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【5】 議事録、録音、申出書まで「ない」の衝撃

R6年1月〜2月は、できるだけ多くの住民にこの現状を知ってもらおうと、佐伯議員が中心になって、たくさんのイベントを開いた時期だった。




どのイベントも盛況で、地域住民の方々の関心の高さをうかがわせた。誓って言うけど、佐伯議員はこの先生方が、今回の建設に反対してくれそうな人だから呼んだのではない。近くにいる河川の専門家ということで来てもらった。それでも、どの先生方に聞いても、福津市の学校建設は「あり得ない」と口をそろえた。中には、「ここは学校以前に、人が住んではいけない土地」という先生もいた。この先生方は、実際に自治体が公共施設をつくるときの指南役にもなってきたということもわかり、やはり通常はこういう人たちを入れてやるんだなと改めて実感した。市長も来てはくれたが、頭に入ってるのか怪しい印象。住民が耳の痛いことを言い始めると、居眠りを始める後ろ姿が印象的だった。すごいメンタル。

この時期を少しすぎたころ、ものすごい事実が発覚する。それは・・・「教育委員会の議事録が存在しなかった」ということである。「なぜ市は、高潮、ため池、洪水という3つの浸水想定区域を校地に選定したんだろう」という最大の謎。これを解くために必要な教育委員会の議事録、これが「ない」というのだ。どういうことかというと、

ここにあるR3年の6〜11月にかけて6回の議事録、

https://www.city.fukutsu.lg.jp/soshiki/kyoiku_somu/kikaku/1/1/14387.html

このうち、学校建設に関する部分「だけが」すっぽり抜けていたのである。実は市民はこれまで教育部に対し、この部分の議事録公開を何回も申請し、そのたびに「土地の選定に関わる部分だから、非公開」だと言われてきた。「学校の場所が特定されると、不動産屋さんが動いてしまうから」という理由だった。

しかしその後、選定された土地が公表される。そうなると、「もう公開してもよくない?」となる。それで再度、議事録の公開を申請するのだが、そのとき初めて「ないんです」ということになったわけだ。「え・・・じゃあ録音データは?」というと、「それも、ないです」。え・・・ない? だって教育委員会って、教育に関するいろんな話をするわけで、それで学校建設に関わるところだけ、「はい、録音消しますねー」としたんだろうか? 不自然すぎる。それに、もし本当に「ない」んだとしたら、なぜこれまで「土地の選定に関わる部分だから非公開」と言ってきたんだろう?  謎すぎるのだ。

さらにまた判明するのが不思議な出来事で、申出書まで「ない」、というのである。申出書というのは、教育委員会が教育財産を取得するとき、市長に対して、「〜を取得してください」と書いて出す書類のことだ。これ「すら」ない。

議事録も
録音データも
申出書も「ない」

つまり校地選定に至るまでのプロセスがわかるデータが、ひとつもない。後に確かめることができるなんの根拠もないままに、8億円もの金が土地代に消えた、という衝撃に、私たちは吹っ飛ばされた。それで市民の一人が、審査請求をする。「こうしたデータがないのは、おかしくないですか?」。それに対する審査会の回答も奇妙すぎた。なかったとしても、「妥当だ」というわけである。

https://www.city.fukutsu.lg.jp/material/files/group/12/20240405_joho_03.pdf

え〜〜〜〜、自治体、普通、そんなことせんし! しかもそれを「妥当」って認める審査会って何? もう、何も信じられない。全機関あげて隠蔽上等? ありえない福津市の実態をここに見るのである。

そうこうしている2月29日、私たちが首を長くして待っていた、「盛土によって、学校周辺地域がどうなるのかの最大浸水深シミュレーション」がようやく出てきた。その結果に、私たちはまたのけぞる。


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