抑止力
最近は国際情勢の緊迫化の動きを受けて、国の防衛力強化の理屈として、抑止力という言葉がよく聞かれるようになりました。
無防備な相手を攻撃するような輩は、周りから厳しい非難にさらされる。下手に防備を固める方が有害とみなされて攻撃される、だから防衛力などにお金を注ぎ込むべきでないという主張も一理ありますが、国際関係でそうした論理に持ち込むには、相手にとって純粋に防衛力以外、価値のない国となり、外交関係において得失のない国にならないと難しく、今の日本がそうした国と見做されることは現実的ではありません。
また、実際に戦争状態になり双方に多くの犠牲が出ると、引くに引けない状況に陥るのは、現在進行形の戦争を見ていればよくわかることであり、同盟関係や周辺との軍事バランスの中で、軍事的解決の衝動を抑えるために、防衛力の強化が求められるのであれば、どこまで必要なのかの議論や、財源問題はあるとはいえ、考えざるを得ないようにも思います。
一方で、やはり国を超えた、個々人のレベルのホットラインは大事であり、人が行き交うことで、多少なりとも双方の社会や文化に対する理解や同感をそれぞれが持ち帰れば、それも抑止力としてはたらくように思います。
己が身の上の悩みも、満足な解を見いだせていない面もあるのですが、この先、いよいよ余裕がなくなってくると思いますので、日常のタスクもマルチでこなしながら、知見の乏しい国際関係ににおける国の振る舞いについても、なるべく良質の情報を得ながら、自分なりの答えを持っておきたいと思います。