見出し画像

執務環境改善を本気で考えてみる

 うちのオフィスは、ごく一部の部門をのぞき、旧来型の座席配置となっています。

 つまり、ひな壇と言われる、多くの場合、窓を背にした場所に、部門長をはじめとする上位の管理職の執務机が配置され、そこから少し離れたところに、セクションリーダー以下の一般スタッフが、島型に並んでいます。

 セクションリーダーは、ひな壇と同じように、窓を背にしている部署もあれば、島の中に同じ並びで置かれている場合もあります。

 あと、執務机は部門長が一番大きく、袖机が3つあり、収納スペースも多く、椅子も一番良いものがあてがわれる。一般スタッフは椅子のタイプもまちまちで、執務机は一番小さい、という感じで、役職が上がるほど執務環境が良くなるようになっています。

 僕が入ったころは、この役職ごとの格差が厳格に守られ、椅子などは袖なしの貧相な椅子だったことを覚えています。さすがに今は袖なしの椅子などは使われていませんが、まだ使える椅子は使い続けるという感じで、一般スタッフの使用する椅子には、昭和の雰囲気の椅子がまだ残っています。

 最近は、職場をフリーアドレスにして、若手の職場環境を改善し、少なくとも職場環境の古さにあきれられて、退職してしまうのを防ごうという動きが出ています。

 職場のフリーアドレス化については、僕が古い考えを捨てきれないこともあって、どこまでメリットがあるのかわからず、全面的に賛同、という感じなのですが、考えてみると、こうした役職が高いほど、執務環境が良くなるという仕組みを変えるには、良い取組なのかもしれません。

 一般スタッフの方が、実務は多くこなしているので、本来は作業スペースは広くあるべきでしょうし、椅子も若いから適当でいいということはなく、人間工学的に優れたものを使った方が、仕事の能率も上がるはずです。

 今からもう7、8年前でしょうか、ある証券会社を訪問したときは、デスクが昇降するようになっていて、気分に応じて立ちながら仕事をできる環境があり、本来こうあるべきだよなと思いました。そこにまったく追いついていないこと自体、危機感を持つべきなのだと思います。

 あと、袖机も、ペーパレスになっているので、今や私物入れになってるんですよね。昔の資料とかも入っているけど、ほとんど見ることがなくなっている。部門長は、その都度判断をすることが仕事であり、現に、僕の袖机はスカスカです。

 役職すごろくを年功序列社会の中で最短距離で上がってきて、今や執務環境的にはマックス、あとは個室に入るだけの僕からすると、執務環境を改善する動機はないんですが、フリーアドレスになれば、今の心地よい環境が失われるわけで、すべてのスタッフのことを考えた、執務環境の改善を考えるようになる。

 部門による向き不向きはあるのでしょうが、部門の上長が執務環境改善を自分の問題と考えるためには、職場をフリーアドレスにする発想は、必要なように思います。

 

 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?