紙でプリントアウトして切り、カードにしてムスメにプレゼントしました。
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26350554/picture_pc_ce36dee5d72b06b0fd86a6ad7894dd90.jpg?width=1200)
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26350558/picture_pc_6e161f63279b97676b50570072663d47.jpg?width=1200)
この先どんな効果があったかは、またTwitterなどで報告しますが、少なくとも子供にはこれを面白がる感覚が備わっていて、日々ガンガンに覚えていっています。自分の子供にやらせた遊びの中では久々に凄い威力を発揮した "エデュテイメント" になったかなと思います。うちのムスメが、これでひらがな全部を覚えたら、最終的にどんなセンスの大人になるんだろう…?
最後に皆さんにお願いとお誘いです。
◆上の画像をプリントアウトしてお子さんと一度遊んでみていただけないでしょうか。感想聞けたらすごく嬉しいです。
◆この文字に共感した!とか、この文字はアレのほうが合ってるだろ的なご意見、大歓迎です。Twitterなどでコメントください。
いろいろ大変な時期だけど、子供にこのひらがなイラストをプレゼントできてよかったです。(多分こいつも変なヤツになるんだろうな…… )