見出し画像

【18】 臨時教育委員会で全否決、でも負けない

流域住民14人が、主に3つのことを求めた今日の請願ですが・・・

  1. 多段階浸水想定 盛土造成前に比べて盛土造成後、どのくらいの降雨量のときに周辺地域の「浸水」が始まるようになるのかを教えてください。これは、内水浸水想定ではわからない情報です。専門業者に依頼して、「宅地造成後(小学校未整備)」と「学校造成後」に分けた手光今川・道辻川周辺地域の浸水想定を、年超過確率別に多段階でお示しください(多段階浸水想定)。

  2. 学識経験者を検討に交えること 利害関係のない第三者である河川、土木、建築等の学識経験者を交えた検討委員会をつくり、周辺地域への浸水被害を増大させないで済む工法はないか、検討してください。またその検討結果を、開示してください。

  3. 住民説明会に教育委員が出席すること 教育委員会に利害関係のない第三者である河川、土木、建築等の学識経験者を招致して、周辺地域への浸水被害を増大させないで済む工法はないか、検討してください。またその検討結果を、開示してください。 

撃沈でした。実はあまり予想してなくて、どれか一つくらいは聞き入れてもらえるものと思っていました。だってどれを取っても、「当たり前」のことだからです。「むしろこれ、してないほうがおかしいよね?」っていうことを、ちゃんとしてくださいってことだったからです。ショックで呆然となりました。でもだんだんと元気が出てきました。戦いはまだ続くっていうだけです。

今日の臨時教育委員会は、新聞3社、テレビ1社も入りました。最初はカメラを入れちゃいけないと教育部が言い出して、しかもそれを「住民が納得しないから」という意味のわからないことを言い出して、本当に辟易する始まりでした。報道の自由は憲法でも、最高裁でも認められていることなので、最後は認めてもらいました。福津市教育部はどこまでも隠蔽体質。

▼ RKBのニュース映像

▼ Yahooニュース

最初に地点9に住む蔵本くんの陳述から始まりました。蔵本くんから原稿いただいたので、掲載します。

ーー

地点9に住んでいます、蔵本と申します。このたびは、陳述を許可してくださり、ありがとうございました。私の言いたいことはほぼ請願書に書いたので、そのほかで皆さんにお伝えしたいことを考えました。

私は北九州出身で、福津市に住み始めて15年、地点9に住み始めてからは3年ほどたちます。ここは会社も近いですし鉄筋造りで家賃もお手頃だったので、軽い気持ちで契約しました。私の趣味は車なので、駐車スペースが十分あるのも良かったです。

この学校計画を知ったのは、市民のみなさんが配布しているチラシを見たのが最初でした。読んでみると大変なことが起きているとわかりました。一番浸水が悪化する地点9の住民に知らせないまま、自治体がそんな決定をするなんて信じられなかったので、始めは嘘じゃないかと思っていました。そのあとのチラシで、もう盛土が決まってしまったとわかって唖然としました。
お年寄りも小さな子どもたちもたくさん住んでいるこの場所が、最大1m以上浸かる場所になるということ。教育委員会がそれを決め、市が議会に提案し、市議会議員がそれを賛成多数で承認したということ。今まで住民を守ってくれると思っていた自治体というのは、幻想だったと思いました。

5月25日の住民説明会についても、自治会に加入していない私の家には知らせが来なかったので、ネットで検索し、参加しました。盛土を決定したあとに住民説明会って、順序が逆だろと思ったし、参加しても意味ないと思いましたが、こんなひどい計画を、自分のなかにどう落とし込めばいいのかわからなくて、落とし所がほしかったのです。

そのあとのことは、請願書に書いた通りです。私たちがお願いした家財補償、多段階浸水想定、学識経験者、すべてが住民説明会で「できない」と言われました。もう引っ越すしかないなと思いました。でも周りは引っ越せる人ばかりではありません。だからこれだけは、この計画に最も責任を負っていらっしゃる教育委員会の皆さんに、おうかがいしておきたいと思いました。

行政が、周辺地域の浸水を悪化させることがわかっていながら「あえて」その方法を選び、より悪い環境を住民に押し付けるなんて、私はあってはならないことだと思うのですが、皆さんがそうしてもいいと思われる理由はなんなのでしょうか?

