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教科書に載っていない⁉~発達障害について知ろう~①
■この記事のスタンス
発達障害について、本やネットの記事は本当に増えましたね。
でも、だいたい書いてあることって同じじゃありませんか?
診断基準や、傾向と対策…
間違っていないけど、いまいち全容がつかみにくい…
そんな風に感じている方に、この記事を読んでもらえたらと思います。
教科書の表現ではなく、私自身の体験、支援を通して分かってきたことを
私のコトバで書きたいと思います。
・・・自己紹介がまだでした。
改めまして、こんにちは。
当事者支援者の「しもまり」です!
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この点、ご了解いただければと思います。
■発達障害とは?
色々な診断名はさておき、
ザックリいうと、「脳」に関する障害です。
脳には、感情コントロールや、注意力、時間の感覚、未来予測、応用…
といったコミュニケーションや作業をするうえで必要な機能が沢山つまっています。
発達障害だから「コミュニケーションが苦手・できない」と、イコールではないですが、脳の中でもコミュニケーションに関わる部分に障害があるため、「苦手になりやすい」「ずれが生じやすい」というのも事実です。
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発達障害は、
生まれつきの「脳の機能」の問題です。
※補足:虐待による脳の変質で発達障害のような症状が出ることもありますが、今回はこの件には触れません。
気合いだけでは解決しません。
周囲と本人の自覚、工夫が大事です。
そして、沢山の経験を積むこと!
致命的な失敗は誤学習と自信喪失に繋がるので避けた方がいいですが、
安心できる環境化での失敗は成長する材料にもなり得ます!
「成長に繋がる失敗体験・経験」を色々と積めるのがbetterです。
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▶苦手なこと
臨機応変に判断して動くことや、バランスよく集中したり作業をスムーズに進めるのが苦手。
様々なことを「雰囲気から何となく学ぶ」のは苦手で【対価硬直】しやすい。(リハビリしないと体が硬くなるのと同じ)
なにかの習得に時間と努力は人一倍かかるが、元に戻ってしまいやすい。
ゆえに「現状から変化しよう」という気持ちを持ちにくい…。
という状態になりやすいです。
【わざわざ苦しくて大変な思いをしたくない…】と考えると当然の反応かもしれませんが…
「脳が機能した結果、支障が出た状態」は誰にでも起こることだけど…
診断がつく人は、
環境や経験値に左右されやすい
経験値が積みあがりにくい
応用する力がとても弱い
という特徴があります。
ロールプレイングゲームに例えるなら、
容易に「状態異常」になる
1戦ごとにGETできる経験値、がノーマル状態の1/5
経験値を挙げるシステムが他の人と違う
➡少ないPOINTをPM?HP?攻撃力に割り振っていかねばならない
➡属性がマニアックすぎて、得たポイントを経験値として投入できないことが多い…(コスパ悪い)
という感じでしょうか。。。
ゲームのキャラも、全部のバランスがいいキャラは少ないですよね。
ある程度は、それぞれの特性に合わせて育成していくしかないですよね??
(現実世界にもチート級にな人はいますけど、比較対象にしちゃだめです)
▶得意なこと
色々ありますが、敢えて書かないことにします。
ゲームの例えでいえば、
どんなクセのあるキャラも、うまく育成する、使う場面をうまく切り替えれば戦力になる。大器晩成型の凄キャラもいる。
という感じです。
何をもって「得意」とするかは判断が難しいです。
得意だから良いわけではないし、楽しいとは限らない。
得意な作業だから長く続くとは限らない。
苦手な作業だからできないとは限らない。
発達障害は「得意を伸ばして…」とよく言いますけど、安易な解釈には賛成しません。
▶「発達特性」は誰にでもある
全ての人が発達障害の特徴を持っています。
何となくわかってきたのに、ここで一気に「なにそれ?」となりましたか?
それでいいんです。
すごくわかりにくくて、言い訳にもできるし、相手のせいにもできる。
だからこそ、一度テキストを読んだだけでは分からないのです。
▼特性について書いたnoteがあるので、良かったら参考にしてください。
■なにをもって障害というか?
