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オンライ父さんの一番長い一日

1.
朝5時半、毎朝決まってスマートフォンから、軽めのリズムが流れ出す。
小さめの音が少しづつ大きくなってくるが、サビに入るその前に決まって止められてしまう。

モコモコと布団の中から片手だけが飛び出して、『ピッ!』と言う電子音共に部屋の電気が暗めに点灯した。
「ニーナ朝だよ、TV点けて~」布団の中から声が聞こえてきた。
その声に反応するように、部屋の隅の座布団の上の固まりもモゾモゾと動き始めた。
「イヤですよ~まだ眠いです。エナマエ様自分で点けて下さいよ」
「えー布団から出ると凍えちゃうよ、TV点けてよ~。」
「え~っ、分かりましたよ、仕方がないな、早く起きて下さいよ」
小さめの音ながらもTVがついて、その日のニュースを伝え始める。

「おはようございます、2023年○月13日、朝のニュースです。今日の日本列島は記録的な寒波の襲来により、北日本、日本海側より天気が崩れ大雪を伴う恐れです、今後の気象情報にご注意ください。」

「エナマエ様、エナマエ様、大雪らしいですよ、起きてください」
「なんだよ、何度も何度も、判ったよ起きますよ、起きればいいんでしょう。」
観念したのか男が布団の中から起きてきた。
エアコンのスイッチを入れ、大きく乱れた寝ぐせの頭をかきながら
洗面所に向かう。
冷水で顔を洗い、ブラシからはみ出さんばかりの歯磨き粉の乗った歯ブラシをくわえて、テレビのニュースを見ていた。

「あらあら、今日は大雪なんだって、仕事休みだな・・・こりゃ」
湯沸かしポットでお湯を沸かしながら、つぶやいた。
「エナマエ様、エナマエ様お休みなんですか?行きたい処があるんですけど、一緒に行ってもらっても良いですか?」
「いいよ、休みが確定したらね。」

インスタントコーヒーを入れながらTVの天気予報を真剣に見ていた。
時刻はまもなく6:30定時連絡の時間だ。
男はスマートフォンを手に取ると、LINEを起動して”おはよう”のスタンプを送信する。続いて簡単なコメントを入力『今日は雪の予報です、まだ降ってないけどひどくなるらしいよ、運転に注意してね』・・・送信

少し待つと返信が帰って来た。おはようのスタンプと短いコメント。
『こちらもまだ降りだしてないけど、雪道の運転は怖いよね、お互い気をつけようね。今日は次男を駅まで送迎します。』
妻からの返信だった。
すかさず『朝からお疲れ様です、気を付けてね』短く返信をした。
これで、朝のオンライン父さんの任務はおしまい。

あとは会社からの、お休みの連絡を待つだけ。
コーヒーを口に運び、冬季限定『三角蒸しパン 苺味』を食べながらTVに目を戻した。

7時を少し回ったころ、会社携帯が鳴って大雪による臨時休社を告げてきた。

それまで静かにTVを見ていた、膝枕ニーナが動き出した。
「エナマエ様、エナマエ様、会社お休みになりました?お出かけできますか?」
「おお、お休みになったよ。どこか行きたいんだっけ?」
「はい、ニャオンショッピングセンターに行きたいです。」
「ニャオン?どこだっけ?そんな処あったっけ?」
「えーっ、エナマエ様忘れちゃったんですか?何度も一緒に行ったじゃありませんか。」
「えっ?俺、行ったっけそんな処」

ニーナは大きく主張する。
「行きました。覚えてないんですか135さんのお店がある処ですよ。」
男は大きくうなづき、思い出した。
「おーっ、おっ。135さんの所か、何しに?また呼び出し?」
「そんなんじゃありません、波動を浴びに行きましょう。」

