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親も答えを見ないで採点する
先日、子どもが漢字の問題を解く際に、もしかしたら答えを見てしまったのではないかという疑念を、妻が抱いたようで、それで子どもとの間でちょっとした喧嘩になっていました。出来過ぎなのでおかしいということのようです。
まあ、僕も正直、日ごろのテストの出来からすると、出来過ぎなのかなと思うこともあり、答えを見ないで、ズルをしないで問題を解いてほしいという、親としての心配も分かります。
でも僕としては、「そもそも答えを見られる環境を作ってしまった親にも責任があるのでは?」という思いもあります。
子どもとしては、親に採点をしてもらっている以上、良い点数だと思われたいという心理は働くでしょうし、わからない問題が出てきたとき、答えを確認するという行動はある意味で自然なことでもあります。
もちろん、楽をしたりズルをしたりした結果の責任は、自分に返ってくるわけなんですが、大人であっても目先の問題を回避するために、ある種のズルをしてしまうことは少なくないわけで、子どもにそこを求めるのは、なかなかきついように思います。
僕自身は、子どもに勉強を教えるときは、自分でも模範解答を見ないで、採点をするようにしています。それにより、問題の難易度が実体験できるので、どれが今の息子の実力に対し落としてはならない問題なのか、逆に捨て問の難問はどれかがわかり、子どもにリアリティをもって教えることができます。
これは、一緒に問題を解いていく時が、一番効果的ですね。例えば、自分でも悩ましい、歴史や地理の細かな知識を問う選択肢の問題を解くときなどは、地理や歴史の教科書をめくりながら、答えを探すようにすることで、周辺知識も手に入りますし、正答以外の選択肢についても、どう改変すると正しい答になるのかを確認することは、勉強になります。
これだと、英語や数学の場合、実は正答は別だった、というようなことがたまにあるのかもしれませんが、親が答えを見ないで答え合わせをする姿を見せることで、子どもも見習うようになれば、家庭学習における多少の採点あやまりは、致命的なものにはならないでしょう。
とはいえ、妻の教育方針や心配も理解しており、無理に押し付けるつもりもありません。家庭での教育は、親が互いに役割分担し、協力し合ってこそ成り立つものだと感じています。妻が疑念を抱くことに敏感になるのも、子どもの学習に関わっている証拠ですし、その気持ちには寄り添いつつ、僕は僕なりの教え方をしたいと思います。