森ビルの長期戦略
昨日は虎ノ門に行く用事があったのですが、以前、この界隈で勤務していたときに、ランチで利用していた店がいくつかあった、外堀通りの南側が、すっかり空き地になっており、再開発が行われていました。
画像は、この貴重な都心の空き空間を、今のうちに記録しておこうと、スマホで撮影したものです。
この「虎ノ門一丁目東地区再開発事業」により、この場所には超高層ビルが建設されるとともに、虎ノ門駅前広場が地上と地下につくられ、歩行者用通路も同じように地上と地下に整備されるようです。
虎ノ門駅は、以前の駅構内は地下鉄駅屈指の狭隘さであり、外堀通りは霞が関と新橋を結ぶ歩行者のメインルートのため、地下から地上にあがっても、人通りが非常に多く、
加えて銀座線自体が渋谷と霞が関界隈、さらには日本橋界隈を結ぶ、有力な代替ルートを持たない都心の大動脈であるにもかかわらず、車両の大きさや編成両数に制約があって、日中でも車内は非常に混雑しているため、できるだけ利用しないようにしていたことを、思い出しました。
駅構内は、すでに周辺の再開発でだいぶ広くなっており、この東地区の再開発が行われることで、駅空間は快適になりそうですが、銀座線のキャパがないので、むしろ混雑が一層激しくなるのではと思います。
銀座線は本来、郊外から都心に乗り入れる鉄道会社が相互乗り入れするには垂涎のルートだと思いますが、丸ノ内線同様、電車を動かすための電気供給方式が、他の鉄道会社と異なり線路に併設されているため、乗り入れが行われていないことで、何とかなっている感じで、これで乗り入れていたら、大変なことになったと思います。
それにしても、森ビルというのは、長期戦略でものを考えて、都心を作り変えているんだなと感じます。
東京都心の、細かな路地まで店舗やビルが林立している場所において、思いや愛着のある一人一人の地権者と交渉し、少しずつ、土地を買収していき、長い時間をかけて、都心の1区画をすべて買い取り、再開発を行う、
当然、そこには賛否両論はあるのでしょうが、企業として未来に明確なビジョンを持ち、場合によっては世代を継いでも事業を継続できる組織なればこそ、こうした再開発が実現できるのだろうなと思います。
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