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冷蔵庫に詰まった愛で、おなかも心も満たされたい。

おなかぺこぺこで冷蔵庫を開けたとき、空っぽだと心も空っぽになって、なんだか寂しい。

それは、単に食べるものがないから、ということじゃなくて、食べ物からただよってくる“人の温もり”が感じられないから。


食べ物ひとつひとつには、実はいろんな“愛”が詰まっているんですよね。

わが家の冷蔵庫にはどんな愛が詰まっているのか、少しばかりご紹介しますね。


母からの愛

冷蔵庫のなかで何ヶ月も鎮座している大きな瓶には、生姜の甘酢漬けが入っています。

市販品のような真っ赤なシャレたものではなくて、ほのかなピンク色をおびたナチュラルな新生姜。

これは食べ親しんだ母の手作りです。


毎年初夏になると、母がたくさんの新生姜を買ってきて甘酢漬けを作ります。

500mlの瓶に3つ。

実家用、私の家用、兄の家用。


「生姜には殺菌作用があるし、食欲増進にもなるから、身体にいいんよ。」

生姜愛好家の母の口癖です。


それにしても、3件分もの大量の生姜。
切るだけでもひと苦労だろうに。
手間を惜しまず作ってくれた新生姜を見るたびに母の愛を感じます。

ちょっと食欲がないときにつまむと、甘酸っぱ辛い味とともに、母の口癖を思い出します。

今年もそろそろ新生姜の時期ですね。


友人からの愛

冷凍庫にあるパイナップルは、友人からの差し入れ。

台湾をこよなく愛す彼女は、輸出先を失った台湾産パイナップルのニュースを見て、お取り寄せしたのだとか。

キレイにカットして持ってきてくれました。


夕飯の準備で冷凍庫を開けたとき、力強い黄色のパイナップルが目に飛び込んできました。

一瞬でパイナップルのおくちになり、どうしても食べたくなりパイナップルの袋に手が伸びます。

解凍するのを待ちきれず、凍ったままのパイナップルをひとつつまんでみると、甘酸っぱくて優しい味がしました。

彼女の台湾への愛が伝わってきます。


ひとりひとりができることはちっぽけでも、ひとりの行動から始まることは、きっと何かに繋がっていく。

頭で考えすぎてしまう私は、すぐに行動できる彼女に、行動力の大切さをたびたび教えられます。


また自由に台湾へ行ける日が、早くきますように。


自分からの愛

冷蔵庫に欠かさず入っているチーズ。

気が重い仕事を抱えた朝、気合をいれるために、トーストにたっぷりの溶けるチーズをのせます。


とにかくたっぷり、わがままなほど贅沢にのせるのが、チーズに対する礼儀。

あとはトースターに入れて焼くだけ。


…   チン!

チーズの香ばしいかおりとともに、パンが焼き上がります。

あつあつをくちに運べば、小麦の香りにチーズのミルキーな風味があわさって、至福のひととき。

とろーり溶けるチーズって、どうしてこんなに人を幸せにできるんだろう。


チーズは元気のない自分を励ます、自分への愛。


楽しい一日にするためには、朝に自分のご機嫌をとることが重要。

朝からたっぷり甘やかしましょう。


* * * * *


冷蔵庫には、愛がふわりと漂ってくる食べ物を。



ちょっと元気がないときは、冷蔵庫を開けて愛を感じてみてください。

もしも愛が足りないときは、自分へのご褒美スイーツを好きなだけ買ってきましょう。


冷蔵庫に詰まったたくさんの愛で、
お腹と心を満たして、
今日も明日も、最高の笑顔で過ごせますように。


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こちらのお話は、チーム冷蔵庫の御三方の企画に参加させていただきました!

最初は「冷蔵庫?書けるかな?」って思いましたが、斬新なお題のおかげで、いろいろ思いを巡らせて綴ることができました。