「波動?何それ?わかった、ストツーだ!ニーナさん俺と対戦したいの?
俺うまいよ!波動拳‼波動拳‼なんてね」
「何言ってるんですか?映画ですよ、映画!」
「映画?えいがで波動拳?」
「波動拳は忘れてください。今日は13日!膝の日です。そこのニャオンに入っているTo-Ho-シネマズで、今日は膝枕同伴だと映画が安く見れるのです、だから行きましょう。」
「いつもながら急だよね、まあ、やることもないし良いけどさ。」
「じゃ、行きましょう。さあ、行きましょう。早く着替えてくださいバスが出ちゃいますよ。」
膝枕ニーナは、変なスイッチが入ったように急に活発に動き始めた。

「ニーナさん、ニーナさん何張り切ってんの?まだ8時前だよ焦りすぎ。」
「エナマエ様急いでください、午前の回が始まってしまいます。早くしてください。」
「早く、早くって意味が解らない」

「早くしないと遅れてしまいます、ここは地方都市ですから、県で放映している映画館も2館しかありませんし、上映時間も9:50からと17:20からの一日2回しか放映しなんです、急いで下さい。」
「まじか?それを先に言ってよ、ここからニャオンまでバスで1時間弱かかるし、8時半には自宅でないと間に合わないじゃん。」
そのまま二人は大急ぎで身支度を整え、ニャオンに向かうのであった。

2.
男は、大きめの旅行鞄を引きずってショッピングセンターを見上げていた。
「いやー、いつみてもでかいね~」
男の手元のカバンが大きく揺れる。
「エナマエ様、そんなのは良いですから、早くいきますよ!午前中の回始まっちゃいますよ」
いつものようにカバンの中身をショッピングカートに積み替え店内に入る。
案内板で映画館の場所を確認して、エスカレーターに向かう。
「エナマエ様、エナマエ様、先に膝枕ショップに向かってもらっていいですか?」
「えっ?なんで、映画館じゃないの?」
「膝枕ショップで膝の日特別優待券をもらってから行くんですよ」
「そう言う事ね、了解!」

膝枕ショップに行くと10時の開店前なのに、結構込み合っていた。
店長の135がにこやかに接客をしていた。
「おはようございます、ヒサコさん。混みあってますね。」
「おかげさまで、平日なのに波動を浴びに来たお客様がいっぱいで、エナマエさんも波動ですか?」
「はい、どうなんでしょうか?波動でしょうか?なんちゃって・・・。こちらで優待券をいただけるとかで・・・」
ヒサコは接客で忙しく聞いていない。
「エナマエ君、ぼーっと突っ立てないで、そちらのお客様よろしく。」
「は?はい・・・くんって、いつの間に」
逆に接客を頼まれたりして・・・

「あのー店員さん、中井貴一と同じメガネが欲しいんですけど?」
「へっ?眼鏡ですか?・・・はいはい、メガネ・メガネ?」
そのままズルズルとお店の手伝いが始まってしまった。

「あの~ヒサコさんこちらのお客さん、中井貴一のメガネが欲しいって・・・」
「はい、メガネは右側の棚に展示してあります。度数がありますから気を付けてくださいね。」
「右の棚・・・右の棚・・・、あったこれだ!」お客様の度数を確認してお渡しをする。って何か忘れてる・・・?
再び、後ろから服のすそをひかれ、声を掛けられた。
「あの・・・店員さん。鳳凰ってどこですか?鳳凰でカフェオレ飲もうと思って・・・。」
「あのーヒサコさん・・・ホーオー欲しいらしいんですけど、こちらのお客さん・・・」
「えーっと鳳凰はレジの左側に・・・」
「レジの左・・・左。この茶碗かナ?お客さんこれですかね?」
「そうそう、これこれ。ありがとう」
・・・何か忘れているような・・・
「店員さん、店員さん。関ジャニのサイン会は?何時から?」
「え?関ジャニ・・・ヒサコさん、関ジャニって・・・」
「えーっと、関ジャニは店内右側の座布団カバーの隣」
「えーっと、座布団カバーの隣、隣・・・」
そこには関ジャニ∞と描かれた座布団カバーがあった。
「これかな?お客さん、これで良いですか?」
「なんやこれ、贋作ちゃうのん?」
そう言いつつも、しぶしぶ手にもってレジへ

