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変化に適応する力を学ぶ

 僕の娘が通う高校で、教員不足を理由に部活動の統合が決まりました。娘の所属する部も例外ではなく、他の部活と合併することになりました。  

 生徒たちにとっては大きな変化です。

 長年続いてきた伝統ある部活動が、形を変えてしまうことに戸惑いや反発の声が上がるのは当然のことだと思います。実際、統合に反対する生徒の中には号泣する生徒もいたそうです。
ただ、大勢の生徒は「新しい形を作っていこう」と前向きだったとのことで、「みんな反対で結束したんじゃないか」との先入観があった、僕自身のテンプレ思考を反省させられました。

 昨今、話題になった、ホンダと日産が合併するほどのインパクトではないかもしれません。それでも、生徒たちにとっては、自分たちの居場所や活動のあり方が大きく変わる出来事であり、彼らなりに真剣に考えているのが伝わってきました。
  
 大人たちと違うのは変化を受け入れるスピードの速さです。最初は戸惑い、時には不満を漏らしていた生徒たちも、次第に「どうすればより良い形にできるか」と建設的に考え始めたようです。
ある生徒は「新しいメンバーでできることを増やしたい」と語り、また別の生徒は「この機会に活動の幅を広げられるかもしれない」と前向きに動き出している、部活動のライングループからは、新しいものを作り出していこうという熱気が伝わってきました。

 僕自身、仕事を通じて組織の変化を見てきましたが、大人は変化を受け入れるのに時間がかかることが多いと感じています。現状維持の方が安心ですし、長く続いたものを変えるには痛みを伴うからです。

 しかし、社会は常に変化しています。 

 どれだけ抗ったところで、変化を避けることはできません。むしろ、変化を前向きにとらえ、新しい形を模索する方が、結果的に良い未来につながることが多いのではないでしょうか。生徒たちが統合を受け入れ、自分たちで新しい形を作ろうとしている姿を見て、「変化への適応力こそが、社会で生き残るために必要な力なのだ」と改めて実感しました。

 もちろん、変化に反発すること自体は悪いことではありません。むしろ、何も感じずに受け流してしまうよりも、自分たちの大切なものを守ろうとする姿勢は大切です。
ただし、そこで立ち止まるのではなく、「では、この変化をどう活かすか」と次の一歩を踏み出すことが重要だと思います。その意味で、今回の経験は娘たちにとって貴重な学びになったのではないでしょうか。

 この出来事を通じて、僕自身も学ぶことがありました。大人になると、どうしても変化に慎重になりすぎてしまいます。しかし、若い世代は柔軟です。最初は反発しても、最終的には自分たちで道を切り開いていきます。その姿を見て、僕も仕事や家庭の中での変化を、もう少し柔軟に受け入れられるようになりたいと感じました。変化を恐れるのではなく、それを自分の糧にしていく。そんな生き方ができたら、人生はもっと面白くなるのかもしれません。


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