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愛しのロマネスコカリフラワー
最近運転免許を取得した。家のトラクターを運転するために頑張ってMT車で取得したのだが、トラクターはAT免許でも運転できたかも…。
まぁ、軽トラックもあるし、MT車の運転は楽しかったから良しとしよう(逆にAT車に慣れるまで大変)。
さて、今回は、私の趣味の一つである、野菜の栽培と、アイコンにしているロマネスコカリフラワーについて書こう。(今回、栽培方法の伝授は趣旨ではないので、栽培方法が知りたい人や、この記事を読んで自分も栽培したくなったような人は別のサイトをあたってください)。
プロローグ
トラクターがあることからもわかるように、私の家は兼業農家である。幼い頃から田植えや稲刈り、他様々な野菜の収穫を手伝ってきたことから、野菜の栽培経験は少しだけあった。しかしながら、自分で1から野菜を育てるという経験をするのは中学生になってからである。
中学時代以前も、幼稚園や小学校でサツマイモやアサガオ、ホウセンカ(鳳仙花←かっこよくない?)を育てたことはあった。しかし、やったことと言えば種をまくことや苗を植えること、そして収穫することくらいであった。私も周りの友人も、水やりは農家の方や用務員さんに任せっぱなしである。
収穫後、先生方が
「みんなが育てた(花、野菜)ですよ。」
と言う中、「俺何もしてないけどな」と言いたくなるも、自分で水やりをしなかった怠惰さがその欺瞞の原因なので、そっと言葉を飲み込んでいた。
読者の皆さんも経験があるだろうか。
中学時代 受け取る熱意
中学時代、私は科学部に入部した。科学に特別興味があったわけではなく、活動が楽そうだったからである。毎日活動しなくちゃいけない規則や雰囲気もなく、活動自体も工作したり、きままに動物や植物育てたり、やりたい科学実験があったら計画立てて好きにやる程度の緩い、自由(奔放)な部活であった。当時私は、部活動はテキトーに済ませようと思っていたうえ、幽霊部員も多かったので、そうなってもいいか、くらいに考えていた。
しかしながら、存外、熱中してしまった。というより、熱中していた人に出会えて、その熱が移ってきたのだ。2年生の頃は、ヤモリやトカゲなど爬虫類が好きで飼育に情熱を燃やす先輩に感化され、彼についてゆき、ヤモリの餌となるクモを採ることに精を出していた。私はかつて「第四回 『カッコイイ尊敬できる先輩が沢山いる』」に書いたように、何かに熱中している人の熱を感じ取る能力が高いらしい。
3年生になり、今度は野菜の栽培に力を注ぐ後輩に出会った。彼との出会いのきっかけは覚えていないが、ネットミームを愛する心など、気が合う部分が多かった。彼は実際に自分で野菜を栽培して自然を感じるのが好きらしく、家が農家ではないが、農家を目指していた。草むしりをしつつ彼と様々な話に花を咲かせる中、追肥や収穫などの時期には真剣に、かつ楽しく農作業に汗を流していた。
彼の農作業への姿勢を見る中で、私は自分でも何か野菜を栽培しよう、と思い立った。そこで私はジャガイモを栽培した。そのことを農家である祖父母に話し、種イモの下ごしらえなど指導を受けつつ、科学部の畑に植えた。数か月後、有り余るほど大量にジャガイモが採れた。
その後科学部の畑で採れたトマトやニンジンと一緒にカレーを作り、部員たちで食べたのはいい思い出である(というか、これを計画してジャガイモを栽培した)。
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黒、赤、青のボールペンしかなかった。
ここまででも野菜の栽培が趣味になるのには十分なようである。しかし前述した爬虫類の飼育は趣味にならなかった(爬虫類を見たり触ったりするのは好きですが、飼育は自分に合いませんでした。例の先輩、ごめんなさい)。野菜の栽培には、もう一つ、決定的な魅力があったのだ。これに気付くのは高校生になってからである。
高校時代 逆張りオタク御用達野菜
某疫病の蔓延により、高校1年の対面授業は6月からとなった。部活動もそこから始まるわけで、某日、生物部を尋ねた。あの爬虫類好きの先輩がいる。またその先輩と部活動をやりたい、と思っていた。先輩はウォータードラゴンやカーペットパイソンといった中学時代よりも増して珍しい、そして多種多様な爬虫類、両生類を見せて、触らせてくれた。それはとても楽しい思い出だったが、私がやりたいことは別にあった。野菜の栽培である。
生物部室の横には畑があった。草刈りや土壌改良をしつつ、何を栽培するか悩んでいた。中学ではジャガイモという良くも悪くもありきたりな野菜を栽培したから、今度は珍しい野菜を栽培したい。そう考えて、次のサイトにたどり着いた。
3:ロマネスコ に心惹かれた。不思議な幾何学模様、おいしそうな薄緑色、早速Amazonで種を買ってもらった。(「スパイラル」という品種がおすすめです)。
ポットに種を植えて、ある程度成長したら畝を作って植える。時々水や化学肥料を与えつつ、成長の様子を見守った。葉っぱに日が当たっているだけでも嬉しくなり、ある友人からは「母性がにじみ出ているね」と言われたこともある。そうしているうちに収穫の時期(12月)になった。
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育苗土である程度育ててから植える。
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夕暮れ時撮影
太い茎をハサミで切る。水があふれ出した。それを見た瞬間、野菜に秘められた命が実感となって現れた。
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この「命」を、私が、育てたんだ…。
最低限の自信
子供は大人になり、お金を稼ぐようになる。それは物やサービス、労働力など何かの「価値」を生み出して生きることである。そんなことが私にできるのか、何か「価値」を生み出して食っていくことが私にできるのか、幼い頃から子供ながらに不安であった。少し自信があった学校の勉強も、それが当時の時点で実際にお金を稼ぐことに結びつかないことが心もとなかった。
それでも、私は、この「命」を育てることが、できたのだ。労働によって果実(花つぼみだけど)を得ることができたのだ。これが私の最低限の自信となった。その自信を勝ち取ることができるのが、私にとっての野菜の栽培の決定的な魅力である。
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アイコン
私にとってロマネスコカリフラワーは労働によって得られた果実、そしてそれに伴う自信の象徴である。創作垢のアイコンを決める際、ライター活動も、そういうものになるといいな、という想いで自分が栽培したロマネスコカリフラワーに決めた。
今回はこれくらいで終わりにしよう。
追記
そろそろ企画している小説の告知を出せるかも…
あくまで予定は未定ですが。