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【発達障害グレーゾーン息子】ASD傾向のある息子が私を“いい意味で”裏切った話
私の息子は発達障害のグレーゾーン。
ASD気質が強い子で「得意なこと・苦手なこと」の差が激しく
嫌なことは頑なにやらないタイプ。
そして集団行動が苦手なので、小学校では特別支援学級に通うことが決まっています。
今回は、そんな息子の発表会のお話です。
【発達障害グレーの息子】最後の発表会!楽しみなようで、楽しみじゃないワケ
息子が通う保育園では、年長さんが和太鼓を叩くことが毎年の恒例。
そして、和太鼓の演奏は発表会の目玉といえる演目です!
発表会の会場に入ると
「今年の年長さんの和太鼓、楽しみ〜」という保護者の声が聞こえます。
その言葉が耳に入ると、胸がぎゅっと締めつけられるのを感じました…。
この場所で、今日、息子が和太鼓を叩きます。(たぶん)
最後の発表会。
保育園での締めくくりとなるこの日を、心から楽しみに……なんて、正直言えなかった。
むしろ、期待しないようにしていました。
【発達障害グレーの息子】発表会までの道のり
賑やかな発表会の会場で 発表会までの出来ごとを思いだしました。
発表会の目玉の「和太鼓」その練習は年長さんになってからすぐに始まります。
5月。
保育参観で和太鼓の練習を見ることができました。
他の子たちが真剣な表情で太鼓を叩くなか、
息子は先生の話も聞かずに、ひとり 和太鼓のばち を床で転がして遊んでいました…💧
ひとり、教室で浮く息子の存在…。
その場から逃げたくなるくらい心がザワザワしていました。
保育参観のあとも先生に「和太鼓の練習に参加することはできているか?」とたずねるも
先生からは「和太鼓の練習の時は教室の隅っこで参加できずにいます」と言われました。
運動会でも和太鼓の発表をしましたが、
息子は、一度も太鼓を叩かず、ぼーっと立っているだけでした。
途中で、担任の先生に叩くように促されていましたが
完全ムシ💧
先生ごめん💧
みんなが和太鼓を叩くなか、地面に座りこみかたくなに動かない息子…💧
息子の特性を分かっちゃいるけど、いざ何もできない姿を見ると
心が痛みます。
運動会のあと、発表会に向けての練習が本格的に始まりました。
お迎えのときに、和太鼓の練習はみんなについていけているか?と先生に聞いてみると
「今日は練習する気分じゃなかったみたいで…」とか
「途中で疲れてのか床で寝転んでいました…」とか
そういう話ばかり。
そっか。
きっと息子は和太鼓に興味がないんだろう。
発表会は、ステージに大人しく立ってくれていればいいや。
寝転がらなければいいや。
そう思っていました。
そして、いつの間にか 息子の様子を聞かなくなってしまいました。
そんな諦めの気持ちを抱えながら、発表会の当日をむかえました。
期待しなかった私に、息子が見せたまさかの姿とは?
ステージの幕が上がりました
和太鼓の演奏が始まります!
会場の保護者たちが一斉にカメラを構える…!
ステージの上には、いつものようにボーっとしている息子の姿。
どこか落ち着きなくフラフラしていますw
とりあえず、立っててくれ!寝転ばないでくれ!
そう願いながら息子を眺めていました。
「気をつけ!礼!」という代表のお友達の声で和太鼓の演奏がスタート!
次の瞬間、目の前の光景に息をのみました。
うそ?でしょ??
息子が、みんなに遅れることなく、きちんと和太鼓を叩いている…!
合いの手で「ヤッ」と声を出して決めポーズをするのもきちんとみんなにあわせてできていた。
いつもぐにゃっとしているのがウソのよう。
私は見間違えているのか?と心配になったけど、
いくらよく見ても間違いなく息子だったw
ピシッと背筋を伸ばしている!
腕をまっすぐに伸ばし、リズムに合わせて、力強く太鼓を叩いている。
真剣な眼差しで、きちんとフォーメーションが変わる時も
迷いなく移動している。
いつもぼーっとしているのに、しっかりと前を見てステージに立っている。
──うそでしょっ!?
数ヶ月前、バチを転がして遊んでいた息子が?
床に寝転んでいた息子が?
運動会で何もしなかった息子が?
これは夢なんじゃないかと思うくらい、信じられない光景。
いつも見ている息子じゃない。別人のよう…。
本当にうちの子か?
その姿に、ただただ涙がこぼれた。
「この子は、何もできないんだから。期待はしない。」
息子に対しては、期待することをほぼ諦めていた私。
できるかもしれない、成長しているかもしれない…!と、
信じることを放棄していました。
…ひどいなぁ。私。
でも、息子は、彼なりのペースでちゃんと頑張っていた。
先生も息子を諦めずに指導をしてくれていた。
親の私は何やってんだ。
「ごめんね……」
心の中で何度も謝りながら、涙が止まりませんでした。
【発達障害グレーの息子】大変だけどおもしろい!この子と生きるって、そういうこと
息子の育児は、まるでジェットコースターのよう。
「この子には無理かもしれない……」と絶望することもある。
けれど、そんな私の思い込みを、いい意味で裏切ってくれる瞬間がたまにある。
たまーにね。笑
でも、そのたびに思う。
大変だけど、この子を育てるのは面白い。
これからもきっと、私は何度も絶望するかもしれません。
でも、そのたびに、この子は私に「成長」という奇跡を見せてくれるのかもしれない。
そして、私はまた泣くんだろうなぁ…。
まったくもう、この子は…って言いながら。
絶望とうれし涙。この繰り返しばかりです。