指輪物語

 日本では20年ぐらい前に「ロード・オブ・ザ・リング」として3部作の映画として上映された、J・R・R(ジョン・ロナルド・ロウエル)・トールキンという英国の作家が書いた「指輪物語」という長編ファンタジーがあります。僕は中学生の時にドラクエからファンタジーの世界に足を踏み入れ、近所の書店でファンタジーの世界の武器や防具、種族、天使や悪魔、神などが紹介された「R.P.G幻想事典」なる入門書を手に入れて熟読し、そこに「指輪物語」こそが、現代の世界のあらゆるファンタジー作品やボードゲーム、RPGの世界設定の原典として紹介されていたので、高校受験前でしたが読み始めました。当時の評論社の文庫は、通常の文庫本に比べ非常に字が小さく、言語学者のトールキンが、自分の創作した言語を使うために創作した世界が舞台であり、前提知識をある程度詰め込まないと、話の展開についていくことができない作品でしたが、何とかそこを乗り越えると、逆に現実世界と切り離され、歴史や言語まで緻密に設計された「中つ国」ワールドにどっぷり漬かることができて、すっかり虜にされてしまい、自分の創作意欲も刺激されて中世的パラレルワールドの地図を描き国家を分立させ、そこで起こる物語を書いたりしていました。今で言えば「中二」的な生き方を高校時代までしていたことになります。指輪物語も映画化されて人口に膾炙し、読みやすくなっているようですが、僕の人生に影響を与えた指輪物語と言えば、あの異常に文字の小さい、文庫本だなと思います。

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