何かの理由によって、
「生活や社会参加に支障をきたす状態」が続いている
障害によって生じることが原因で、社会参加の「障壁」になっている
「症状、特性」が障害物、障壁になって、うまく社会参加できない状態がずっと続いていること。
※社会参加…生活する、人と何かをする、仕事をするなど…
「もしかして?」と気づくタイミングは人それぞれです。
多くの場合は成長過程で発見されますが、大人になるまで気づかれないことも多々あります。
精神疾患になって、受診先で発達障害と診断される。(ストレスから不登校や引きこもりになるケースもある)
周囲から発達障害(の可能性)を指摘された。
自分から違和感を持って受診したら診断がついた。
まずは、何に困っているかを本人や周囲が理解することが第一歩です。
■発達障害って決まるのはどの段階?
診断を出せるのは医師だけです。
だた、診断名はあくまで治療をしたり、医療機関を利用するために必要な便宜上の定義づけにすぎません。
解決しようのないくらい困っている状態であれば、
「発達特性が強い」可能性は高いですね。
ただし、傾向が強くても障害にならない人もいるので、ややこしいです。
発達障害ではなく「発達凸凹」「発達症」という専門家もいます。
私は「発達障害」というくくりだけで考えることに、そもそも無理があると考えています。
■障害者手帳をとった方がよいの?
障害者手帳は、支援をうける時のパスポートみたいなものです。
就労場面ではとくに、障害者雇用枠で働く場合に必要になります。
でも、診断名がついていても障害者手帳を持っていない人もいます。
障害者雇用枠で働いていない人もいます。
「どうしてもうまくいかない時」
「医療や福祉の支援を受ける選択肢を考えた時」
自分が必要だと思えば、選択肢を増やすために取得すればOKです。
明確な線引きがないため「気づかれにくい」
適切な診断、あるいはアドバイスができる医師が少ない
ということも重なり、苦労している人は沢山います。
なにせ、苦手なことでも周囲と同じような対応や完成度を求められるので、
本人の負担はかなり大きいです。
周囲は結果だけみて「頑張ればできるんだから」というので、本人の孤独感、自信のなさは増していきます…
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これらのことを、
短い診察場面や本人の言動だけで障害かどうか判断するのは難しいです。
日々の様子を知っている支援者が「障害かも」という感じる程度でも、
「医師から見て」障害に見えなければ診断はつかないんです。
本人が上手く困りごとを説明できず、正しく伝わらない
掘り下げて診察できる医師も少ない
という現状もあります。
障害者手帳をとるかどうかより、まずは、
「本人が困って、なんとかしたいと思っているかどうか」が大切です。
困っていると認識することで、
対処方法(工夫)を考える。
具体的に医師や支援者に伝える。
必要性を、本人が実感するようになります。
自覚している人は、「どうやったら伝わるか」を一人ではなく家族や友人、支援者と一緒に考えて動いていく、第三者の視点も入れること!
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■まとめ
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でも、それが正解です!
当たり前のようで教科書にはあまり載ってない。
診断基準とか詳細を気にして置き去りしやすい部分について書きました。
「発達障害」の世界は奥が深くて迷宮のようです。
学びを深めていくと、見たくない自分が見えてくることもあります。
自分にも少なからず「特性」はありますからね…
自分事として考えていくと、居心地が悪く悪くなることもあるでしょう…
「発達障害」という言葉だけが独り歩きして、
なんだか特殊、奇異な存在という印象が広まっています。
発達障害について知ろうとすること
自分以外の存在について知ろうとすること
この2つは同じことです。
明確な「解」を求めてこの記事を読んだ方には申し訳ないですが、
モヤモヤしつづけて、考えて、話して、理解しようとして、確認していく…
これしかないんです。
ただし、話をしたり、理解する、確認する時に知っておいた方がいい視点について分かっていることはありますので、今後の回で書いていきます。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
▼ご意見やご質問、コメントなどはこちらまでよろしくお願いします。
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▼ざっくり教科書的な説明はこちら▼
※一部、重複するスライドもあります。