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ハヤリスタリー【プロポ】221121
なぜだか、子どものころから、「流行っているもの」を敬遠しながら生きてきた。
もちろん、それなりに誰もが通るテレビゲームを遊んだり、初めて買ったCDがジャニーズだったりと、そんなに過激な人生を歩んできたわけではないが、「流行り」や「大衆」に対して警戒する気持ちはなぜか心にずっとあった。
今でもそれは変わらない。
最近流行りのテレビ番組や芸能人、アーティストの話は、ほぼよくわかっていない。
「個性的でアウトローな自分かっこいい」という思いがゼロだったかは断言できないが、そういう動機でこんな人間になったのではないと思っている。
子どものころは「なんとなく」だったが、大人になった今、言語化するならば、それは、
「大衆の一部となる恐怖」だと思う。
大衆の一部でしかない自分への恐怖、という感じだろうか。
自分が自分でなくなるような、そんな感じ。
別に、個性的な自分になりたいわけではなくて、何かの一部になりたくないという感情なのではないかと思っている。
数か月前にも、職場であるイベントがあり、それに向けて職員でおそろいのオリジナルTシャツを買おうということになった。
申し訳ないが、拒否してしまった。
みんなで同じ服を着るというのが、どうしても恥ずかしかった。
企画を否定したいわけでも、それに賛同している人を否定したいわけでもない。
ただ、こんな人間もいるということだ。
「人と同じ」に喜びや安心を得る人もいる。
日本人なら特にそうだろう。
しかし、「人と同じ」ことに、不安を感じる者もいる。
ただ、それだけのことだ。
しかし、自分を鑑みたときに、気をつけなければいけないなぁと思うのが、「流行り」「大衆向け」というだけで安易に切り捨ててしまう、ということだ。
そういうものの中にも、価値の高いものが必ずあるはずだ。
と、いうわけで、基本的に最近のヒットチャートに乗るような曲はあんまり琴線にふれないのだけど、むかしの曲ばかり褒めたたえるオジサンにはなりたくないので、この曲を今日は貼っておきたい。
正直、公式MVはいま初めてみたんだけども、このMVも含めて、「プロ」を感じる曲だと思った。
このバンドについては、これまで「有名な曲は聴いたことがある」程度で、好きだなと思う曲も無かった。
が、この曲については、「うまく作ったなあ」と感心させられた。
というのも、おそらくだが、この楽曲は、このバンドっぽい曲、このバンドらしい曲、では、無い。
のではないかと思う。
いろいろな最近売れているバンド、売れている曲、または、これまで売れてきた曲、それらの売れる要素を研究し、抽出し、ミックスして制作した曲なのではないかと感じた。
つまり、「売れる曲を作ろう」として、狙いすまして作った。
そんなプロ意識を感じてしまった。
こんな尖ったMVを付随させなくても、十分に優れた楽曲だと思う。
しかし、この映像を用意したことで、やはり、「売れるべくして売れた」。
懐古主義おじさんも、最近の優れたものは、ちゃんと認めていきたい。