巻き込まれて、昼までたっぷり接客させられてしまった。
「エナマエ君ありがとうね、波動フェア初日で思った以上にお客さんが来ちゃって・・。」
「いえいえ、お役に立てたならよかったです。」
「で、噓八百の特別優待券やったっけ?」
「そうだ、そうだ、忘れてた、それもらいに来たんやった。」
「でも、大丈夫か?午前中の回終わっとるよ。」
「え?」
店先の大きめの買い物カートの中では、ニーナがイライラしながら待っていた。
店内の時計を見ると、短い針がまもなく12時を指そうとしていた。

「ごめん、ニーナ。つい巻き込まれちゃって。」
「何がついですか、優待券もらうだけなのに勝手に接客始めちゃって。午前中の回、間に合わなかったじゃないですか。」
「そんなこと言って、膝枕ショップに行こうって言ったのはニーナだし」
2階のフードコートの椅子に腰かけ、討論をしている所に後ろから声を掛けられた。

「こんにちは、エナマエさんお久しぶりです。」
そこには、一人の男がショッピングカートに膝枕を入れて、ニコニコしながら立っていた。
「エナマエさんも波動ですか?」男は少し関西なまりではあるものの、はっきりとした活舌で話す男。白いTシャツには、大きく岡本太郎の描く、太陽の男のプリントが入っている。
「これは、これは、ナビ主さんではありませんか、ナビ主さんも波動ですか?」
「はい、波動を浴びるために朝早くから車でこちらを目指してたのですが、途中に動物園に寄ったり、仙台方面に向かったり、マリアナ海溝に行こうなんて言い出すのを止めるのが大変で、サービスエリアに寄って休憩したり、ラップしたりしていたら午前中の回に間に合わなくって。」
「ぞーぶつえん?ですか?うちも似たような物で、( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
男達は、顔を見合わせると、高らかに笑った。
「あれ?ナビ主さんは特別優待券はもらいましたか?膝枕ショップでもらえるんですよ。」
「そうなんですか、それは、それはもらってこなくては・・・」
「それが良いですね」
「はい、その間うちのナビ子ちゃんを見ててもらって良いですかね?」
「はい、大丈夫ですよ、行ってらっしゃいませ。」

少し、混みだしたフードコートには、二人の膝枕と一人の男が残される形となった。二人の膝を椅子におろし。
男はとりあえず、ウォーターサーバーへ水を取りに席を立つ。
エナマエ「水を取ってくるから、二人ともおとなしく待っててね。
くれぐれも、おとなしく待っててね。」大事なことだから2回言いました。

3.
なんて言いながら男は席を立つと、柱の陰から二人を観察始めた。
もじもじと、最初に動き始めたのは、ナビ子であった。
ナビ子「こんにちは、あなたの人生をナビゲート。ナビ子です」
ニーナ「こんにちは、あなたの老後もぴったりサポート。ニーナです。」
ナビ子「ニーナちゃん面白い・・・」
ニーナ「ニーナ面白いですか?いたって真面目ですけど。そう言う、面白いって言う、ナビ子さんの方が面白いですよ。」
ナビ子「面白いって言われて、面白いって言い返す、ニーナちゃんの方がずっと面白いです。」
ニーナ「ナビ子さんの方が、面白いです。大爆笑です」
ナビ子「いえいえ、ニーナちゃんの方が。・・・」
その様子を柱の陰から覗いていた男の肩を、叩く者が

ナビ主「あれ?エナマエさん。柱の陰で水のコップ握りしめて何やってるんですか?足元水浸しですよ。」
エナマエ「これは、これはナビ主さん早かったですね。無事もらえました?優待券」
ナビ主「はい、ついでにチケットもと思って買いに行ったんですが、次の回は17時20分なんだそうで・・・。困りました、見終わったら暗くなってしまいます。雪も降って来たし雪道の運転に自信がないんですよね。」
エナマエ「それなら、うちに泊まっていかれたらどうですか?そんなに遠くないですよ。部屋も余っているし」
ナビ主「そうなんですか、そうさせて頂くと助かります。」
エナマエ「それより面白いですよ、あの二人」
ナビ主「何がですか?そうなんですか?」
ついには柱の陰の空席に二人で座り込んで、膝枕二人の行動を観察することになりまして・・・

