「南総里見八犬伝」の作者である曲亭馬琴とその息子の嫁で馬琴が両目の視力を失った後に「八犬伝」の口述筆記を行いその完成に尽力した路(みち)の評伝劇である。
公式サイトにあるあらすじによると以下のようなものとなる。
気難しくてわがままな気質。版元が送り込んできた口述筆致の専門家を次々と追い返してしまい、この遠大なる小説を完成するのはもはや不可能と関係者が皆考えていた苦境を救ったのが、早世した息子の嫁で、息子が亡くなった後も、滝沢家に残って、こちらも我儘な老いた義母の世話をしていた路だったというのが面白かった。
演劇作品としては劇中劇として「八犬伝」の名場面が挿入され、口述筆記から馬琴の語り、劇中劇とつながっていく、スペクタクルな展開が単なる会話劇を超えて、舞台を楽しめるようにしていた。