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それぞれの選択

 今日は営業最終日で、僕も後任に席を空けるために片付けやメールのバックアップ、引き出しの中の片付けなどをしていました。

 以前は、異動のたびにワンタッチストッカーに詰めていたので、それを台車で運んでとかしてましたが、今は大きめのエコバッグにいくつか小分けして、機動力高めに移動できるようになっています。

 ただ、最終日まで新たな懸案が持ち込まれ、この最後の一週間で、1ヶ月分ぐらいの仕事がドン、ドン、と増やされた感じであり、これにより、来年度に向けての業務の難易度が、一気に上がってしまったように思います。

 なので、心残り感はハンパないのですが、内心は、ほっとしている自分があります。

 今日は、かつて部下であった若手が、退職の報告に来てくれました。

 いろいろ思うところあっての決断だと思いますが、最近の若手の退職者は、この業界の転職市場があまりに未成熟で、新天地に出るときにそれまでのキャリアを評価される仕組みが弱いため、組織内の鍵穴最適化により上がっていくしかなく、そのことは自分の可能性を潰すことのように感じられ、早いうちに見切りをつけざるを得ないように仕向けているように思います。

 もう少し、キャリアを元手に新天地を切り拓くことができるなら、組織内でハードルギリギリを狙って最低限の仕事しかしないような輩は自ずと減るでしょうし、若手も組織にとどまってもらえるように感じています。

 たしかに、若いときは山の麓にいるので、先行きも全体像も見えていない分、不安であり、自分の評価が適正になされていないのではないかと、不満でもあります。

 もちろん、見えたからといって楽しいことばかりではないものの、人とは違う境地を体験することの面白さはあり、困難を乗り越えた先の達成感はなにものにも代え難く、そこに行きつく前に見切りをつけてしまうのは、勿体ない気がします。
 
 このへん、もう少し解きほぐして伝えるべきではなかったかと、その場を辞して去りゆく若手の背中を見つめながら、詮のないことを考えてしまいました。

 とにもかくにも、一年が終わり、来週からは新たな一年がはじまります。僕にとっては、戦線から離れ、オン・ザ・ジョブ・リスキリング?の一年になりそうです。
 


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