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【21】 臨時教育委員会・住民説明会出席「天の事務局の言う通り」

請願事項
教育委員会主催、教育委員出席による住民説明会を、早急に開催してください。

【吉崎教育総務課長】住民説明会は、今年度におきましては限定された地域になりますが、5月25日、6月1日の2回実施しております。また地域を限定しないものとして6月30日に実施いたしました。教育委員会は、構成する各教育委員会の合議により、行政方針やその他の重要事項を決定する合議体であり、説明会は教育委員会で決定された方針に基づく具体的な事務の執行であるため、教育委員皆様の出席は考えていないというところです。

ここで、初めて農﨑隆子教育委員が発言を始めた。

【農﨑隆子教育委員】教育委員をして3年になります。よく教育委員会主催の住民説明会には、なぜ教育委員が出席しないのかということはよく言われ、私自身も、「出向いてもいいのにな」っていう思いもありました。それは勉強不足だったんですね。今日、事務局からも説明がありましたように、やはりこの場で決まった、みんなで意見を出し合って熟慮した中での結果なので。私一人が意見することではないんだなということを、改めて勉強させてもらってます。前回の30日の説明会議事録についても、教育部から説明を受けてちゃんと読んでおり、その上で今日、請願者の方に来ていただいて、切なる願いをとても重く受け止めていますが、申し訳ありませんが、教育委員の出席は考えていないという事務局の考えに同意したいと思います。

すげー偉そうだな、というのが第一印象だった。ろくに勉強していないのにプライドだけは高く、住民を見下している感じがありありとした。

ショート動画にもつくったけど、「レイマンコントロール」、つまり専門家だけに任せると偏るので、専門家の考えに偏らず、一般市民のニーズを教育行政に救い上げるという教育委員の役割を、この人は完全に見失っている。「教育部から言われたことを勉強と呼び、同意し続けるのが教育委員会の役割だったら、誰一人要らないんだよ」と私は思った。

私たちは教育委員の人たちに、ただただ住民説明会に来て、私たちの声を聞いて欲しかった。なんでそれがだめなんだろう。上の立場にある教育委員が「出向こう」と思うなら、それを教育部が制止するなんてできないはずだ。なんなら教育委員としてではなく、一般参加者としてでもいいから、来てくれないのか。どれだけの人が、どれだけの熱量で、どれくらい反対しているのかを知ることは、偏らない決断をするために必要なことではないんだろうか・・・

こんなわけで、こうして私たちの請願はすべて否決された。すべてが終わったと思ったとき、村井弥生さんが、教育部にむかって話し始めた。

【村井弥生教育委員】中断はできないという事務局の意見なんですが、じゃあ中断しないなかで、令和9年4月開校に向けて、今、請願のあった何と何と何を進めていかれようとされようとするのかということを教えてください。

このときだった。頭が真っ白になった。我慢できない声が漏れた。私だけじゃなかった。

「否決したよ! 今、自分が否決したやん!」
「おかしい! この方は、自分がしたことがわかってない!」

村井さんは目を大きくした。本当に何もわかってなかったんだと思った。彼女は最初の議決のときも、「今、賛成とか反対とか言えない」と言った。つまり、自分たちは賛成しないけど、教育部のほうでできるものは進めてほしいという考えだったのだ。でも、教育部が、教育委員会が可決しないものをやるわけがないじゃないか。教育部にやってほしいなら、教育委員会が可決しなきゃいけないじゃないか。当たり前じゃないか、意志決定機関なんだから。教育部が意志決定機関じゃないんだから。それさえわからずに、議決をしてたの? なんで? なんで?

