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舵を任されているなら、困難に向き合い知恵を絞るしかない
12月に入り、今年を振り返りながら来年に何を為すべきかを考える時期がやってきました。
今年は、年はじめから、いろんなことがありましたが、今の生活基盤を揺るがすような悪いことがなかった半面、現状を離陸できるような強い推進力を得ることもなく、
ただ生活防衛という面で一方的に押し込められない程度の斥力を得て、何とか現状に踏みとどまり、僕の心の奥地に残された土地を、涵養開拓できた感じです。
先日、少し前に話題になった、折口雅博さんの話題の本『アイアンハート』を手に取りました。
読んでみると、とても刺激的で示唆に富んだ内容でした。
ただ、正直に言えば、今の僕にはそのまま吸収して使えるような代物ではなく、そこからエッセンスを絞り出し、自分なりに解釈して取り込む必要があると感じました。
いわば「抽象度を上げる」作業が求められるのです。
本書の魅力に触れることで得た気づきもありましたが、結局のところ、皆が同じ方向を向いているだけでは、自分を活かす場を見出すのは難しいという現実に改めて気づかされました。
世の中の大半のことは、誰かが既に手を付けている「レッド・オーシャン」のようなものです。そこに飛び込むと、ただ競争に巻き込まれ、自分の価値を安売りする結果になりかねません。
ちょっと前に、転職エージェントに接触したような話を書きましたが、その時に感じたのは、この道は若い時には使えても、他人に仕事をしてもらうことで成り立っている僕が、現状のネットワークを飛び出すことは、すごろくの振り出しに戻るようなものであり、山の上から何の目算もなく、平地に降り立つようなものだということです。
同じ景色を再び見ようとするためだけに、人生の後半の相当なエネルギーを費やすことになるわけで、なれば今の場所を補強するになり、別な高みへのロープをかけることに、同じエネルギーを費やした方が、効率的です。
一攫千金とか、現状をぶっちぎることは、一種の思考実験としての快感はあるのですが、成功率は低いので、今の手持ちの資源を生かして、やり方としてより確実性の高い投資をするとか、余剰資源やエネルギーをうまく使う方向に思考を全振りする、この先はまずはそれをやるべきかなと、今さらながら思いを致しました。
もちろん、本や人との出会いを通じて、今は光の当たっていない、僕にとってのエルドラード、つまり、自分の力を最大限活かせる未知の市場や可能性を探すことは、一種のロマンとしても、より確度の高い宝くじを買うような行動としても、やっていく必要はあると思います。
ただ、そこで、いきなり金儲けをしようと考えるところから入ると、果実が実る前に刈り取ってしまうようなことになってしまう。急いで急がず、まずは顕在化させることに、自分の持てる余剰資源を投入することからはじめ、人や情報が集まれば、マッチングして課題解決につなげていく。
そこが僕の強みの領域であれば、そのあとは、自ずと利益は享受できるわけで、僕が今のポジションで直面し、未来に予想される困難から逃げるための行動をしている限り、実は何も得られない。
若いときであれば、沈みゆく船と思えば逃げだせばよいのですが、今の僕がそれをやることは、多くのものを失うことになります。
もちろん、船の中の安全な船室に閉じこもるということも人生の使い方として勿体なく、今は舵を任されているなら、まずは来るべき危機の回避に知恵を絞ることが大事です。
いろいろ考えは経巡ったものの、最後は今のところで持てる力をだして、効率よく課題解決にド真剣に取り組む、陳腐ですがそれが自分の道を切り開くためには、それが一番早道ということで、今日もこれから過ごす、プライムタイムの時間帯を、前向きな課題解決の時間として、使い切りたいと思います。