体育の時間
僕自身は学生時代一貫して、体育が苦手で、特に自分の下手なプレイが、チームの足を引っ張る球技の季節は、体育があるために朝は憂鬱な気分になるという日もありました。
夏になると水泳になり、少し気持ちが軽くなります。水泳も得意ではありませんでしたが、個人競技なので他人に引け目を感じることなく、体育の時間をやり過ごすことができます。
一番良かったのは、高校時代の冬のマラソンでしょうか。誰も見ていない田んぼみちを自分のペースで走ることができる。ひとに迷惑かけないので、体育の時間の前のプレッシャーも、終わったあとの引け目も感じなくて済む。今から振り返ると他愛もないことですが、高校までの僕にとっては、体育はクラス内の立ち位置を弱くする存在でしかありませんでした。
小学校のときは、運動は下手で、勉強もあまりできないということで、クラスの中で自信を持てず、暗く過ごしていました。
ただ、そのときの危機意識が、中学生になって勉強に向かう動機につながり、努力の甲斐あって、ある程度クラスで成績が上位になると、それなりに大事にされたことが成功体験になり、その後は成績上位を維持することが自分を守る力となり、体育のハンデをカバーすることができました。
大学に進んで、はじめて体育の呪縛から解放され、その後は、高校まで感じ続けていた、この感覚を忘れていましたが、僕の子供も体育が得意ではないと聞き、昔の自分の感覚がよみがえりました。