【吉崎教育総務課長】現段階ではですね、実施する予定はないものでございます。この代わり、内水浸水がどう起こってくるのかというところをしっかり、それに対する具体的な対応をどうやっていくかという検討を、合わせて進めていきたいと考えておるところでございます。

吉崎教育総務課長の無機質な声が痛かった。村井さんを責めても仕方ないのはわかっていた。村井さんは良心の人なのだ。教育部からさんざん、「令和9年の開校に間に合わなくなる」と脅されて、盛土以外でも開校に間に合わせる方法はあるのに、それを調べる力もないから、そのまま否決した。それだけの、心優しい人が、傷ついている目をしていたのに、私も傷ついた。

先ほどの農﨑さんのような、鼻持ちならない勘違いの人は論外だ。でも、心優しいだけでもだめなのだ、ちゃんと勉強してくれないと。教育部を叱りつけてでも、教育委員会の方向性を示してくれる人じゃないと。

「ありえん」
「ありえんわ・・・」

傍聴席がざわめく中で、田中さんが話し始めた。

【田中一郎教育委員】決をしましたが、私たち教育委員としてはですね、請願の趣旨を踏まえてですね、検討してまいりました。で、どうしてもこれは中断に結びつくためにこういう結果になりました。ご不満に思われると思いますけど、教育委員としても、今の学校の現状、保護者、先生たちの声を聞いて、大変な状況なんです。災害が起こったときに大規模校は大変です。だから、地域住民の命を軽んじてるとか、そういう意味ではありません。

「いやいやいやそうやろ」
「それ以外、なんですか!」

【田中一郎教育委員】私たちは要望としてですね、当局に対して、水害に対する対策を、今後できる限り行なって、地域住民の不安を取り戻すように要望していきたい。地域住民の意見を聞きながら。

「聞きに来ないでしょ!」

【田中一郎教育委員】また今回はこの学校がですね、建設されたら、地域住民の防災の拠点となるようなんです。

「陸の孤島にですか!」
「ふざけてますか!」

【田中一郎教育委員】いろいろありますけど、教育行政のなかで私たちができる・・・今、請願者の方が「心が大事だ」ということを聞いて、それはもう十分に。それと教育説明会についてもですね、教育行政のトップである教育長が不在です。だからそういう面もですね、早くトップをつくってくださいと要望していきたいと思っています。これからも対策とかそういう面について要望していきたいと思ってます。

【農﨑隆子教育委員】すみません皆様が心配なさる気持ちがすごくわかりません。すいませんが、私たち教育委員は、学校教育そのものに関して、物事を考えている機関ですので、すみません、ちょっとご期待に添えません。

【青木一乗教育長代理】皆さんの要望と学校、子どもたちの未来のことを両方進めていけるような建設につながっていけばいいと考えておったのですが、今回の請願を受けまして、やっぱり住民の方々の不安は大きなものだとよく理解できました。しかし、行政としてはですね、すでに相当の金額を使い込んで、途中でやめるということができない。今後、教育委員会として、皆さんの不安をどう乗り除いていくのかということについて、話を進めていきたいなというふうに思っておりますので。本当に私の力不足でこういう混乱を招いた一つの要因だろうと思いますが、ご了承願いたいなと思うところでございます。

「願えるか!」

そのあとは市民たちの訴えタイムになった。途中で教育委員たちは退席し、その背中に、

「給料ドロボー!」

と叫ぶ声もあった。私はそんなこと思わないけど、でも本当に一刻も早く、やめたほうがいい人たちだと思った。本当の黒幕は、別にいる。平時ならまだいいのかもしれないけれど、学校をつくるという一大事にはふさわしくなかった。

  • 農﨑隆子さん「教育について考える機関だから期待に添えない」ってさ。勉強不足を棚上げして、どこまで偉そうなんだろう。

  • 田中一郎さん 人のいいおじさんかもしれないけど、わざわざ宗像から来てもらう意味を感じない。

  • 青木一乗さん 僧侶として、どう今回の決定を受け止めるんですか。いのちを軽視したこの決定を。

  • 村井弥生さん 上品な物腰に、最後まで同情が残った。

村井さん、がんばってくれたのはわかってる。でもあなたでは、ふさわしくない。恨みたくないのです。せめて早く、やめてください。4人とも。








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