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ピーナッツ一粒ですべてを変える
昨日、この本を読み終わりました。
最初に手に取った時は得体のしれない本という感じでしたが、町の理髪店を舞台に、物語が展開するビジネス書であり、経営の教科書に書かれていることを実践することで、理髪店が緩やかに進化し、最終的には業界の中でも一目置かれる存在になっていく、そんな物語です。
理髪店の基本は人の髪を切ることであり、少しおしゃれに気を使う人は、僕のような中年男性も含めて、美容室に通っていますし、コスパ重視する人は、低価格のカット専門店に流れている。
この2つの勢力の草刈り場になり、苦境に陥っているのが、町の理髪店というのが、僕の印象であり、そこにリピーター客のつなぎとめという保守的なイメージはあっても、積極的な新規開拓とか、客単価の上昇の施策は、難しいだろうなという気がしていました。
当然ながら、やはり、半年や一年で急成長するわけではないですが、桃栗三年柿八年のスパンの中で、理髪店のオプションサービスの充実による客単価の上昇、従業員の雇用条件の向上による定着人材の確保、経営者自身の学び直しによる成長が、店の回転率や売り上げを徐々に引き上げていき
最後のほうは、お店の評判を聞いて、良きリピーター客が定着し、さらなる新規客も紹介してくれたりするような好循環に入り、カット価格自体の単価も引き上げても、お客が離れないところまで、差別化を図ることができるようになっています。
僕も個人の客商売をやったことはないのですが、他と差別化が図れていないお店には、いろんなお客が来て、「こんな人は他の客の迷惑になるので正直来ないでほしい」という不潔な客とか、サービスに対し難癖をつける客、自分の勘違いとかで怒り出す客など、店と客の間で信頼関係がないことで、トラブルは多いしリピーターは定着しない、なかなか苦境から抜け出せないよう思います。
差別化が図られれば、リピーター客がついて店が混むようになり、予約制が定着し、リピーター客との信頼関係は高いので、そこから紹介のあった客もそれなりの人しか来ませんし、無断キャンセルもない、お店の側も客のツボを心得、リラックスした雰囲気の中でサービスを提供することができるようになります。
僕の通う美容室も、今は基本、新規客は入れず、リピーターを相手の商売になっており、枠が空いたら、適宜、新規客を受け入れる、そんな感じみたいです。
新規客というのは、何かとコストがかかりますからね。リピーターに定着してもらい、自分の中で差別化を図ってもらうことで満足度を高められれば、そこに適正な幅の値上げが入ったとしても、ファンとなっているリピーター客にとっては、自分の心地よい居場所を変える理由にはならない。
そんなに厚い本ではないので、さらっと読めますが、随所に自分が生きていくうえでも必要な知識や情報も散りばめられ、物語として読み進めつつ、メモを取り、あとで自分の学びを深められる、一粒でおいしい本であることは、確かですね。