Parsley,Sage,Rosemary and Thyme【プロポ】220918
前回のタイトルを見て、
「お、サイモン&ガーファンクルか?」
そして、今回のタイトルを見て、
「やっぱり、そうやん!」
と思ってくれた方が、一人でもいてくれたら嬉しい。
お友達になりましょう。
好きなアーティストは数多くいるが、自分にとってサイモン&ガーファンクルは特別な存在だ。
音楽との出会いと言っても差し支えない。
私の父は、モロに「フォーク世代」の人だ。
日本で言うと、吉田拓郎、井上陽水、岡林信康、かぐや姫、などなどに、多くの若者が熱狂し、そして影響を受けまくってアコースティックギターをかき鳴らしていた時代だ。
その全てのハシリが、ボブ・ディランあたりになるのかな。
私の実家の茶の間には、父が若かりし頃に買ったヤマハのアコギが置いてあり、父は妻子に「うるさい」と言われながらも毎日のように爪弾いていた。
そして、それなりに上手かった。
そんな父が、車のオーディオでかけるのは、ほぼいつも『サイモン&ガーファンクル』であった。
いや、ほぼいつも、どころか、いつも、だったかもしれない。
いま思い返せば、父本人も、私を含めた家族も、よく飽きなかったものだ。
記憶とは、匂いや、音と、密接に結びついている。
私は今でも、サイモン&ガーファンクルを聴くと、子どもの頃の車内を思い出す。
私が生まれ育った、小さな漁村から、最も近いシティまでは、車で一時間以上かかる。
数か月に一回程度、車でシティに買い物や遊びに行くのが、村の子どもたちの楽しみであった。
行きの車の中での、ワクワクとした気持ち、あの高揚感。
パブロフの犬的な刷り込み効果によって、私はサイモン&ガーファンクルの楽曲を聴くたびに、あの気持ちをー今では当時より幾分薄まってしまってはいるが―思い出すことができる。
そんなわけで、
小学生の頃の私は、
「好きな曲は?」
と聞かれたら、
「んー…。『スカボローフェア』かな?笑」
などと答える、周りの大人からしたら明らかにお調子に乗ったいけ好かない少年であった。
でも、本当に大好きだった。
ポール・サイモンのギター演奏力、作曲力、そして、詩人としての作詞力はもう天才と言う他にない。
そこに、アート・ガーファンクルの「天使の歌声」とも形容される歌声が重なる。
仮に思い出補正無しで、大人になってから出会っていたとしても、大好きになっていたと思う。
和訳は、私によるものなので、直訳にはなっていないことをご了承いただきたい。
元はイギリスの民謡らしいので、この部分はポール・サイモンによる言葉ではないのだが、まあもう本当に最高だ。言葉の芸術だ。
私が好きな歌詞の特徴や要素については、また近いうちに語らせてほしい。
偶然なのだが、昨日引用した言葉もイギリスのことわざであった。
そういえば、つい先日、偉大なる女王が他界し、それが世界にとっても、一つの転換点となったであろうほどの国である。
改めて歴史の深い大国へ、心から敬意を払いたい。
思ったより、長くなってしまったのだが、大きな収穫を得た。
「音楽関係のレビューだったら、いくらでも書けそうだ。」
次はきっと、ビートルズだなー。