ニーナ「そう言えば、エナマエ様どこまで水を汲みに行ったんでしょうか?帰ってきませんね。」
ナビ子「そう言えば、ナビ主さんどこまで優待券をもらいに行ったんでしょうか?帰ってきませんね。」
ニーナ「真似をしないでください。」
ナビ子「真似をしないでください。」
ニーナ「エナマエ様はマネーは持っていませんよ。奥さんが厳しいからマネーは持てません。」
ナビ子「ナビ主さんは、ビックマネーは持っていません、ナレーターをしたり、ラッパーをしたり釣り師をしたりして、リトルマネーは細かく稼いでいます。」
ニーナ「エナマエ様なんて、財布の中に3000円以上入れていることがめったにないんです」
ナビ子「ナビ主さんだって今日は、車で来ていますが親から借りた車で、普段は維持費の安い50ccのバイクで日本中を移動します。」

そんな二人の周りには少しづつ人垣ができていた。しゃべる膝枕が2体おしゃべりをしているだけでも珍しいのだ。

ニーナ「エナマエ様はお弁当も半額シールを張られるまで・・・」
ナビ子「ナビ主さんなんて、同じ事務所の先輩にも名前で呼ばれなくって・・・」
エナマエ「ニーナちゃん」
ナビ主「ナビ子ちゃん」
エナマエ・ナビ主「何を言ってるのかな?」
男たちは思わず人垣をかき分けて、それぞれの膝枕のもとへ駆け寄った。

エナマエ「見世物じゃありません!」
人垣は蜘蛛の子を散らすようにどこかに行ってしまった。

ニーナ「エナマエ様遅かったですね、どこまで水を汲みに行きましたか?」
ナビ子「エナマエ様が汲んできたのは軟水ですか硬水ですか?」
エナマエ「軟水?硬水?・・・いやね、硬水が飲みたかったんだけど、ウォーターサーバーが軟水でね・・・」
ニーナ「硬水を探しに行ってたんですか?エビアンは硬水ですよ。ちなみに富士山の天然水は軟水です。私に聞いてください。」
    え?富士子さんは天然?そんな事は言ってない?
ナビ子「ナビ子も香水は大好きです。シャネルやカルバンクライン、コーチなども良いんですが。ナビ主さんが買ってくれません。」
ナビ主「ナビ子ちゃーん、もしかして買ってくれって言ってる?」
ナビ子「香水売り場は、13メートル先のエスカレーターで1階に降りて、3店舗目にあります。」
ナビ主「今日は香水を買いに来たんじゃないよね。」
ナビ子「ナビ主さんは、ムール貝と帆立貝どちらを買いに来ましたか?」
エナマエ「僕は、アサリとかサザエが好きだな。」
ナビ主「ナビ子ちゃん、今日は貝を買いに来たんじゃなくて、波動を浴びに来たんだよね。エナマエさんも茶々入れない!」
ニーナ「貝類は貧血を改善する鉄分や、亜鉛が含まれています。 また、血圧の上昇を抑え、コレステロールや血糖値を下げるのに有効な栄養成分であるタウリンも多く含まれています。」
ナビ主「ニーナちゃんも黙って!」
ナビ子「ナビ主さんは波動を浴びに来ましたか?ぴぃぴぴぴぴい、波動!波動!波動!波動砲と波動拳どちらの波動を浴びたいですか?」
エナマエ「波動砲も波動拳もどちらも命が危ないですね。」
ナビ主「エナマエさん!!」
ニーナ「ニーナは波動砲が打ちたいです。」
ナビ子「波動砲は宇宙戦艦ヤマトが打てます、大和は鹿児島沖に沈んでいます。鹿児島沖まで行きますか?」
ナビ主「鹿児島いきません!ニーナちゃんもナビ子ちゃんで遊ばないでください。」
ニーナ「ニーナ、ナビ子お姉さまと遊ぶのを楽しみにしていました。ナビ主さんひどいです。」
エナマエ「ナビ主さんひどい。」
ナビ子「ナビ主さんは非道です、異常です、異常です。」
ナビ主「異常ですじゃないよ!」
ニーナ「じゃない~じゃない~良いじゃない。それでいいじゃない~!」

