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18きっぷは遠い存在に

 今年の冬の青春18きっぷの発売が発表され、ネットで話題になっているようです。
 

 最大の変更は、これまで1日ずつ使えたところ、3日間ないし5日間連続でないと使えなくなったことと、自動改札対応になったことで、複数人で1枚を使うようなことができなくなったことですね。

 連続使用しかできなくなったことで、従来は5日間以外の利用であっても、自分の用が済んだらフリマサイトで売ってしまうか、逆に必要な日数分のきっぷを購入することができたところ、連続使用となれば、フリマサイトを介して融通する暇がないため、自分自身が3日間または5日間の、連続日程での普通・快速オンリーの旅をしない限り、このきっぷは使えなくなったと言えるかと思います。

 現実問題として、年末年始の休みとか夏期休暇をまとめて取得できる社会人であっても、3日間とか5日間を鉄道に乗り続ける旅ができるのは、限られた人でしょうし、リタイアした高齢者の場合は、時間は取れるかもしれませんが、体力的にきついと思います。

 そうなると、名称どおり、学生の特権で、ただ鉄道を体力に任せて乗りつぶす、そんな旅にしか使えなくなったような気がします。

 ただ、僕もここ数年は、18きっぷは購入していませんでした。転売できるといっても、1シーズンで3日間とか、元を取れるような強行日程の旅をするのが難しくなってましたし、新幹線の延伸による並行在来線の三セク化で、北陸方面の利用はできなくなってましたので、そこまで食指が伸びなかった。

 今回の変更の批判は多いようですが、利用の少ないローカル線は、このシーズンの18きっぷ利用が大きな波動要因でありながら、ローカル線の収益に寄与してはおらず、それで混雑して苦情とか言われても困る、というのが、JRの本音だと思います。

 多額の経費を投入して復旧した只見線も、復旧後は混雑しているという話を聞きますが、この18きっぷ期間を除いてどれぐらい人が乗っているのか、僕も詳しく検証したことはないのですが、正確なところを把握することは、今後を考えるうえでも、必要なことではないかと思います。

 過去に18きっぷに多大な恩恵を受けた僕としては、今回の変更は終わったな、という印象もありますが、コストも上がっており、人口減少して担い手が不足する中では、有人改札前提のこのきっぷの未来はなかったわけで、一種の生き残り策なのかなと思ったりもします。

 もちろん、利用されなければ、過去に消えていった周遊きっぷと同様の末路になるかもしれませんが。


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