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わさび菜差額51円の価値を考える
先日、スーパーに買い物に行き、わさび菜をかごに入れ、セルフレジでバーコード精算したのですが、バーコードに登録されたわさび菜の価格が、売り場の表示額より50円ぐらい高く設定されているようです。
実は前日にも、小松菜で同じような体験をしており、ただ、その時は小松菜がセール品であり、レジの精算額が普段の表示価格に近いので、これは仕方ないかなと思っていたのですが、さすがに今回は腑に落ちないので、店の人に聞いてみることにしました。
今はスーパーも、セルフレジが主体であり、店員さんは店内に数人しかいません。しかも、最近はセルフレジで未精算の商品が増えているらしく、店の出口で一人がレシートを見て、ちゃんと精算しているか確認しています。
ただ、現実的にはレシートをチラ見せして確認するだけなので、本当に不一致があった場合は、1、2品であればわからないような気がしますが、故意に未精算で持ち出そうとする人に対する、牽制なのだと思います。
周りを見渡しても、店員さんは他にいないので、やむなく、レシート確認係の店員さんに声掛けをして、売り場まで来てもらい、僕が精算したレシートを見せて、確かに差額があることを確認してもらいました。
その後、レジに行き、差額の返金処理です。当然ながら、こうした処理はセルフレジでは対応不能なため、2台しかない有人レジでの対応でしたが、有人レジは、セルフレジに自信のない高齢者を中心に、長蛇の列になっています。
そこを割り込んで、面倒な返金処理をレジでやってもらい、現金で51円が戻ってきました。
僕自身の時間のコスト、店員さん2人の時間のコストを考えると、51円を超えてしまうような気がしますが、この金額、微妙ですよね。
10円以下であれば、いつも安く買い物できているので、それぐらいいいか、と思ってしまうのですが、51円となると、たとえばガソリンとかであれば、少し安いところで入れている努力が、吹き飛んでしまいます。
また、心理的なコストというか、その店に対して持つ不信感のようなものは、馬鹿にできないですし、自分がよりによって、わさび菜などというマイナーな野菜を買ったことに対する後悔もあって(じっさい、何に使うか決めずに買ったということもあり)、51円を放置しておくと、こうしたマイナスの感情が育ってしまい、パフォーマンスが発揮できなくなります。
なので、今回の自分の行動は、一見不合理に向けて、心理的コストなどを含めると、合理的な選択であると、自分では思っています。
おそらく、有人レジが並んでいたころは、その場で違和感を伝えることで、レジ打ちをいったん止めて売り場に確認に行き、訂正処理で済ませたのでしょうが、
セルフレジになると、ネットのフリマサイトなどでオートマチックに商品を購入した際に、誤って配送されたときと同様、イレギュラー処理への対応はものすごい手間がかかるようになっています。
便利になっている反面、人手は各所で減らされているので、イレギュラーな事態に直面すると、下手をすると話の持っていき場もない、
賃貸住宅に住んでいても、家の近くに営業所があるにもかかわらず、そこに電話しても営業所の人は電話にでないでコールセンターにつながる、こうしたことも増えています。
このへん、AIチャットも進化していて、アマゾン配達時のトラブル対応のように、それで返金処理まで済む場合も増えていますが、多くの場合、金銭的なトラブル対応は、どうしてもマニュアル対応が残り、そこを超える壁がすごく高くなっており、消費者サイドにとっても、マニュアル処理に時間をかけることを惜しむ心理が強くなっています。
今回の51円は、自分の中の心の葛藤で、ギリギリのラインなのかなという気がします。