笛の声がきこえる
お盆の昼下がり。
エアコンの中で丸一日を本を読んだり、動画をみたり、うとうと昼寝をしたり…
と、過ごした次の日
もうこれではいくまいと、
身体が悲鳴をあけた
一日中、家でじっとしていなくてはいけないなんで
拷問だ。
お盆はご先祖様が帰ってくるから、
家でご先祖様と過ごす。
だからといって、
一日中、家の中でぐだぐだしているだなんて、私には耐え難い。
身体の悲鳴を聞きながらも、外に出る術のない私は、
家の中のサウナに逃げ込んだ。
サウナといってもこんな炎天下だ、
エアコンをつけていない部屋にいき、
外気の風だけを頼りに
汗がでるのをひたすらに待つ。
ここでもやれることと言えば
本を読みことと
動画を見ることくらいだ。
それにも耐えかねてきた頃、
ぴゅ〜〜るる〜…
ぴゅ〜〜るる〜…
ぴゅ〜〜るる〜…
と、笛の音が聞こえた。
「とうふ」と書かれたのれんをさげた軽トラックがやってきて、
近所のおばちゃんが
待って、待って!
と、声をあげる。
格子窓からその様子を伺いながら
自分も、そこにいるかのように想像するのだ。
明日でお盆は終わり。
ご先祖様も、また
あの世へと帰って行く。
私も、自分の世界へと戻っていける。。。