【8】 3〜5cm軽減に500万円?
盛土本契約決定後は、ちょっと放心状態が続いていた。そっか、盛土決まっちゃったんだという思い。住民説明会もなしに。いちばん被害を受ける地点9のみなさんが、ろくに現状を知ることもなしに。そんな中、R6年4月30日、議員たちに最終報告資料が配られる。
注目してもらいたいのは最後のページで、これまで1.1と言っていた地点9の最大浸水深は、1.15mと判明した(でも、本当は地点9の右隣が最も深く、1.28mだったことが佐伯議員の資料請求で発覚する)。
また教育部は、パターン5の軽減策も提示してきた。運動場と駐車場を30cm(2mから1.7mの盛土へ)下げることで、地点9の浸水深を1〜10cm下げるという(でもこれものちに虚偽だとわかる。3〜5cmだった)。
パターン5に軽減するために、再度設計を出さなきゃいけないということで、市は500万円の追加予算を出した。R6年5月13日、臨時の予算特別委員会が開かれた。ここでも同じ。賛成派の議員たちは賛成討論なく500万円の予算を通した。この議会はザルか。
悔しいので賛成議員と反対議員の名前、再度、全部挙げておく。もしあなたが福津市民なら、支持している議員がいないか、よーく見てほしい。
【盛土業者との本契約に賛成した議員13人】
大山隆之(維新)
中村恵輔(国民民主)
井手口忠信(公明)
倉元敏徳
福井崇郎
秦浩
石田まなみ(社民)
中村晶代(公明)
尾島武弘
豆田優子(市民政治ネット)
榎本博 ▶︎ この方は今は反対に回った
米山信
中村清隆
【反対した議員4人】
山本祐平
佐伯美保
岩下豊(共産)
戸田進一(共産)
でもここでちょっとおかしいのが、本当に500万円ものお金が、盛土をたった30cm低くするための設計変更に必要なのだろうかということである。そしてもうひとつ不思議なことは、今回の、”盛土後の洪水浸水想定区域図シミュレーション作成”、これは、今回の盛土事業を請負った小野産業から支払われているということだ。このシミュレーションには、500万くらいかかるのではないかと思う。今回、土木設計の変更のための500万円と相殺したのではないかという疑念も湧いてくる。
もちろん浸水は、1cmでも2cmでも下がったほうがいい。でも、今になってこうも思うのだ。たった3〜5cm、浸水を軽減するために500万円って、地点9の住民のみなさんからして納得いくことなんだろうか。その後、家財補償や引越し代を求める地点9住民に、市は、「払わない」「払ってほしいなら裁判を」と言っている。おかしいのだ。500万円使うならば、1.28mもある浸水深をたった3〜5cm下げるためよりも、住民への引っ越し代や補償にあてるほうがよっぽどありがたいことなんじゃないだろうか。
ちなみにちょっと話はずれるけど、そもそも今回の学校建設、土地代にも疑問が残るのだ。約2万5000平米のために全部で約8億円。1坪9万円くらいの計算になる。でも田んぼの土地が1坪9万円もするだろうか? 4000〜5000円がいいところではないだろうか。20倍近い金額で取引されている土地。もともとは40億円と言われていた学校建設が、今は79億円に跳ね上がっているのも、こうした様々なおかしな会計が積み重なってのことではないだろうか・・・
・・・さて、ようやく。ようやくである。2回目の住民説明会の流れに入っていく。R5年10月21日の住民説明会から、実に7ヶ月後のR6年5月25日、6月1日に会議は設定された。しかしそれは、宮司2区と宮司3区、2つの区に地域を限定したものだった。