年替わりを機に振り返り

 僕が今の職場に入ったのは縁みたいなもので、学生時代は別な業界に絞って就職活動していたので、おそらく一般の人が漠然と抱くような企業イメージさえも持っていなかったと思います。もともと、外部からはわかりにくいし、同じ企業とは思えないほど多様な分野で業務展開していましたので、何か中の良い先輩とかが会社にいなければ、わからなかったと思います。内定後のつなぎ止めもあまり熱心ではなく、本当に4月に採用されるのだろうかと不安に思ったほどです。最初の配属は現場に出る仕事であり、拠点の所在地は田舎と都市の境目の地方都市でしたので、都市部に住んでいた僕には、農村部の慣習とか、人付き合いとか、土地や水を巡る問題など、すべてが新鮮で、程よい加減のストレスを感じながら、とはいえ十分な余裕を持って仕事に向き合うことができました。こうした職場も今は人が減らされ、多様な業務を担うようになり、余裕がなくなっているのだと思います。入って4年間現場にいて、その後は3年間システムを担当しました。このへんまでは組織の全体像がつかめず、自分は今後どうなっていくのだろうかという不安の方が大きかったです。このころは、資格試験に手を出したり、英語の勉強をしたり、課外活動に精を出して毎週のように遠出していました。今、それらのものが結実しているかといえば、かっちりと経験が生きているとは言えませんが、基礎的な素養が身に着いたので、ITに関する知識を含め、無駄ではなかったと思います。英語に関しては、自分に関しては必要性の部分で今一つ気持ちが入らず、結実しなかった点は残念ですが、語学ができる知り合い何人かを見る限り、そこを評価されて組織的にも重要なポジションを任されているわけではないようであり、語学のコスパは良いとは言えない気がします。ITは当時はマニア的で職人芸で組織的な処遇もイマイチでしたが、今は花形に躍り出てきて、IT分野での人材育成が後手後手に回ってきたわが社としては、それに対応する人材が欠乏している状態、いわば頭一つ出ていれば十分勝てる、敵の少ない分野と言えます。敵が少ないというより、誰も手を出したがらない分野、でもそういう分野に手を出して、自分の城を築いてしまえば、組織に翻弄されることなく主体的に自分の居場所を選択できる、今から伸びて行けばおのずと独走態勢に持っていける。単なる知識でなく、知識と業務の融合と、その実現のための調整、この2つを併せ持つことで、勝つことができる。単なる専門知識のアップデートでは若い人やその道の人に勝つことはできない、自分の立ち位置を把握し、そこで必要な知識を理解し、効率よく進んでいく、そうした中で、過去の初動経験を結び付けて、活かしていきたいと思います。

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