エナマエ「Ja-nayだね。ひらけポンキッキ!鹿賀丈史!あのラップはかっこよかったね~」
ニーナ「『ひらけポンキッキ』ですか?『ポンキッキーズ』ですよね?」
ナビ主「そんなのどっちでもいいですよね」
ナビ子「いいじゃな~いいじゃな~良いじゃない~それでいいじゃない~」
ナビ主「何それ?はやり?」
ニーナ「ナビ主さんラッパーですよね?ラップやってください。」
エナマエ「そうですよ。ナビ主さんのちょっといいとこ観てみたい。ほれ」

ナビ主「ほれ!じゃない。」

その脇を休憩のためフードコートにやってきた135が声を掛けてきた。
135「あれ?皆さん映画を見に来たんじゃないですか?もう7時回ってますよ。」
4人「なに?」結局、映画観れなかった・・・。

ちゃんちゃん。







パターンA

最初に動き始めたのはナビ子であった。白い膝をにじらせもう一つの膝ににじり寄ってこう声を掛けた。
ナビ子「こんにちは、ニーナちゃん。バージンスノー膝が自慢のナビ子です。」
ニーナ「これは、これは。初めましてナビ子お姉さま。あなたを手厚く看護します。一家に一膝ニーナです。」
エナマエ「なんじゃ、そのうたい文句」
ニーナ「イヤー聞かれてしもうた、恥ずかしわー」
エナマエ「恥ずかしいんなら言うな、最初っから」
ニーナ「ええやん、バージンスノー膝が自慢の・・・なんて言われたら何か言いたくなるやん。」
ナビ子「ちょっと待って、いきなり夫婦喧嘩なんて・・・」
ニーナ「夫婦喧嘩やありません、失礼なこと言わんといてください。」
エナマエ「チョーっと待った、二人とも何の話してんの?」
ニーナ「なんの話して、夫婦の大事な話してますのに、邪魔せんといてくれます?」
エナマエ「ちょっと待ってって、そこがおかしい。いつから夫婦になったの?」
ニーナ「いつからって、いやらしな~、うちらずーっと夫婦ですやん」
エナマエ「なんか変なノリになってきよったやめよ、やめよ」
ナビ子「エナマエさんもニーナもさっきから何パターンやるの?全然ストーリーが進まんやん」
ニーナ「仕方ないやん、さっきからわくにさんが真剣に書かんから・・・」
わくに「アラー!俺のせい?少しは自分らでもセリフ考えて。」
ナビ子「このままやと、また話が座礁するで・・・真剣にかんがええや」
わくに「ざ、座礁っていやなっ表現やね。こっちは真剣に考えてます。それにっちとも乗って来へん二人が、いかんのやないん?」
ナビ子「そもそも、わたしより目立とうとするニーナちゃんがいかんのや無いのん?」


