拾う神あり
今日は勝負の一日でした。
勝手の知らない新しいセクションで、知らずに張り巡らされた「罠」に次々と嵌っていた僕ですが、今日、その総仕上げとなるべき会議が開催されました。
糸を引いている相手は何となく見えてきたのですが、意思決定をする会議のメンバーは、糸を引いている相手が巧妙に仕掛けた餌につられるかたちで、我知らず包囲網を築いている状況。
つい数日前までは、その包囲網は完成し、僕も内心、「もはやこれまで。一旦は相手の術中にはまるしかない、あとはそこからどうやって抜け出るかを考えるしかないか。」と、なかば覚悟を決めていたところ、会議における議題提案に疑義を感じるメンバーの一人から、会議の包囲網を破るための示唆をいただき、そこに一縷の望みを抱き、今日の会議に議題提案に反対する立場から現状説明をしました。
当然ながら、会議のメンバーから、提案賛成の立場で、攻撃的な質問が繰り出されましたが、何とか攻勢に耐え、あとは会議の採決に委ねるという段になった際、会議のメンバーの、これまでまったく存在感を示していない一人から、突然、提案反対についての理路整然とした論陣が張られました。
僕自身も驚きましたが、そこで会議の流れが一変、一気に提案は否決される雰囲気となり、反対多数で提案が葬り去られました。
なぜその人が、急に反対の論陣を張ったのかは、今でもわかりませんが、何か、狡猾な罠の存在に築いたのかもしれません。
その時、会議にさりげなく同席していた、糸を引いた相手の顔を見ましたが、長い時間をかけて仕掛けた罠の集大成である会議でのまさかの逆転に、顔面蒼白でした。
ある意味、ポジションを取るためだけの、意味のない騒擾を引き起こした相手の術中から、最終的に決定権を奪い返し、状況をニュートラルに戻したメンバーに、見えざる良識の意思を見たように思いました。
まさに、拾う神ありといったところでしょうか。