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メルカリで活路を託す
僕は、メルカリで読み終わった本や子供の使っていたものを売ることが多いです。
特に本については、自分で読んでいる時から大切に扱い、当然ながら書き込みもせず、将来売ることを前提に、取り扱うようになっています。
送料や手数料を考えると、実際に自分の手元に残る実入りは少なく、文庫本などは、手元に残るのは100円、といったこともままありますが、やはり一度は自分と縁のあった本なので、次の人に活用して頂けることが嬉しく、出品や梱包、発送の手間を惜しまず、売りに出すようにしています。
メルカリ便なので、買い手の方とは匿名でやり取りしているわけですが、丁寧な方からは、わざわざ到着したことについて連絡くださる方もいます。その場合は、売り手としても、大事に活用して頂けるように、返礼のコメントを書くようにしています。
匿名同士のやり取りですので、こうした取引での縁がお互いの人生にとって、一期一会であるかも知れません。であれば、せっかくのご縁であり、お互いに気持ちよく取引ができて、相手に少しでも良い気持ちになっていただければ、そうした思いも込めて、コメントしています。
思えば、こうしたメルカリの取引相手だけでなく、多くの人との日々の出会いも、一期一会、なんですよね。
毎日のように会っている相手も、気持ちは日々移ろい、お互いに置かれた環境も変化していますので、昨日の自分と相手の関係ではあり得ない。
心の触れ合いは微妙であり、どこかで熱情が通い合い、激しく同調することもあれば、前触れもなく思いが冷めたり、秋の深まりで枯れたりすることもある。過去の関係性にノスタルジーを感じても、二度とそうした思いが復元することはない。ただ、人の気持ちの変わり目はわからぬもので、環境の変化の中で、再び軌道が接近することもあります。
しかし、いずれは最後の出会いという時はやってきます。相愛の関係にある人や、そこまでいかなくても、空気同様にあることが前提となっている人と、明示的な別れの場面に立ち会うのは、辛いものがありますけれど、何気なく断ち切られることも、思いを伝えられず、念が残ります。
ああ、あの時、もう少し仲良くしておけばよかった、ちゃんと話をしておけば、気後れせずに声をかけていれば、などと、後になって悔やんだことは、これまで数多くあります。
現実的に、いつも気持ちよいやりとりをできるほど、僕も人間ができてはいませんが、生きている間に、多くの人に良き思いを抱いてもらえるよう、自分の感情をぶつけるような所作は慎みたい、これが最後のご縁と思えば、全ての人は、僕にとっては懐かしい人たちです。