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相手の思いを五感で味わう
先日、ある人から旅行のお土産ということで、お菓子を頂戴しました。
袋の中には、きれいに包装されたチョコレート菓子が入っていて、どこのお菓子だろうといつもの癖で裏面の表示を見て、ネットで検索、その地域では有名な菓子店の、人気商品であることがわかりました。
それなりに遠い場所でもあり、一つでも持ち帰るのに相当かさばるので、そんなに多くの人に買って帰ったとは思われず、ああ、僕のためにわざわざ買ってきてくれたのだなと、うれしい気持ちになりました。
そして、相手にお礼のメールを送ろうとしましたが・・・。
考えてみると、その時点で僕は、お菓子の情報をネットで検索し、そこで満足してしまっているんですよね。発想としては、お店でおいしそうな料理をスマホで撮影し、何となく自分としては、その店に来たこと自体も含めて満足し、食べるのはおまけ、というような感覚です。
でも、お店の人からすると、器や盛り付けも含めて、五感で味わってほしいからこそ、料理を提供しているわけで、実際に食べてからでないと、ひとに写真をSNSで送っても、伝えられないはずですよね。
それなりに吟味して、お土産を選んできてくれたはずであり、じっさい、以前にも、その人からいただいたお土産は、商品の味や見た目はもちろんのこと、袋に入った栞に書かれた品書きまで、素敵でしたので、お土産を選ぶセンスは確かです。
そう考えると、情報を得て満足、ではなく、見て楽しみ、実際に食べてから、メールを送ろうと思い直し、さっそく口にしてみることにしました。
うん、予想どおり、上品な甘さで、素材も生かされている佳き味であり、これであれば、ネットの情報で味付けをしたり、「これは有名店の人気商品なのだ」と思いこませなくても、十分に満足できるものでした。
五感で味わうことで、その人の心づくしにも思いを致すことができる、最近は、どうも情報過多で、頭でっかちになる傾向があり、お土産というのは、多分に人と人の心の橋渡しであることを考えると、そうした情報なしに、まずは賞味する、今後もこのことを心掛けたいと思います。