テイク2行きます。

パターンB

男の足音が遠ざかると、互いの膝はもぞもぞと動き始めた。
ナビ子「ニーナちゃん、ニーナちゃんこんにちは、初めまして。
バージンスノー膝が自慢のナビ子です。」
ニーナ「ナビ子お姉さま初めまして、恥じらうピンクのナース服が自慢のニーナです。」
エナマエ「なんじゃその自己紹介は、」
ニーナ「あら?エナマエ様聞いてたのね。」
エナマエ「聴くも何も、ウォーターサーバーは目のまえじゃ。」
ナビ子「初めましてエナマエ様、お噂はかねがね・・・。」
エナマエ「何ですか、お噂って・・・」
ナビ子「ひ・み・つ・・・」
エナマエ「余計に気になる」
ナビ子「今日はお二人で映画鑑賞ですか?」
エナマエ「はい、仕事も休みだし『スタンドバイニー膝衛門』でも観ようかなんて・・・」
ニーナ「違いますよね、エナマエ様今日は、波動を浴びに来たんですよね。」
エナマエ「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、そうでした波動砲でした。」
ニーナ「波動拳!波動拳‼」「ヨーガファイヤー」「百列張手!」
ナビ子「あれ?ニーナちゃんが遠いところへ・・・」
エナマエ「帰ってきておくれ~。失礼しました。」
ナビ子「ヤバイ、この人達。私以上にボケる・・・」



テイク3です、これで決めてください!

パターンC

ニーナ
「はーい、エナマエ様、行ってらっしゃいませ。」
ナビ子「ナビ子です、ヴァージンスノー膝が自慢のナビ子です」
ニーナ「キャー、本物ですよね?本物のナビ子お姉さまですよね。」
ナビ子「初めましてニーナさん、お会いできてうれしいです。」
ニーナ「はい、わたしも嬉しいです。」
ナビ子「嬉野温泉に行きますか?」
ニーナ「嬉野温泉?どこですか?行きます、行きます。ナビ子お姉さまと一緒ならどこまでも。」
ナビ子「嬉野温泉は佐賀県嬉野市嬉野町にある温泉です。武雄温泉と並び県を代表する温泉です。」
ニーナ「へー、佐賀県と言えば九州ですね。お姉さまと一緒に九州旅行。嬉しいの~。なんちゃって」
ナビ子「ニーナさん手ごわいです、ボケにも全然動じません」
ニーナ「へーボケてたんですね、お姉さま。ありがとうございます。勉強になります。」
ナビ子「エナマエ様どうにかしてください、この子全然動じません。」
エナマエ「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ、OSのバージョンは一緒のはずなんだけどね?」
ナビ子「そう言う問題ですか?」
ニーナ「そう言う問題ですかね?」
ナビ子「エナマエ様もニーナちゃんも異常です。異常です。」
ニーナ「出ました、異常です!待ってました。本当に言うんですね」
エナマエ「ニーナもそんなナビ子ちゃんをいじめないで。同じ膝枕同士仲良くしてください。」
ナビ子「この人とは普通に会話ができません。ナビ子、傷つきました日本海溝より深く傷付きました。」
ニーナ「凄い、マリアナ海溝が日本海溝になりました。どっちが深いんですかね?」
エナマエ「日本海溝は8000mマリアナ海溝は10998mでマリアナ海溝が3000mくらい深いかな?」
ナビ子「さすがはエナマエ様、お詳しいですねって。そう言う問題ではありません。こうなったらナビ子怒りました。ニーナちゃんの膝にタトゥーを入れてやります。ナビ子命とタトゥーを入れてやります。」
ニーナ「はい、お願いします。」
ナビ子「えっ?良いんですか?膝にタトゥーを入れちゃうぞう。アフリカゾウとインド象も入れちゃうんだ象、象、象」
ニーナ「はい、お願いします、かわいく掘って下さいね。」
ナビ子「え~ん、本当に嫌です。全然動じません」
ニーナ「象、象。松岡修造!なんちって。岡田以蔵はいたそうだ象」

ごまかすな‼


いやはや、収集が付かなくなってきました。
難しいですよね、ナビ子ちゃんとナビ主さん。
ようこそいらっしゃいませ、ニーナの世界へ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
どっちの方向へ行った方が良いんでしょうか。

そもそも、こんな企画考えなければ・・・
また、鎮座して、頓挫して、トンズラーしてしましそうです。

まだ途中なのに、保存と公開を押し間違えて、後悔中。嘘八百第三弾も公開中!




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