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桜の守人
小噺です。
先日の晩、桜を見に行きました。花見も下火になり、人は二組ほどしかいませんでした。
赤とオレンジのボンボリが灯り、桜を染めて、とても綺麗でした。誰もいない道に、桜とボンボリだけが並んでおり、幻想的でした。少しホラーチックでもありました。このまま進むと、豪華絢爛なお屋敷について、朝になったらあばら家に変貌してた、なんて事態が起こりそうな感じでした。
何もありませんでしたけれど。
夜の桜も美しいな、と思いました。
花の色が薄いから、どんな色にも自然に染まって見せます。自分を主張するのではなくて、周りに溶け込むことによって美しさを表現します。
実に日本的な花ですね。
日本絵ってデフォルメして描いているのだと思っていましたけれど、実際、日本絵の世界みたいでしたね。
こういう景色を見ると、日本に生まれてよかった、と思います。