子どもたちのために、一刻も早く学校が必要というのはわかります。私たちとしても、もし河川、土木、建築などの学識経験者が、「いろいろ検討してみたけど、もうこの方法しかありません」と言うのならば、まだ納得しようと努力もできます。だけど今回の計画は、そうした学識経験者を入れずに進められてきました。その状態で「盛土しかない」と押し付けられ、私たちはどう納得したらいいでしょうか? 皆さんや皆さんのご家族が同じ目に遭ったとき、皆さんなら納得できるんでしょうか?

今月はじめの7月1日に線状降水帯が降り、私の家の前は、このような状況になりました。朝6時から9時までの3時間で、95mmの雨が降り、それだけで家の前の用水路からは水が溢れ、学校予定地が浸水していました。盛土が行われれば、この水は今度は私たちの家を襲うようになることが実感としてわかりました。正直言って、こわかったです。それでもここに盛土するしかないということであれば、私たちが沈んだり、大切なものを失ったり、最悪死んだりしてもしょうがないと思うに足る、根拠が欲しいのです。そのために、学識経験者を入れて検討していただきたいのです。

また、文科省は令和5年5月、「水害リスクを踏まえた学校施設の推進のための手引」を策定しています。ここで文科省は、「一般的な建築物の使用期間に経験する可能性が高い浸水深等を把握するため、想定最大規模降雨の洪水浸水想定区域図だけでなく、計画規模降雨による洪水浸水想定区域図や、浸水実績(市区町村が公表するもの等)等に加えて、より頻度の高い浸水想定(例えば、年超過確率 1/10、1/30、1/50、1/100)等も収集する。その上で、対策目標浸水規模を多段階で設定することが重要である」と言っています。

・・・要は浸水想定区域に学校をつくる場合、多段階浸水想定を出すことは文科省の意向でもあり、学校に通う子どもたちの命を守るためにも、ぜひ福津市教育委員会として取り組んでいただきたいです。

6月30日に住民説明会がありました。教育委員さんたちに、話だけでも聞きにきてほしかったという声が大きかったです。これは教育委員さんたちを責めたいのではなくて、皆さんが重大な決断をするときに、私たちの顔を思い浮かべてほしかったからだと私は思います。確かに地点9には、約60世帯、百数十人しか住んでいません。けれど、ここに住む人の数だけ、大切にしているもの、うれしいこと、いろんな毎日がこの場所に流れています。数が少ないからと、大きな事業のためだからという理由で、私たちの生活を脅かさないでください。危険にさらすのは、やめてください。

私たちの顔を、忘れないでください。

午後くらいまで、私は腹を立てていたんだけど、もうおさまりました。腹が立つとは、期待していたからです。教育委員さんたちといったら、ずっと教育部に質問し、教育部に言われたままに、「あぁ、そうですか」と議決していく。わかっていないのに、わかったようなふりをして、支離滅裂なことを言い、すました顔で議決する。本当に恥ずかしい姿だったし、この教育委員さんたちには、期待のしようがないと気づきました。

教育長代理の青木一乗さんは、「やめたい・・・」と漏らしておられたそうですが、本当にやめられたほうがいいと思います。10年続けた結果、トリプル浸水想定区域に盛土して学校。こんなに文科省に逆らいまくった、珍妙な学校をつくる結果になるなんて、ご本人たちの名誉に関わりますから。自分で調べ、自分の頭で考え、自分の意見を言う、主体的な人に座を譲ってほしいと心から思いました。

これは、彼らが悪いというよりも、行政に都合のいい人たちばかりが選ばれてしまう教育委員会の制度に問題があると思います。それはさておき、これに対する教育委員、教育部のやりとりはほぼすべて速記しましたので、また後日、掲載します。

市議会議員13人も、教育委員4人も、みんな大賛成の盛土。さあどう止められるんだろう。絶対絶命のピンチが続いてます、でもあきらめません、絶対に。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?